第二十一話
ある日の授業中、三時間目の授業なのに今頃教室に入ってくるクラスメイトがいた。
一番後ろの廊下側の机に座ると教科書も開かずにうつ伏せで寝始めた。
私には嫌いな人がいる。
それは真面目に生きていない人。学校には平気で遅刻をしてくる。学校に来ても寝てばかりで勉強もしない。口を開けば人への文句ばかり。何のために学校に来ているのだろう。先生も諦めて何も言わない。先ほど教室に入ってきた杉高君。
いわゆる落ちこぼれ。一年生の時は知らないけど、二年生で同じクラスになってからずっとこの調子。
八分丈の学生服。キノコみたいな髪型。尖ったつり目と顎。自分はカッコいいと思っているのだろう。
まあ、見た目はどうでも良いとして、勉強はやる気が無いのか授業も聞かない、ノートも書かない、宿題もしてこない、何もしない。
悪いのがカッコいいと思っているのって、中学生みたい。家庭環境が悪い? 生活環境が悪い? そんなことは知らない。これくらいの勉強を我慢してできないと、世の中に出ても何もできないと思う。
だから定職に就けず、犯罪を起こす。そんな未来が目に見えて分かる。こういう人は早く改心したら良いと思う、早く改心するべきだと思う、早く改心しなければならないと思う、嫌なことから逃げてばかりで不真面目に生きても良いことは無いから。
真面目に生きていない人、私はそういう人が嫌い。
私は心の中でそう呟いた。