第2話 『修行,そして初陣へ・・・』
第2話 『修行,そして初陣へ・・・』
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所変わって居間・・・
「で,身体のほうは大丈夫なのか?」
翔はそういいながらそばにあった椅子へと腰掛けた。
「ええ,もう大丈夫ですよ。」
少女もそういいながら翔の向側にあるソファへと腰掛けた。
「寝ずらそうだったから上着だけ脱がせたんだが・・・,いやだったか?」
普通どんな少女でもこの問いには嫌だ,と答えるだろう。
・・・まぁ,翔にその様な反応を期待してはいないのだが。
「え,ええ,まぁいいです。運んでもらったみたいでごめんなさい・・・。」
「いや,魔法力を消費してすぐに俺が頼んだからこんな事になってしまったんだからな・・・,俺のほうこそすまなかった・・・。」
「いいえ,気にしないで下さいよ,もう大丈夫ですから・・・。」
そういった少女をみて翔は何かを思いついたようである。
「あのさ,いろいろあって聞き忘れてたけど名前聞いて無かったよな?」
「あっ!ごめんなさい!私,レナ,レナ・クリストファーって言います。レナって呼んでもらっていいですよ。」
「分かったレナだな,俺は翔,龍崎 翔だ,翔って呼んでもらっていいぞ。」
そう言うと翔は徐に手を差しだした。
「あの時は助けてくれてありがとう,これも何かの縁だ,宜しく頼む。」
実際,はたから見ればかなりおかしなことを翔は言っているのだがレナと名乗った少女は気にしていないようである。
「ええ,宜しくお願いしますね。」
「ああよろしく頼む。あ,そうそう」
翔はそういいながら懐から何かを取り出すと少女へと差し出した。
「はい,『効銃』なくしたら大変だろ?意識が飛んだからって消えるわけじゃないみたいだな。」
「あっ,ありがとうっ。」
「一つ聞きたいんだけどさ,魔導具ってそんなに貴重なの?」
その言葉を聞いた少女は目を丸くしてこう言った。
「魔導具の価値を知らないなんて変わってますね・・・。」
「・・・で,どうなの?」
「そうですね〜,この『効銃』でだいたい家が一軒建つぐらいですよ。」
それを聞いた翔もまた目を丸くしてこう言った。
「そ,そんなにするのか・・・。・・・その魔導具にもレベルってあるのか?」
レナは翔の言い方に少し違和感を感じながらしかし何も追求せずにこう言った。
「ええ,ありますよ。私の魔導具でDですね。」
「何段階あるんだ?」
「A,B,C,D,Eの5段階ですよ。」
「へ〜,そうなんだ。あ,そうそう,俺ちょっと筋トレしたいんだけど場所ある?」
「筋トレ,ですか?え〜と,そうですね・・・,この村の裏山なんてどうでしょう?」
翔は道場のようなところだと思っていたので少し沈黙したが,
「・・・まぁ,どこでもいいや。ありがと今から行ってくるよ。」
そういうと少女の返答も聞かずに裏山へ歩いていった・・・。
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