第十二話
連休のある日、私は家でのんびりと時間を過ごしていた。
最近、リオが使っている動画投稿サイトにアクセスして色々な動画を見ることが多くなった。いつものオンラインゲームもプレイしていないし、以前の共闘イベントが終わるのは二週間後ぐらいまで待たないといけない。早くイベント終わらないかな。
動画投稿サイトのトップには紹介動画が流れていて、そのサムネイルをたまたま見ているとソロキャンプの動画が流れてきた。先日、大学生のリーダーが言っていたソロキャンプ動画だ。試しにソロキャンプの動画をクリックしてみた。
それは大学生のリーダーがアップした動画ではなかったけど、使用しているキャンプ道具の説明を細かくしつつ、たき火でご飯を作って、設営したテントで寝て、楽しそうな動画だった。他にも流行っているのかキャンプ系の動画が何個も並んでいた。
“ソロキャンプ”って文字通り一人だよね。動画ではカメラを据え置きにして撮っている感じだった。
一人だったら気を遣わなくても良いけど……、怖いよね。
もし自分がソロキャンプに行ったら、設営したテント内で横になっていると知らない誰かが声を掛けてきて首を絞められて殺される。もしくは果物ナイフで脅されて暴行されて刺されて殺される。
周りに警察署は無いし、犯罪したって誰も気が付かない。人に気づかれなければ人は悪いことだって平気で行うし、魔が差すっていう言葉もあるから、人間には悪魔の心がどこかに住んでいる。そんな自制心の無い人がいれば、他に誰もいない山や森は危険すぎると思う。
殺されて埋められたら誰にも気付かれないまま完全犯罪ができてしまう。そんな場所を狙ってキャンプに来ている人もいるだろう。悪い事をする人は絶対にいるから。
どうして人間の犯罪って無くならないのだろう。ニュース番組を見ていた時によく思う。
この世の中には悪いことをする人間が多いから嫌だ。この世の中を“善人だけが住む国”と“悪人だけが住む国”に分けて欲しい。そうすればソロキャンプも襲われずに安心して行けるし、身近なところで言えば家から外へ出掛ける時に戸締りしなくても良いし。
私自身は素直で真面目に生きている。他の人も素直で真面目に生きてくれれば良いのに。
色々と考えすぎて疲れちゃった。