はじめてのおつかい。
お久しぶりです。短話。続きはまたそのうち、
こんにちわ。
いつの間にか『ナイ』で名前確定されて体長5センチに体縮むわ、「ちょうどいいから私の使い魔妖精ってことで、外に連絡してこい」と妖精衣装を強制された悪魔です。
ちょっと前まで謎のパワーで増幅されてダンジョンの為に暗躍してた無敵の悪魔様感が木っ端微塵です。
借り物の力で無敵気取っていた俺が馬鹿だった。
でも、その力の元が神様だったり、いかにも怪しいモヒカントゲトゲがその信徒で、必死こいて頑張って魔王召喚という大役をこなそうとしていた俺をしり目に、軽~く魔王召喚して雑巾より酷い扱いしてるって現実が地獄過ぎない?
どうしてこうなった!?
「名付けで主従関係確定したし、もう逃げることも逆らうことも出来ん……つら……」
チンピラーノに託された手紙を持って取り敢えずリングムの冒険者ギルドを目指した。
小さな妖精だから気づかれない可能性もあったがギルドに入った途端、眼光鋭いブルドック族の姐さんに一瞬で捕捉された。
「野良妖精かい?悪さすんなら承知しないよ!」
プチっとされる前に
「チンピラーノの使い……アイツあの顔で妖精憑きかい……」
ギルマスのブルドック姐さんが、しょっぱい物を飲み込んだような複雑な表情で頭を押さえていた。
気持ちはわかる。
あのモヒカン野郎が妖精とキャッキャウフフ(妖精族との交流に不可欠)している姿は想像するだに頭痛がする。
ブルドック姐さんが懐から片眼鏡を取り出して手紙を読んでいく。しかめっ面が更に目を細めて凶悪な表情になっていく。
正面で対峙してる身としては生きた心地が絶無。震えながら手紙を読む目線が降りていくのを眺める。
「……ふぅ……」
全てを読み終えたブルドック姐さんの重いため息。
隠しきれない激情が漏れまくっていて、察した冒険者達は我先に逃げだし、もはやギルドホールは無人と化していた。
逃げる訳にはいかない受付嬢達は彫像のように動けないでいる。
「……チンピラーノの野郎。無茶苦茶言いやがる……」
ほっといちゃいけない気配がビンビンするが、俺の仕事はまだ終わっていない。
心苦しいがここはこっそりお暇する。
あのモヒカン一体どんな手紙書いたんだよ…。
さてお次は、犬獣人がやってる商会、カルム商会とやらだ。
また犬系か……さっきの姐さんみたいにおっかないのは勘弁してくれよ。
聞いていた道を辿り、目的の商会とやらまで特に苦労もなく着いた。
店の前で小柄な犬獣人が箒を手に掃除をしていた。
ナイ君、相手はチンピラーノさんのV.I.P.ですよ……




