表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
高校中退から始まる探索者生活  作者: 聖花 シヅク
借金苦の生活は嫌なので探索者になろうと思います
1/13

親が夜逃げしました→探索者になります

始めましての人も、それ以外の人もこんにちは

シシノと申します


今回の作品はローファンタジーです

今までの作品とは違い、現代日本からすると最悪の生まれの少年が主人公となっております

しかし、スペックは今までの作品通り、チートの一言に限ります(主人公が理解しているとは言っていない)


学校に関する話は書くかどうか迷っています

また、ハーレムにするかどうかはこの先の展開次第になってきます


と、まあ、まだほとんど進んでいない作品ではありますが、本日より公開していきます

次回の更新は本日の夕方の予定です。どれだけ遅れても本日中には上げます


では、『第1話』お楽しみください



 世界中に迷宮、ダンジョンと呼ばれる非現実的なものができ、約15年の月日が流れた。

 元は、とある場所で行われていた人口ブラックホールの実験が原因だったそうだが、一般人にはあまり知らされていない。

 この迷宮にはゴブリン、スライムなどの有名な魔物などがいた。世界中で発生した迷宮に対し、最初こそ接近禁止にされていたが、一月も経ったことには一般人も入ることができるようになっていた。

 ゴブリンやスライム等の魔物を倒すことによって、エネルギー資源となる【魔石】と呼ばれる何かや、生活や戦いを楽にするアイテムが取れることが分かったからである。

 各国の首脳陣は始めこそ全国民に迷宮を攻略させようとしたが、その考えは直ぐに頓挫した。原因は簡単であり、国民のヤル気や魔物の危険性にあった。幸いにもそれは最初に入った、日本で言う所の自衛隊のような組織によって止められた。戦いのプロ達でも相手によっては逃げ出すしかなかったのだ。日本では、戦闘経験の無い、やりたいとも思っていない国民にやらせることは出来ない、などと進言したと言われている。


 話は戻るが、それからしばらくして、探索者協会というものが出来上がった。これは日本での仮称であり、実際の名前は【W(World)L(Labyrinth)|A《Association》】世界迷宮攻略協会と言った。

 これは、自主的に迷宮に潜る人を集めるために作られた。そして、この協会へは多くの人が集まった。楽観的に楽しそうだという理由で潜るもの、本気で攻略するために潜るもの。理由は様々であったが、協会への所属人数は増えに増え、15年経った今では20歳以上の人間だと、世界でも半分は所属していると言われている。その内のどれほどの人数が、本気で潜っているかは分からないが、それだけの人数が協会に所属こそしているのだ。


 協会では探索者ランキングと呼ばれるものも作られていて、どこまで潜っているか、どれだけ貢献しているかによって順位付けされている。単なる実力だけではないという事だ。

 そして、今では探索者支援学校と呼ばれる、中高生の年代を対象とした支援学校も出来ているらしい。親が他界した、生活が苦しい、などの理由で探索者となった中高生を助けるための制度、とは名ばかりの探索者を増やす制度だ。

 しかし、現代ではここに所属する人数も増えてきている

 両親が探索者だった場合、いつでも危険が伴っている。いつ死んでもおかしくないのだ。


 そして今。また一人、高校生の少年が探索者となろうとしていた。


■■■■■

Side.主人公


夜冥(やくら)、本当にこれを処理していいんだな?」

「ええ。どのみち学校にお金が払われていなかったことですし。まあその事にも、昨日初めて気が付きましたが。あの2人にもお金を払う程度のことならばしてくれると思っていた、僕のミスです。1年分の月謝はきちんとそろえて払いますので。まさか僕に監視されていた最初の3カ月間しかお金を払わないとは‥‥僕の失態です」

「だがな、それはお前の責任じゃないだろ。それに、お前なら十分に奨学金の制度も使えると思うぞ。もしそれが嫌ならば高卒認定試験と言う手もあるだろう」

「すいませんが、あの2人が()親だと借金というものに忌避感が大きくて‥‥高卒認定試験が通っても、最終的には大学で奨学金を貰えなければ通えないので、どのみち行く気はありませんでした」

「はぁ。まあ、夜冥が借金を嫌っているのは分かるがな、まだお前は高校生だ。そこまでお金について考えなくてもいいんだぞ」


 職員室で話している二人。一人はサイズが小さく見えるパツパツのスーツを身に纏った教師で、一見ボディービルダーにも見えるが国語の教師である。もう一人の制服を着た少年の担任でもあり、まだ新卒の先生だ。

 少年の名前は〈夜冥(やくら)珱霞(おうか)〉。身長178cm、体重64kgと比較的高身長のわりにやせ型。見た目や体重の割には筋肉質で、無駄な筋肉をそぎ落としたといった方が良いのかもしれないが、実態は両親のギャンブル、アルコール、タバコ、性への依存症が原因で借金苦の生活を送ってきたために、少ない食事と学校の無い時間と勉強、睡眠以外のほとんどを肉体労働の仕事に費やしてきた結果である。

 そして一昨日、『俺達、海外に旅行してくるな!』と言う父親の言葉を最後に、両親は夜逃げした。翌日通帳からお金をおろそうと銀行に行った際に、学校への学費を払わずに滞納+両親に全額奪われていたことに気付き、現在、学校への退学届けを出しているところであった。

 成績優秀、運動もかなりでき、容姿もよく周囲への気配りも出来る。欠点と言えば両親だけであった珱霞ではあったが、彼にとって両親と言う存在は良くも悪くも大きすぎたのだ。

 借金への大きな忌避感。それにより奨学金と言う制度にも手が出せず、探索者としての道へと進もうとしていた。


「いえ、お金についてはいくら考えていても足りないと思います。今回の場合、両親は夜逃げしただけですので、僕に借金の相続は起きません。もし、亡くなっていたとしても、僕名義では借りさせていませんし、連帯保証人にもなっていませんので大きな問題はないです。探索者になれば、探索者保護法によって強請られることもありませんから。民法の877条でしたっけ?それが無ければ離縁していたところですが、法律がある以上は出来ませんからね」

「そこまで考えている高校生なんて、俺は見た事ねぇよ。まあ、お前たちが初めて持った生徒だけどな」

「まあ、僕が特殊だっただけですから。僕ほどひどい環境で育った人は早々いないと思いますよ。まあ、流石に子供の金を奪って海外に逃げるとは思いませんでしたが」

「そこまで落ちたのか。ま、それだけ意識が固いなら仕方ないな。これは校長に出しておくよ」

「はい。では、失礼します」

「おう、気をつけて帰れよ」


 今日は7月10日(日)。学校に来ているのは先生だけである。彼の通っている、いや、通っていた学校は県内でも有数の進学校だ。運動にも力を入れていて、文武両道を掲げている珍しい学校でもある。が、土日は勉強するようにと、大会の1月前からの休日練習は禁止されている。進学先は勉学方面からスポーツでの推薦までかなり種類があるらしい。


「よし、今から協会に行って探索者の登録をしてくるか」


 彼の通っていた学校から最も近い探索者協会までは20km。自転車で走れば1時間と少しで着く距離だ。自転車はかなり高かったのだがロードレーサーを買った。何カ所もバイト先をまわるとなると、ママチャリで行ったのでは遅れる可能性があったからだ。まあ、そのバイトも昨日のうちに全て辞表を出してきた。数カ所の上司からは惜しまれたが、探索者になると言ってやめてきた。

 何かあったら言ってくれ、と言ってもらえたのはとてもうれしかった。


閑話休題


 学校から自転車を飛ばし1時間と少し。

 珱霞は探索者協会へと辿り着いた。

 探索者受付の列は幸いなことに誰も並んでいない列があったのでそこに向かった。


「すいません、探索者になりたいのですが」

「え‥‥あ、はい。探索者への新規登録ですね」


 受付の人は何かを焦った様子で珱霞の後ろをさっと見た後、新規登録の手続きを始めてくれた。

 周りの人も少しざわついているが、何かあったのだろうか?それに、この受付の人は世間一般的にみてもかなり美人な部類に入るというのに、誰も並んでいなかったことには違和感を感じる。


(ま、僕には関係ないだろうし、何でもいいか)


「では、こちらへ記入をお願いします。太枠の部分は必ず書いてください。それ以外の枠は書かなくても大丈夫です」


 太枠に書かれていたのは名前と年齢、使いたい武器の3枠だけだ。

 使いたい武器と言うのは、剣や槍などが含まれる。魔法と言う選択肢も一応はあるらしい。

 珱霞が選んだのは剣と魔法の2つだ。基本的には一人で潜る予定なので、両方書いたのだ。

 記入欄の内かいてもいいと思ったやつは書いて、受付に提出した


「はい。分かりました。記入漏れはありませんね。‥‥ではこちらが探索者カードとなります」

「ありがとうございました」

「珱霞様のご健闘をお祈りしています」


(まあ、誰にでも言っている事なのだろうが、そう言ってもらえると嬉しいものがあるな)


 探索者カードと言うのは名前とその人の現在順位を表示するカードだ。珱霞の場合は、名前が書かれていて【Ranking】の隣には横線が引かれている。まだ一度も潜っていないので当然だろう。


 迷宮に入った際、人はステータスを見れるようになると言う。その際に、スキルが1つから5つほど付くらしい。が、原理は分かっていない。


 珱霞は最寄りの迷宮へと向かい、入り口でチェックをすると迷宮へと潜っていった。


「確か…【ステータス】、だったか?お、でたな」


【夜冥 珱霞 (やくら おうか)】

Lv.1

Exp.0/100


HP 100/100

MP 100/100


物攻 10

魔攻 7

物防 8

魔防 5

運  ⒓


・スキル

武具適性・魔法適性・鑑定

・称号

なし


「確か高校生の平均は5前後だったか?まあ、高い方と言えば高い方なのかな?あとはスキルの方は‥‥まあ、適性(センス)が2つと鑑定か。かなりいいのかな」


 一括りに適性と呼ばれてはいるが、大抵の場合【剣術適性】などと言ったように、一つの武器に対してのみ適性が手に入ることが多いと言われている。適性さえあれば、一定時間きちんと使えばスキルとして生えてくるらしい。

 魔法に関しては、スクロールと言われるアイテムを手に入れることで、適性を持つ属性の魔法を覚えられると言われている。


「今日は何も持ってきていないし、戻るとするか」


 武器も持たない状態で迷宮へ挑むほど、珱霞は莫迦ではない。自身の実力は良く分かっているし、学校へ行ったのは午後になってからなので、既に4時は過ぎている。

 自宅は学校の向こう側なので、帰るのに1時間以上かかるので、出来るだけ早く帰りたかったのだ。家に帰ったとしても誰もいないが、今月の内は部屋を使っていていいと大家さんから言ってもらえた。時折大家さんの部屋の片付けや庭の掃除を手伝っていたのが功を奏したのかもしれない。




 3時間近くかけて、珱霞は家にまで帰った。

 部屋のポストを覘き、何も入っていないことを確かめると部屋へと入った。部屋に入ると玄関に鍋とタッパーが置かれていた。大家さんだろう。この部屋をわざわざピッキングしてまで何かを盗もうとする人間はいないだろうし、合鍵を持っているのは大家さんだけだからな。


「大家さんにはお礼を言わないとな。それに、滞納されていた家賃も払わないといけないしな。今月の内に次の部屋を探してそっちに引っ越すか」


 この部屋に住めるのは今月までだ。来月からは滞納分を払ってからでなければ、流石に許容できないと言われた。実のところ、ここ数ヶ月分の家賃は大家さんが立て替えてくれていたらしい。滞納していたのは1年半前からだから、一月1万5千で27万か。


「探索者でも最初の頃は月に10万は稼げると訊いたし、C以上の迷宮に潜るなら月数百は稼げるらしいからな。とりあえずの目標は3ヶ月以内にD以上の迷宮に潜ることだな」


 プロと呼ばれるレベルの本業が探索者の人は、大抵D以上かららしい。

 迷宮には8段階に分けられる。


Gランク:5階層前後までしかなく、一般人でも入ることが可能(武器を所持中に限る、スキルを得ることは出来ないと言われている)

Fランク:5層から10層程度の迷宮。スキルを手に入れられるようになる。今回入ったのはこのランクだ

Eランク:10層から20層程度の迷宮を指す。娯楽で潜っている人はこの程度までしか行かない

Dランク:20層から40層程度の迷宮を指す。プロと呼ばれる人たちはここ以上を潜ることが多い

Cランク:40層から70層程度の迷宮を指す。ここからは探索者一筋でも生活できるようになる

Bランク:70層から90層程度の迷宮を指す。レベル100以上になることが入る条件とされている

Aランク:100層程度の迷宮を指す。探索者ランキングでも1000位内の人くらいしか潜らない

Sランク:100層以上の迷宮を一括りに指す


 また、探索者にもランク制度が存在している。


Dランク:協会に登録した際のランク

Cランク:一定以上の実力が認められることが条件。大抵はEランクの迷宮攻略とされている

Bランク:プロと呼ばれる括りの探索者たちが多くを占める

Aランク:Bランクの迷宮で50層以上へ到達した者たちを指す

Sランク:協会に認められた、Aランクの迷宮を攻略したものを指す


 どちらも探索者協会の大本である世界迷宮攻略協会が定めたもので、Sランク以上の迷宮に関しては殆ど判っていないらしい。協会所属のSランク探索者は10位の人だけで、ギリギリSランクに潜っているレベルだと訊いているが、まだ最初の10層程度で停滞しているらしい。


(今月中の目標はCランクに上がること。3か月後の目標がDランク迷宮の攻略だな)

 



 翌日、珱霞は朝早くから迷宮へと訪れていた。昨日も訪れていた迷宮で、名前は北浦迷宮。北浦の近くに出来たためそう呼ばれている。

 難易度はFランクだが、Fランクでも最上位の難易度で、ボスのレベルからFランクとなったらしい。


「それじゃ、行きますか」


 珱霞はバットを片手に迷宮へと入っていった。


最後までお読みいただき有難うございました


作品をもっと読みたい、続きが気になると思っていただけましたら、ブックマークならびに評価の方よろしくお願いします


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ