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1.レイ 01

 寒緋桜が咲き始め、もうすぐあたたかくなるのかな……と思う今日この頃。

 こんにちは、葵枝燕でございます。

 新連載『きみとてをつなぐ』、始めていこうと思います。

 この話は、そのときによって語り手を変えていく感じでお送りしたいと思っています。大体は、レイちゃんとハギラさんでお送りする予定です。

 また、【残酷な描写あり】タグを入れておりますが、念のためですので、大丈夫そうなら読み進め、無理なら中断していただければと思います。

 第一話は、レイちゃんが語り手です。

 それでは、開幕です。

 どうして、こんなことをしてしまったのだろう。

 どうして、こんなことをしようなどと思ってしまったのだろう。

 どうして、どうして、どうして――心が痛まないのだろう。

 目の前で倒れているのは、つい先ほどまで家族だったはずの男達だった。誰もが()(まみ)れで、既に息はしていないとわかる。当然だ、私自身の手で殺したのだから。

「レ……イ……?」

 不意に聞こえた苦しげな(うめ)き声。身体の自由は利かないはずなのに、彼は必死に私に手を伸ばしてくる。

「お前……何……を……」

 まだ息があったのか。そう感じた瞬間、凍てついた感情が芽生え始める。

「ごめんなさい」

 謝罪の言葉を述べたのは、これから彼の息の根を止めてしまうことを(さと)ったから。心が凍てつく前に、謝っておきたかったから。私がこれからやる罪を、私の身に深く刻み込んでおきたかったから。

 腕が伸ばされる。それは、彼を助けるためではない。彼の心臓の動きを、永遠に止めるためだ。そして私は、この行為を止めることができない。自らの身体を制御することが、自分でできないのだ。

「ごめんなさい」

 謝罪が無駄だとわかっている。(ゆる)されないことをしようとしていることも知っている。それでも私は、彼を殺すのだろう。

「おとうさん……」


 全身血塗れなのはわかっていた。それは決して心地良い感覚ではない。それなのに私は、血の(にお)いが充満する暗い部屋の中で、座り込んだままだった。

 全てを殺し尽くした後なのに、私の心は妙に冷めきっていた。それがかえって、私を恐怖に(おとしい)れる。家族同然だったはずの人達の命を奪ったのに、何も感じていなかったのだ。

「何だよ、これ……」

 明かりが射抜く。私はぼんやりとその先を見つめた。

「レイ……一体、どうしたんだよ」

 声の主は、ドアを開けた恰好(かっこう)のまま動きを止めていた。驚いている、表情が見えた。

 ああ、きっと彼は、私を赦そうとするのだろうな。そんな思いが()ぎった。

「レイ……?」

 私がこれをやったと言っても、信じようともしないのだろう。今までのように振る舞ってくれるのだろう。私を憎むなど、しようともしてくれないのだろう。

「私がこれをやったの」

 でもいつか、私を恨む日が来るはずだ。何よりも私は、彼と一緒にいていいわけがないのだ。私はそれを望まない。彼から赦してもらえることを、望みはしない。

「何言ってるんだよ」

 いくら信じなくても、目の前で起こっている現象は(くつがえ)ったりはしない。私がした行為は変わらない。それがわかるなら――……。

 ねえ、ハギラ。赦すなんて無理でしょう?

 『きみとてをつなぐ』、第一話「1.レイ01」を読んでいただきありがとうございます。今回は、レイちゃんが主役です。

 この話を書き始めたのは、中学生くらいのときでしょうか。親からもらった(電話としては)使えない携帯電話のメモやメールの機能を使って書いていたものです。もっとも、その携帯電話達が、行方不明だったり、電源が入らなくなったり、データそのものが消滅してしまったり……という今、記憶を頼りに書き進めていくしかありません。不安ですが、頑張りますね。

 さて、今回の主人公・レイちゃんについて、少々語らせていただきます。

 レイちゃんの名前の由来は、数字の「0(ゼロ、レイ)」のレイです。何もない、的な意味を込めたつもりです。

 まだ物語は始まったばかりなので、今はこれくらいにしておきます。追々出せていければなと思っているので、気長にお待ちくださいませ。

 次回、第二話の語り手は、チラリと名前が出てきたハギラさんです。

 それでは、次回も読んでいただければうれしいです。

 読んでいただきありがとうございました。

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