【冒険なんてクソ喰らえ】後書き、設定集 7話~14話
※この度、後書き、設定などをを個別で分けさせていただくことになりました。投稿はお目汚しになるかも知れないので、更新等少ない深夜帯2時~5時等にさせて頂く予定です。どうかご理解の程よろしくお願いいたします。
▼【人物】
(商人ガルピエロ・エメント)
壮年の、褐色の肌に黒い髭で口を覆う商人。黄色がかった白の衣装を上下に纏い、頭にも布を巻いています。野盗などに狙われたくないので、普段はなるべく装飾品は付けないようにしているようです。狼との戦闘時に持ち出した二つ折りの槍や、商売道具など、色々な物を収納箱に詰め込んで各地を旅するこの男には、商売と別の目的もあるようで……?
(ロナ・ポーネリカ)
学士の館という組織に所属している少女。大きな魔力を持っていて、センスもあるのに、魔法の操作が下手で自身の近辺に作用を及ぼす魔法で無いと、うまく扱えないようです。学士の館は国から支援を受けていることもあり、かなりレベルの高い教育機関で、ロナも例に漏れず高い知識を有していますが、反面外界においては色々と疎いようで、意図せずトラブルを引き起こすこともあるようです。
▼【その他、造語、世界設定など】
(魔法使いとそうでない人々)
この世界では、魔力が遺伝する物かどうか、性格には判明していないにも関わらず、そういうものとして迷信の様に広まっています。
その為、貴族などはこぞって魔力の高い者を珍重し、世継ぎに据える傾向が有ります。
反対に魔力の少ないものは長子で有ろうと家を継ぐことができないなどの差別がまかり通っていて、そのせいで魔法使いに対して劣等感、反感を抱えている人も少なくは無いようです。
(リシテル国の標準的な食生活)
この国でも、主食として食べられているのは主に小麦から作られたパンです。
他にも獣肉や、畜産、農産により食物が供給されていることはエイスケの元いた世界と変わりません。
ですが、魔力のせいか、形状や味が異なる食物は多く存在し、それは時に、あまり動じにくいエイスケでも敬遠するような外見をしていたりします。
彼がこの世界の文化に完全に馴染むにはきっとまだまだ月日が必要になるでしょう。
ちなみに、魔物の肉、食料として普通に販売されていたりします。
(術名を介しない魔法について)
作中に出て来た黒狼の咆哮のように、術名を叫ばずとも、行使できる魔法は存在しています。
今回のように、老婆が杖の衝撃音を利用して発生させたのもその一つです。
それらは象化(イメージ化)を単純化することで、魔法構築の手間を省くことはできますが、逆にあまり複雑なコントロールや、象化しにくい現象は発生させにくいようです。
(古代遺跡等について)
この国に留まらず、大陸中には、様々な古代遺跡や遺物が存在しています。
この遺跡は、調査が始められた当初は、ただ古代の知恵や歴史を後年に継承するためだけに残られている物だと思われていましたが、近年の魔法の発展によって、それだけではなく、大地から発生する魔力が過剰にこの世界に行き渡らないよう調整する役割を持っていることが判明しました。
その為、学士達は遺跡群を定期的に回って、不具合が出ていないか日々確認しているようです。
(エイスケが使う魔力の糸について)
魔法を使うのには色々とハードルがあったりします。
言うまでも無く生来の魔力の大きさ。それからそれを操るコントロールセンス。
象化に必要なイメージ力、等々。
魔力を持たなかったが為に操作センスを磨くことしかできなかった瑛介と、生来の大きな魔力に振り回されるロナのように、才能はあれど埋もれてしまう人材も多くあり、まだそういった人の受け皿となる場所は本当に少なく、大勢の人々がそれを発揮できないまま人生を終えてゆくのです。なんとも切ないですね。
(この世界の調理器具)
家庭によって違いますが、コンロやオーブンなどは、現在魔力で動くようなものが主流になっています。魔力を封入した交換型の管形の端子が市販されており、一定期間ごとに取り換える事で魔力の補充を行うようになっています。加熱の形式なども、熱、火、蒸気など様々ある模様です。
(世界における魔力の偏り)
この世界では、魔力の濃い地域、薄い地域など有り、当然ながら魔力の濃い地域ほど魔物が生まれやすく、人が暮らすには適しません。
作中にも出た遺跡などがある程度の中和を行ってはいるものの、限度が有りますので、人里離れた所に住まうのは魔物を狩ることを専門にするような部族か、余程物好きで腕の立つ隠遁者位では無いでしょうか。
また、魔力により変異した作物は、毒性がある場合も有るため食用には適していませんが、魔力を多く含んでいるため、専門で買い取ってくれる業者もあるようです。
このように、ここでは魔力は火や電気などと同じように、人々の生活に大きな恩恵をもたらす反面使い方を誤れば途端に牙を剥くエネルギー資源の一つなのだとも言えるのかもしれません。