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死闘の果てに

お待たせしました!

クルセイダース隊長視点回です。


ブクマ&評価、そして感想ありがとうございます~(*´ω`*)全て励みになっております!

  我々救出隊は封印されたダンジョンの奥。その最後の扉の先には更に地下へ進む階段を進むと巨大な空間が突如現れた。

ドーム上の天井は高く暗い空間の上限はわからない。

真っ黒な石造りの床から発せられる何かに、ぞわりと怖気が走った。大きな力の拍動を感じられたからだ。

巨大や広間の中央で鈍い光が色を変えながら揺らめいてその存在を我らに訴える。


「あれが………魔王召喚陣………」


「なんて禍々しい………」


直径1㎞はあるソレに声が上擦った。

こんな巨大な魔法陣で魔王が召喚されたらリングムの街どころかこの国が滅んでしまう。

チンピラーノの話によれば召喚陣の中に拐われた娘達が組み込まれているらしい。


「隊長! 右側の端の円の中に女性がいます!」


「左側にも発見しました!」


距離と光に遮られて確認仕切れないがもう一人は最奥にいるのだろう。


「よし、悪魔が戻ってくる前に手筈通り手分けをして救出せよ!」


陣そのもののサイズがでかいので手分けをするために隊を分散させた。

これはあらかじめチンピラーノの提案による作戦だ。

如何に人質全員を救い出すかに、勝敗がかかっている。

ジャスティオーザの信徒としては、他教徒の指示を仰ぐのに不満が無いわけではない。


ましてや、ラヴァデウスの信徒とは言え、チンピラーノのあの髪と出で立ち………名前も何とかならないだろうか。

いや、彼の得体の知れな………計り知れない力の持ち主なのはわかっているが………心の中で納得出来ないんだよ! 部下の手前彼を一番信用しなければならないし! 疑わない態度を貫けねばならないんだよ!

我が血族からエクソシストになった自慢の従兄弟が憔悴した表情で語ったラヴァデウス狂信者の話は本当に恐ろしかった。

それを抜きにしてもチンピラーノ、あいつは本当におっかねぇとしか言えないし! いや、今は作戦中だ。余計な事を考えず任務遂行だけを考えるんだ。



「イリーナ! 今助ける!」


あぁ、あいつはマクガン家の娘とは幼なじみと言っていたな。ここでいいところを見せて距離を縮められるといいな。

チンピラーノの話によると魔王召喚の儀式として花嫁に見立てた生け贄を捧げる陣。

確かに陣の中に鎖で拘束されている娘達は各々ドレスとブーケで飾りたてられて横たわっていた。


その姿に憤らない者は一人もいない。


「こんなもの!」


部下達が次々と鎖を壊し、花嫁達を抱えこちらに向かおうと花嫁を囲む円を出た、その時。


ビシィ!空気を裂く破裂音が幾つも響いた。

救出した筈の花嫁達がいつの間にか持っていた鞭を振るったのだ。


「イリーナ!…何故!?」


悲痛な声で叫ぶ部下の顔は鞭に切り裂かれ血を流していた。


『あの方と私の結婚式を邪魔させるものか……◼️◼️◼️◼️◼️◼️よ!』


憎々しげに呟かれた声は確かに女性のものだがその優美な喉から発せられたとは思えないドスの聞いた低音であった。


そして、聞き取れない耳障りな音が続き花嫁衣装を着せられていた娘達は全員倍の大きさの巨人に変化した。手に持っていた鞭もろともに。


凄まじい殺気を放ちながら救出に来た騎士達を睨み付けていた。


「総員、聖鉄鎖を構えろ! 人間と思うな!」


聖鉄鎖は魔獣討伐に使われる鎖状の魔道具だ。魔獣の動きを止める為のギミックがあり拘束時に電撃を放つ。勿論人に使う事は禁じられている。悪魔との戦闘を仮定していたので全員装備していた。


「そんな! 隊長!?」


顔を裂かれた青年が悲痛な叫びを上げた。


「止めろ! 隊長だって辛いのだ!」


巨大化と凶暴化の魔法が使われた例を事前に聞いておいて良かった。

魔獣は魔獣使いへの忠誠心で凶暴化を抑え込んで見せたようだが、娘達は既に洗脳された口振りであった。ディスペルマジックで解除されるまで正気に戻ることは無いだろう。

魔法が使える魔法騎士に目を向けると、やはり首を横に振った。


「聖鉄鎖縛陣で拘束する前になるべく弱らせろ! 彼女達の為を思うなら手加減するな!」


「「ヤー!!」」


巨体から放たれる鞭は鋭く石造りの床を軽く抉った。距離を取らざるを得ない。ましてや3人の娘を対応せねばならず、戦力を分散させたのが後手に回る要因となった。

しかし、3人に連携を取られてはこちらが討ち取られかねない。

各個撃破しかなかった。


幸い、元が普通の令嬢や街娘だ。攻撃力やその範囲は侮れないが、弓や魔法弾による中距離攻撃で機先を逸らせば隙を突くのは容易かった。


「今だ!」


巨大化したとは言え人の体の動きの範疇を越えた訳ではない。死角からの聖鉄鎖を避けられず娘達は一人づつ縛についた。

漸く戦闘が終わった時には全員が満身創痍であった。


戦闘に関して素人であったとしても、巨大化して増強された膂力で振るう鞭はとても凶悪で、重症で立ち上がれない者もいた。

ポーションの類いは使い果たしている。

一体どうしたら………途方に暮れていたその時。


「聖なる光、癒しの矢をーキュアライトミサイル!!」


出入口の階段から延びた手から放たれる、無数の白い光の矢は、誰もが知る回復の矢を一斉に放つプリースト呪文。


「あー戦闘終わったみたいなんで、降りて来ちゃいました。みなさんご無事ですか?」


そういや、この人プリーストだったわ。


チンピラーノが戦闘に参加すると木っ端微塵の可能性が高いので、戦闘終わるまで待ってました。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 更新ありがとうございます(^_^ゞ クルセイダース隊長の計り知れない苦悩。 人を外見で判断してはならないとは判りつつも、信じきれない事への葛藤。 それを部下達に悟られてはならないと最中での…
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