そうだ、サーカスに行こう。
評価、ブクマ(人''▽`)ありがとう☆ございます!
買い物もすんで、多少グダグダになったけどカルムさんの店を後にした。
「お買い上げありがとうございました」
丁寧なお辞儀するカルムさんの横で、一生懸命手を振るルカスさんは好ましいけど商人としては、もうちょっとカルムさんを見習った方がいいかもしれない。
それとも、固すぎるカルムさんと一緒に働くにはあのくらいのユルさがいいのだろうか。
「観光するなら、中央広場にサーカスや見世物が集まってて面白いですよ~」
「それは、面白そうだ」
ルカスさんのオススメなら間違いない。私は手を振り返して中央広場に向かった。
中央広場に向かうメインストリートは道沿いの屋台を流し見る人や、行きかう人でごった返していた。
大道芸人が台の上で手品を見せていたり、そこかしこに道化がいたりするのでトゲトゲ肩パッドモヒカンも多少注目されたがあまり目立つこともなかった。
観光目当てのおのぼりさんは自分くらいかと思っていたが、物珍し気にキョロキョロする旅人らしき人も結構いてなんとなく安心した。
ふと、怪しげな動きの男が目に入った。
「こりゃ確かに警備の手が足りないわ」
楽し気に屋台のアクセサリーを眺めているカップルの後ろを、男が足早に通り過ぎようとしたところで、財布を握った腕をひねり上げる。
広い通りの端から移動してきたからその男には、突然モヒカンが現れたように見えたろう。
「いでっなにすんだ! ひぃっ」
「失礼、お二人さん。君の財布じゃないかな?」
自分でも何キャラだよ、と内心若干のキャラブレを感じつつも、TRPG時代程はっちゃけられなくて、似非紳士にならざるを得ない。
今一番の心配事は、前世の30代女がうっかりにじみ出て『トゲトゲモヒカンおねえ』に進化してしまうことだ。
背後で、男が怒鳴り散らすのに驚いてカップルが振り返ると、女性の方が擦られた財布に気が付いた。
男性の方は何故か、モヒカンを見て硬直している。
「あ! 私の財布よ!」
私がスリ男の腕をひねり上げてから、じりじりとこちらを窺っていた兵士達はこの結末に驚きつつも、スリ男を引っ立てて行ってくれた。
「ありがとうございました! ……!!」
目の前で擦られてたからつい捕まえちゃったよ。
でも女の人喜んでくれたから良しとするか。
財布を擦られたショックから覚めて、モヒカンに気が付くとめっちゃ恐縮してたけど。
こうやって目に見える善行を重ねていけばトゲトゲ肩パッドモヒカンでも好感度も上がるかな……
派手に避けられてるのしんどいもんね。うん。
チンピラーノ好感度上げキャンペーン開始、探知の範囲上げて観察しながら……ってスリ多いなぁ!!
全部捕まえんぞ、オラァ!! そこの万引き犯! お前もついでに取っ捕まえる!
最初のヤツと同様に現行犯で捕縛してその場で被害者に財布を戻しつつ、捕まえたスリたちを縄で繋いで警備の詰め所に持って行ったり、巡回中の兵士に渡したり、頑張った結果。
数時間でスリの姿は影も形もなくなった。
「協力、感謝する!」
「毎度毎度、本当に! ありがとよ! コンチクショー!」
兵士たちに散々礼を言われた。後処理を全部押し付けているので若干の愚痴も混じったが、太市でのスリの増加は問題になってたらしく感謝は本当らしい。
普通スリを捕まえても褒章なんて出ないし、ギルドから仕事を受けた訳でもないので、善意のただ働きでいいと思っていたが、兵士長さんがポケットマネーから金一封を出してくれた。
「大した額じゃないが受け取ってくれ」
断るのも悪いかと思い、受け取ると小袋に銀貨5枚。
500マニーは臨時収入として大した額でいいと思う。
「ありがとうございます」
好感度アップの下心が途端にやましいものに思えてちょっと反省した。
この街でなるべく消費して、街の収益に貢献しようと決めた。
道草を食ったおかげで遅くなったけど、初志貫徹でサーカスに向かう。
広場に近づくと大きなテントが見えた。サーカスらしい派手な色彩に目を奪われる。
賑やかな音楽が聞こえてきて否応なく期待が上がった。
誰もがサーカス目当てらしくテントに向かって流れている人波についていくと。
突然、獣の唸り声と悲鳴が鳴り響いた。
1~10スリ 兵士「……ご協力ありがとうございます(怪しいモヒカンめどういうつもりだ?)」
11~50スリ 兵士「ご協力ありがとう!!(隊長! 取り調べ官が足りません!)」
51~???スリ 兵士「毎度毎度!!ry (留置所がもう一杯です! 勘弁して下さい!)」
???「なんか凄いモヒカンが中央でスリを狩りまくっているらしいぞ」
スリ「こわ……近づかんとこ」




