なるほど?THE WORLD
ブクマありがとうございます~
チンピラーノに転生したからてっきり、あの世界、我がゲームマスターが練りに練ったオリジナルワールド『グランマギスタ大陸』に来ていると信じて疑わなかったけど、ここ基本ルールブックの『ファンタマジェス大陸』だった。
プリーストの神聖魔法は神への信仰心に神様が答えてくれるもの(概念)だから、魔法が使えた時点で世界観を理解したつもりになってたよ。
ラヴァデウス様の存在が一般知識になってたのも大きい。
TRPGってプレイヤーの数だけ無限のパラレルワールドが在るって事だもんな。
つまり私はチンピラーノに転生した上、このルールブックのスタンダード世界に転移したことにな………る? ややこしいな、他にやることいっぱいあるし深く考えるのは後にしよう。
カルムさん達と別れて護衛さん達と冒険者ギルドに向かった。
まず身分証明になるもの作らないとね!
他国人って他の大陸から来た異邦人って扱いで、『ファンタマジェス大陸』内の国家ならギルドが大陸共通で身分を証明してくれる。
前のギルドカードがこの大陸のものじゃない上にSランクなので、偽造を疑われたのは地味にショックだったな。
「では、実力を示………」
「ちょっと待った!」
それでもへこたれず門番に証明しようとしたら、カルムさんと護衛さん達が凄い勢いで門番を説得してくれたよ。人情が身に染みる瞬間でした。
なんていい人達。最初に出会ったのがこの人達で本当に良かった。
冒険者ギルドは、酒場と宿屋が合体した雑な雰囲気がイメージ通りで内心感動した。
背筋を曲げないよう気をつけて受け付けに向かうと、ちょうど交代時間みたいで若いお姉さんから、大柄なブルドックの獣人の……口紅塗ってるから女性かな?に変わった。
はうあ~ナイスタイミング! ブルドックさんのもっちりしたフォルムも大好物です。ワンワンみな可愛い~
「ご用件は?」
「冒険者登録をお願いします。他の大陸から来ました。ラヴァデウスのプリーストでチンピラーノと申します」
第一印象で物腰穏やかなモヒカンアピールすんぞ! さすがにもうヒャッハーはしません。私はいい大人なんです。
あの時の事は忘れました。
私の社会人生活で培った丁寧な接客口調が意外なようで軽く目をみはるブル姉さん。
「向こうのギルドカードが使えなかったので」
コートのポケットからカードを出してみせる。
受け取ったブル姉さんは、引き出しからモノクルを出して裏も表もしっかりと調べてゆく。
魔道具かな。レンズに多種の光が映っててキレイだ。
「確かにギルドカードの仕様になってるが、うちの国とは違う。向こうじゃSランクかもしれないけど、ここじゃ実績ゼロだ。Fから始めてもらうよ。それでもかまわないね?」
貫禄のあねさんだぁ! カッコいい! ブル様最高!
「モチロンです」
「よろしくね、チンピラーノ。あたしゃギルドマスターのローザだよ」
ローザさん、ギルマスだった! さすが、上に立つ人。モヒカンだからって見ただけで差別しない立派な人物なんですね。素敵な人だ。
「こちらこそ、よろしくお願いいたします」
ローザさんに新しいギルドカードを発行してもらう間に宿泊出来るか聞いてみた。
「大市が近いから、ちょいと割高になる個室しか空いてないねぇ」
冒険者は安上がりな大部屋を好んで使う。
2段ベッドがいくつか並んでるだけの部屋でちょっとセキュリティに不安が残るので、女性冒険者やぼっち好きな人は割高でも個室を使う。
「個室のがありがたいんでそちらでお願いします。とりあえず一週間程」
折角転生して初めての街だし、色々観光したい。大市見たい。
「食事無しで一泊100マニー、ギルド登録料に500マニー合わせて1200マニー」
リュックの中の昨日こっそり用意した現金を漁る。入れ物がなくて裸でコインがある程度入ってる。大至急財布買いたい。
100マニーが銀貨一枚で1マニーが銅貨。
相場の感覚でいくと1マニー100円~150円くらいのイメージである。
素泊まり1泊一万円、大市の前だし妥当なお値段ですな。
こういう金銭感覚がすっと浮かぶのはシーフを兼職したおかげだろうか。ぼられてるかどうか何となくわかるの不思議で便利。
取り出した銀貨を12枚。
街の入門料500マニーに金貨払い(金貨1枚、一万マニー。銀貨100枚分)にして正解だったね。
金貨会計は嫌がらせ半分、両替目的半分。
お釣りの銀貨95枚が重くて後悔はした。




