第十三話
連休のある日、自分の部屋でのんびりしていた。
落ち着ける空間で独りで過ごすことが一番の癒しになる。部屋で音楽を聴いたり、本を読んだり、パソコンでゲームをしたりするのが好きなので、休みの日はインドアな趣味ばかりを楽しんでいる。
音楽は交響曲やピアノの曲が多く、心が穏やかになる曲をよく流している。あまりジャカジャカうるさいジャンルの曲は、聴いていると頭が痛くなるから苦手。流行りのポップスも一時期、曲の良さよりも見た目で勝負するようなアーティストが増えてきて、歌のレベルが一気に下がってから聴いていない。
綺麗な旋律が自然に流れてくるような曲調が私には合っている。そういう曲を聴いていると、何故か劇やドラマのような物語のワンシーンが頭の中に浮かんでくることがある。楽しい曲は楽しいシーンが出てきて、悲しい曲は悲しいシーンが思い浮かぶ。想像の主人公は自分ではない誰か。まるでパズルのピースが浮かんできて、いつか頭の中から消えていく。
本は漫画か小説を読むけど、恋愛関係のものが多いかな。
高校生の主人公が三角関係になったり、くっついたり離れたり、よくある展開の物語ばかりだけど何度読んでも飽きない。現実で自分に三角関係が起こったら嫌だけどね。
物語の世界に入るぐらい没頭するぐらいじっくりといつも読んでいる。
小説の舞台が学校だったりすると、今の自分の環境に近いので余計に熱中する。昼食を食べるのを忘れて、気づいたら夕方になっていたこともある。
父親も休みの日はだいたい本の虫になっていることが多いので、その姿を見て自分は父親に似たのだろうと良く思う。
私が小学生の頃は友達が突然遊びの誘いに来たりした時、外に行く事がおっくうで嫌な気分だった。遊ぶ約束をしてたらいいけど、急に誘われて、どこに連れていかれるのだろう、と不安で一杯になる、いつもなる。
わざわざ私を誘ってくれているのだから、ほとんど断らずに参加はしていた。断ったのがきっかけで仲間外れになるのは嫌だし。
高校生になった今では突然来ることもなくなったが、携帯電話で連絡が来て呼び出される事があるけど、昔ほど嫌ではなくなったが、やっぱりおっくうだ。
今日はゆっくりとできて心が休まった。