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第7話 『もう一つの魔道具』

第7話 『 もう一つの魔導具 』




「えっ!」


「なにっ!」


丘の上からゴブリンを見た2人は驚愕の声を上げた。


丘の奥に広がる高原には約50頭のゴブリンが2人へ向かって歩いていた。


「ど,どういうことだ?」


「さあ?ちょっと私には・・・。」


「いやいや,そうじゃなくって。」


レナの言葉どおりの反応に翔は少し呆れながら,


「読みが外れたみたいだな・・・。」


と続けた。


「そうみたいですね,どうします?」


「あ,あのさ」


突然の言葉にレナは少し音程の外れた声でこう言った。


「はい?」


「敬語止めない?」


「え,でも・・・。」


何故か止めようとしないレナに翔は少し強引に言うことを聞かせることにしたようである。


「いいじゃん,友人ならそれぐらい当然だって。」


翔の言葉にレナは渋々頷いた。


「でも,まずこのゴブリン達をどうするか決めないといけないんじゃないですか?」


「レナ,また敬語になってるぞ。」


「あっ,すみません。」


「まただな。(笑)」


「///」


レナは恥ずかしくて声が出ないようである。


翔はそのことに気づかないようなフリをしてこう続けた。


「さてと,どうすると言われても倒すしかないだろ?」


「え?あ,はいそうですね。」


また敬語になっているのだが翔はあえて言わないことにしたようである。


それを言えばまた赤くなってしまうことが分かりきっていた為,翔の判断は正しかったと言えるだろう。


(どうしたらいいと思う?)


翔は久しぶりに『光華』へと声をかけた。


(ん?戦ったらいいんじゃない?)


(いやそうなんだけどさ,この数は魔法だけじゃ難しいだろ・・・。)


確かに,元々の計画ではごく少数のゴブリンが相手だったので魔法だけでよかったのである。


これほどの数になると幾つかのゴブリンには突破されてしまう可能性がある,いや,十中八九突破されるだろう。


(仕方が無いわね・・・,『闇華』実体化したら?)


(ん?だれだ?『闇華』って?)


(前に言ったでしょ,私の名前は『聖剣と魔剣』だって)


(ああ,聞いたけど,それが?)


(私は聖剣,つまり光を司ってるの。つまり)


(その対となる闇を司る者がいるってことか・・・。)


(そういうこと♪)


(・・・いいわよ。)


(!今のがそうか?)


(そーよ,闇華,じゃ,交代ね。)


(・・・分かったわ。)


(き,君が闇華?)


(・・・そうよ,私が闇華,魔剣とも呼ばれてるわね。)


どうやら闇華は『・・・』を初めにつけるのが癖のようである。


(で?実体化するって言ってたけど?)


(・・・説明するより見たほうが楽ね。)


そう闇華が言うと,


カッ!


周囲に一瞬闇(?)のようなものが閃光のように広がる。


その闇が晴れた時,翔の右手には1本の剣が握られていた。


(・・・これが私の本体,『魔剣』よ。)


(お,重い・・・。)


その剣は50キロを超える重量があり,到底振り回すことが出来るものではなかったようである。


(・・・失礼ね。ま,仕方が無いかな。魔力を私に流しなさい。)


翔は意味が分からなかったが言われるがまま魔力を通した,すると


(なっ,これは!)


通した瞬間,今まで重かった剣が嘘のように軽くなった,そう,まるで羽毛や空気の固まりを握っているようだった。


(・・・あとは好きなように戦いなさい。)


(わ,分かった。)


無責任極まりなかったが,翔が質問する前に,


(ふふふ,なかなか様になってるわよ?)


光華に変わっていた。


(・・・そうか。)


「あの〜,そろそろ始めません?」


今まで大人しく見守っていたレナがここで声をかけた。


「あ,ああ,分かった。っていうかこの剣,黒いな・・・。」


「そうですね,なんていう名前なんです?」


(魔剣って言うわけにはいかないよな・・・,何がいいと思う?)


(う〜ん,そのまま闇華でいいんじゃない?)


(そういわれればそうだな・・・。)


「ああ,これは『闇華』だ。」


「そうなんですか,って言うか魔導具持ってたんですね。」


「ああ,まあな。」


翔は完全に言ってなかったことを忘れていたが,レナは気にしていないようである。


「さて,やりますか。」


「そうですね。」


「じゃ,レナは魔法で攻撃してくれ,俺は何発か撃ったら直接攻撃するから。」


「分かりました!」


そうして2人の戦闘が開始した。




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