表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

14/98

第14回「ロンドロッグ潜入」

 ロンドロッグの中に入るころには、砲声も遠いものとなっていた。とはいえ、同じ戦域を共有していると言えるほどには、二つの拠点は近い関係にある。一大ダンジョンを構築するのには最適だと感じた。 


「結構な規模だが、本当に掌握できるのか」


 プラムはロンドロッグの規模に危惧を抱いたようだ。もしも、この街の力が使えないとなると目論見は外れ、チャンドリカを見殺しにしてしまう可能性もある。それは僕もわかっていた。


「政戦両面で引っ張ってやればいいんだ。まずは市庁舎を押さえる」

「どこにあるのか知っているのか」

「知らん」

「頭が悪い」

「待て。ちょっと離れてるんだ」


 僕は天に人指し指を立て、つぶやいた。

 たちまち、僕に雷が落ち、光が全身からほとばしった。電流は指先から心臓までを駆け巡り、やがて大地へと拡散していく。


「何をした。あまり経済なやり方には見えないが」


 プラムが少し心配そうな語調に変わっていた。

 おやおや、可愛いところを見せるじゃないか。


「周辺一帯の地図を読み取った。『天の目』という、僕オリジナルの魔法だけどね。エコーやレーザーを利用して……とにかく辺りは把握した。市庁舎らしき建物も見つけたぞ。行こう」


 僕はプラムを促し、走り出した。


「神は本当に元人間なのか。私には異様に思えることがある」

「人間さ。別の世界で生まれ、死に、ここに流れ着いた。君も同じような境遇なんじゃないかな、プラム。この世界で生まれたとしても、本当にこの世界で生きていていいのか。そんな風に思わなかったかい」

「勝手に他者の生きてきた歴史を類推するな」


 気分を害したらしいのがまたたまらなく心地よかったので、僕は続けることにした。


「これは失敬。僕としては、君から似たものを感じるんでね。阻害される者。決して溶け込めぬ者。集団の中にいて、一人だけ違う線の上に立っている気持ちがする。ここが自分の居場所ではないと、本能的に感じ取っている。しかし、見えない。自分の生きる場所が。自分の進むべき道が」

「神が私の何を知っているというんだ」

「知らないさ。何も知らない。だが、これから知ることはできる。僕らは同じ時間を共有している。今のところ、その壁を飛び越えて、さらなる存在に超越する気配はない。ならば、わかり合えることもあるだろう。……よし、ここだ」


 間違いなかった。ちゃんと市庁舎である旨の掲示がある。目的地に到達したのだ。

 もちろん、違う建物であったとしても、プランBは用意してあった。幸い、それを使うことはなさそうだ。まずは市庁舎から掌握し、次に軍隊を支配下に置く。速やかな行動が必要だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ