第三十二話
学校を休んだその夜、私はいつも通り二十三時に眠りにつこうとしたが、短い昼寝を何回かしたので眠気が全くない。
明日は学校に行かないといけない、と思うと緊張してきた。丸一日休んだのでクラスメイトにはどう思われているだろうと考えると怖くなってきた。クラスメイトの全員が後ろ指をさして私の事を笑っている。みんなヒドイ……。
また始まった。
みんなヒドイ……。私みたいなものが目立つのが気に入らないから? 私のことが嫌いだから? 筆箱や上靴を隠され、筆箱の鉛筆を全部折られ、ノートに落書きをされ、水を掛けられ、私の心は傷つきすぎて泣いている。もうイジメないで……。人間の“人間に対する嫉妬や憎悪”に恐ろしい程の醜悪と、尽きることの無い憎悪を感じて人間の事を拒絶していた。
リオもカスミンはあまり気にしないで、と気を遣って言ってくれたけど、本心は腹が立っているに違いない。折角立ち上げた自分のチャンネルを駄目にされて腹が立たない訳がない。リオは背を向けて離れていく。リオごめんなさい。どうしてこんな事になったの……。誰が悪口のコメントを書いて荒れさせたのよ!
“カスミン、キモい”、“カスミン、消えろ”、何で私ばっかり文句を言われなきゃいけないのよ! 匿名で誰が言っているのか分からない……。誰もが犯人でクラスメイト全員が私に後ろ指をさして笑っている。みんなヒドイ……。私みたいなものが……。
また頭の中で同じ“嫌な想像”が繰り返し続き、止めようとしても止まらない。眠らないといけないのに逆に目が冴えてきた。両親はまだ起きているので、母親に睡眠薬は無いかと相談した。
しかし、不眠で悩む事のない両親だったので、そのような薬は常備していないので、市販の頭痛薬を渡された。どうしたら良いのだろう……。
ベッドで横になり目を瞑るが、“嫌な想像”で頭がフル回転してやっぱり眠れない。昨夜と同じ状況に深い溜息をついた。
長い夜が過ぎて次の日の朝になった。
結局、私は一睡もできなかった。寝ようとしても頭がずっとフル回転し続けて眠れず、もうヘトヘトだ。あの“嫌な想像”がループしている。
今朝も頭痛が酷く、眩暈も起こっている。目を開けるとまた嘔吐してしまう。
部屋に入ってきた母親と話して、今日も学校を休むことにした。すると、すぐに眠れそうな状態になってきた。今日は昼から病院に行けそうであれば行く、と決めた。
昼を過ぎたが、疲労感で身体が重く、病院まで行くまでの余裕が無かった。
やっぱり睡眠不足で眠りに落ちた。昼間に眠れる時間が徐々に長くなってきた。長く眠れるようになってきたことは良い事だけど、昼夜逆転から元に戻せない。
今日もまた夜に眠れなくなるのが安易に予想がついた。何か対策を考えないといけない。どうしたら良いのだろう……。
頭脳の疲労が邪魔して考えることもちゃんとできない。私はダメ人間だ……。




