第7話「つまり生きてる爆弾」
「予想外でしたね、あの子」
「えぇ、まさかあんなベタな設定を持ってくるとは思ってもいませんでした」
「いや・・・まぁ、そうなんですけど」
「でも私達も負けてはいませんよ!なんせ魔王様の部下なんですから!!」
「対抗しません!してません!!」
* * *
「それにしてもあの女の子一体なんだったんですかね」
「噂によ・・・よると勇者は女・・・・・ゲホッゲホッ!!」
「スーウィンさん!大丈夫ですか!?」
スーウィンさんはしっかりインテリ派なせいか汗だくで今にも死にそうな顔をしてた。
・・・ん?
「勇者は女って言いました?」
「え、えぇ・・・・・ゴホッ、い、息キツイ」
・・・さっき見た子は結構可愛かった。
私のみたところザクセンが口説くのは確実な容姿だ。
あ、憐れな・・・!!
父親がいなくなったあげくにあの色ボケ野郎に口説かれるとは・・・
考えただけで同情のあまり号泣しそうだ。
ほら、考えてる今も視界がぼんやりと・・・
「敵討ちです」
「・・・はい?」
珍しい、スーウィンさんがポカンと口をあけて茫然としている。
「さっきの子を毒牙にかけたであろう色ボケすけこましに正義の鉄槌を!もういっそ死を贈りましょう!!」
「いやいやいやいやいや、流血沙汰はなしって決めてるのに殺すのは駄目ですよ!」
「いいえー、世の中にはいくらでも血を流さずにやっちゃうことは出来るんですよー」
「表情がとてもじゃないけど子供に見せれません!!でもなんというかさすが魔王の部下という表情です!とても複雑ですよ、これ!!」
・・・・・そんなにも恐ろしい表情をしていたのか。
チクショウ!これも何もかもすべてザクセンのせいだ!!
ほんとくたばってくれないかなああああああああ頼むからよおおおおおおおおおお!!!
「・・・別に見せる予定なんてないから良いです」
「はぁ、表面上だけかもしれませんが少しは落ち着いたようですね」
スーウィンさんはそういうとやれやれと頭を振った。
「まぁ、確かに内心はいまにも何かが爆発しそうですけど」
「爆発とか止めて下さい、貴女の場合は放電というかたちで起こりますから、洒落になりませんから」
「じゃあ協力してください、私の中の恨みという爆弾が爆発しないように」
「ほんと洒落になりませんよ、それ」
ヘクトさん的恨みのカタチ
触るな危険、な爆弾