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第八話・リベンジ!ヒルクライムバトル

時間が空いたので、書き方がだいぶ変わっています。

ご了承ください。

刻斗はケイデンスを上げ、坂を上って行った。


翔太『速い…!』


寛太郎(パンチャー風情が、スプリンターに勝てる訳ねぇだろ!)

孝『どちらも体格は小柄だけど、刻斗は翔太よりは大きい。

  坂では翔太の方が有利なはずだ!』

剛『雨が強すぎて、二人がちゃんと見えないよ…!』


翔太(なんてパワーだ…刻斗!

   緩めの坂とは言え、40キロも出てる…!)


刻斗は徐々に翔太の前に出る。


刻斗(結局はパワーだ…軽いだけじゃ、何の役にも立たない。)

翔太『く、くそっ!』


刻斗は翔太を抜き去った。


孝『オレ達もスピードを上げるぞ!』

剛『おう!』

寛太郎(ほら見ろ…速攻で勝負は決まったぜ。)


――――――――――――――――――――――――――――――


翔太(ここからは坂がもっと急になるぞ…!)


カチカチ…

カチ…


翔太と刻斗はシフトダウンした。


刻斗(忌々しい坂だ、ギヤを下げるのは気に食わないな…。)


カチカチ…


翔太(刻斗の奴…ちょっとしかギヤを下げていない…?)


――――――――――――――――――――――――――――――


剛『くそー、もう見えなくなっちまった…なぁ、孝…?

  さ、先に行っちまったのかよ!?何時の間に!…あ!』

寛太郎(とてもオレの敵じゃないな…。)


剛の横を寛太郎が追い抜いて行った。


剛(あいつ…寛太郎って奴か…!この上りなら、俺でも…!)


剛は本気でペダルを漕ぎ出した。


寛太郎(あのチャリドリ使い、付いて来てやがる。)

剛(追い付けええぇ!)

寛太郎(にわかごときに俺を煽らせはしねぇ!)


寛太郎も速度を上げ始めた。


剛(付いて行ける…!)

寛太郎(付いて来てるだと!?初心者の癖にやりやがる!)


剛と寛太郎の距離は、一向に縮まらない。


寛太郎(駄目だ、D-METALはヒルクライムには重すぎる…!)

剛(ぬ、抜けるか…!?)


二人は孝の後ろまで迫っていた。


孝(ふー、あの二人、速いな…え…?)


剛『たーーかーーしいい!』

孝『何やってんのおおおぉぉぉ!?』


剛と寛太郎は孝を追い抜いて行った。


孝『な、何バトってんだよ…!こうしちゃいられねぇ!』


孝もペースを上げた。


寛太郎(オレの悪い癖だ…自転車の所為(せい)にしちまったな。

    確かに、ダウンヒル専門だから上りじゃ分が悪いが…

    受けた勝負には必ず勝つ…!)

剛(く、くー…!流石に粘るなぁ…。)

孝(剛、ここ数日のトレーニングで格段に体力が付いてるな…!)


――――――――――――――――――――――――――――――


翔太(よし…これだけ坂がキツければ…軽いボクの方が…!)


刻斗(かなり距離は開いた…余程のミスをしない限り、ボクが負ける事は無い。)


――――――――――――――――――――――――――――――


孝(側溝から泥が溢れ出してて、ぐちゃぐちゃだ。

  こんなに地面が荒れてるとロードバイクには辛いだろうな…。)

剛(っ…前の自転車の…巻き上げる泥がっ…真後ろは走れないっ…!)


剛は右にずれた。


寛太郎(抜きに掛かってくるのか…?)

剛(くーっ…そ、そろそろ…限界っ…!)

孝(かー…!剛の巻き上げる泥のお陰で、ドロドロだぜ…。)


――――――――――――――――――――――――――――――


翔太(刻斗が…見えてきたぞ!)

刻斗(追い上げてきたか…)


……ガガガッ!


刻斗(し、しまった!後ろに気を取られて、泥を踏んでしまった…!)

翔太(ミスった!?あの刻斗が!)

刻斗(な、何だ…この路面は!?)


目の前は泥でいっぱいだった。


刻斗(く…大雨で片隅の土が溶けだして、路面に流れ出てきたか…!)

翔太(ど、泥だ!)


刻斗は大きく減速した。


翔太(これなら…!)


翔太が刻斗のすぐ後ろまで迫ってきた。

そして、翔太も泥に突入した。


刻斗(く…ハンドルを取られて思うように進めない!)


刻斗がふら付く中、翔太は安定した走りを見せていた。


翔太(す、凄い…!ホイールスタビライザー…!

   前輪がどっしりと構えられてる…!)

刻斗『な、何故…!?』

翔太(ハンドルを取られないぞ…!)


翔太が刻斗の横に並んだ!


刻斗(荒い道を走り込んだ故の安定性か…それとも…?)

翔太(ぬ、抜かせる!)


遂に翔太が刻斗を追い抜いた。


翔太(やった!)

刻斗(ば、馬鹿な!)

翔太(この安定性は…凄いぞ…!)


翔太は泥を突破した。


翔太(よし、後はキープするだけだ…!)


刻斗が泥を突破した。


刻斗(その運の良さも、ここまででおしまいさ。)


翔太の背後に刻斗が迫る!


翔太(お、追い上げてきてる…!)

刻斗『この先はどうなっているか知っているか?』

翔太(この先…?)

刻斗『坂が急激に緩むのさ!』

翔太(マズい…!)


カチカチ…

カチカチ…


両者ともシフトアップした。


――――――――――――――――――――――――――――――


剛『ぜぇ…ぜぇ…』

寛太郎(もう息が上がってるな、まだまだヒヨっ子じゃねぇか。)

孝(剛…大丈夫なのか…?)

寛太郎(あ、あれは…土砂か!?)

孝『ろ、路面がめちゃくちゃだ!』

剛『はぁ…はぁ…!』

寛太郎(可哀想だが、ダートではMTBが最強なんだ。)


三人が泥に突入した。


剛『も…もう…無理…!』


剛がペースを落とした。

そして、孝にも抜かされた。


孝『剛、お疲れ!』

寛太郎『まだもう一人いたのか、雑魚め。』

孝『リベンジマッチと行こうじゃんか!』


寛太郎と孝は物凄い勢いで泥道を爆走した。


剛『あぁ…疲れた…!』


――――――――――――――――――――――――――――――


翔太『くっそおおおぉぉぉ…負けるもんかあああぁぁぁ!』

刻斗『無駄な叫びを…』


翔太はフルケイデンスで漕ぎ出した。


刻斗(ボクも…フル加速っと…)


刻斗もフルケイデンスで漕ぎ出した。


翔太(ヤバい…追い付かれる…!)

刻斗(所詮はパンチャー…とは思っていたけど

   それ程、簡単に舐められる様な奴じゃなかった…でもねぇ。)

翔太(張り付かれた…!)

刻斗(所詮、スプリンターの前では…!)


カチ!


その瞬間、刻斗は著しい加速で翔太を抜き去った。


刻斗(下位互換でしかないんだよ!)

翔太『…っ!?』

刻斗(ボク達が殺し屋と呼ばれている理由…)

  『分かってくれたかな?』

翔太『ちくしょおおおぉぉぉ!』


前も見えない程の凄まじい雨の中、勝負は決まった。

☆マシン図鑑☆

DYNA・(ダイナ・)Rhea(レア)

 TITANの姉妹車種であるクロスバイク。

 TITANと比べ、キャスター角が大きく設定されており

 クロスバイクにあるまじきピーキーさが解消されている。

 他にも、TITANに比べるとパーツのグレードは低く

 TITANの廉価版という位置付けでもある。

 新車価格は150000円。

搭乗者・野原市雄(のはらいちお)

カラー・サンダーイエローメタリック

市雄仕様…健吾と同じくミドルチューンがなされているが

     市雄の場合は主に軽量化に力が入っている。

     マグネシウム合金製のクランクが最大のポイント。

※自転車、およびメーカーは全て架空の物です。

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