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ドール  作者: りょく
第一部
15/38

第十三章 復興の町キトン

ソラと別れ2日が経ってようやくキトンの町に着いた。

「まぁ行ってからのお楽しみってやつだ」

ライメイに連れらるまま町を歩いていく。キトンの町は、戦争時代に戦場となった場所だ・・・人々は逞しいもので、荒れ果てた土地を耕し町を一か


ら作り直した。だからか町にいる人々は自信と明るさを持っているようだった。


「お頭!!!助けてください!あの女かなり恐いんっすよ~!!」

ライメイの仲間らしい男たちは怯えきっている表情で助けを求める。それを見てライメイは俺の方を自信満々で指さし・・。

「あぁコイツ連れて来たから、安心しろ」

それを言ったと同時に、男たちがきた方向から大きな音と悲鳴が・・・。

近づいていくと、一つの建物が揺れている(現実では揺れる事なんて無いのだが・・)そして建物の前にはだらしなくのびた男達がひっくり返っている。ライメイは少し仲間達にすまなそうな顔を向け、その揺れる建物へ入っていく。


「何!!あたしの酒が飲めないって言うの!!?」


部屋の中はバーの様だが、すでに見る影もない状態に壊され、建物の前と同じ様に人が倒れている。その中央に地べたに座っている女が一人。

「久しぶりだな、メグ!」

メグと呼ばれた女は、すわった目で両手に酒を持ったままで振り向く。

「そのバカ声ってライメイ!!?何しに来たの!!?」

怒声と共に手に持っていた酒びんを投げつけるが、それをライメイは軽く避け・・・レキが酒びんを受け止める・・。

「・・・レキ!!?・・・//////」

避けたライメイに掴みかかろうと近づいたメグがレキを見つけ急に顔を赤くし、口ごもる。

「メグ久しぶりだな、元気そうでなによりだ・・・」

メグとは戦乱時、同じ部隊では無かったが面識はある人物だ。

「え・・あっ・・レキどうしたここに?」

質問にライメイが口を開く。

「メグに頼みがあって来たんだ」

「頼み?」

「あぁ、けどその前に!」

無理やりレキの腕を引っ張り、メグの前に出す。

「まず治してやってくれ」

メグがレキの腕を見て声を上げる。

「カスガの所へ行ったんでしょ?なのにどうしてこんな状態なのー!?」

レキの腕は皮が剥げ、血の色をしたどす黒い液体が漏れている・・・生身で無くても痛覚をデリートしないかぎり痛みは相当のはず・・・。

「レキこっちへ来て!!」

メグは機械の修理を行い、情報で知らないものは無い位の情報通・・しかし実の所情報にはかたよりがものすごくあるのだが・・機械修理はカスガの元で弟子として働いていたからかなりの腕前だ。


「・・・さすがカスガね・・肉体と機械が精密に繋がれている・・・ふぅ・・・はい終わり、悪いけどこれ以上は私では・・・」

「いや、助かった・・ありがとう」

にっこりと微笑むレキに、メグは赤くなる。

「役に立って良かった、だけどすべての組織がくっつくまで2時間は絶対安静!!」

レキを部屋に残してメグは休憩室に移動する。

「メグ、終わったのか?」

「えぇ何とかね・・・ライメイは知ってたの?レキのこと」

「さぁね」

追求しても答えを言わなそうなライメイ見て、メグは質問を変える。

「・・・本題は?」

「あぁ・・ここ最近のガーディアルと新政府の動き、それとアイツらの情報」

「ガーディアルと新政府・・・・と、アイツらの情報・・・高くつくよ」

「レキにも請求したのかよ?」

「レキは別!憧れのレキ様なんだがら!!」

「・・・・お前結構ミーハーだな・・」


窓の外には、鳥達が空で舞っているのをレキは見つめながら。

『お前は化け物だ!!けしてどちらにもお前の居場所など無い!!』

昔の自分を捨てると決めてから夢は見ない・・人間の時の記憶か・・それともまったく別のものか・・ただ頭に浮かぶ・・声と映像。

「居・・場所・・か・・・」


「レキ!どうだ調子」

部屋にいたのはライメイと黒髪のボーイッシュな女性が、机に座り茶を飲んでいた。

「リラと言います、いつも頭が迷惑をかけてます」

レキが言う前にリラは自己紹介をする、どうやらライメイの仲間のようだ。それにしてもコイツと違って礼儀正しい・・。

「メグか?・・もうすぐ帰ってくると思うぜ」

ライメイが言った通り、メグはほんの数分経つと帰ってきた。

「あ゛~高くついた!!ったく」

ブツブツ言いながらも、メグはレキ達がいるのがわかり席に着く。

「レキ、あなたの連れは新政府が統括している町にいるわ」

「新政府軍の領土に?」

「ロウス、新政府軍の中央の1つの町・・ガーディアルのシトと呼ばれるグループが不信な動きをしているらしい」

「シトか・・・同じガーディアルで何度か理事と接触している所を見た事がある・・」

「ですがそこへ助けに行くとなると危険ですね、新政府軍は機械を敵のように思っています・・もしばれたらやっかいな事になりますよ」

「だが行かない訳には行かない、それに動きを把握する必要がある」

「そうね、嫌な空気が流れている感じがする・・・レキ、私達も気になることがあるから後から行こうとは思ってるけど・・・」

「俺は今から行ってくる」

「・・・・そう、じゃ気をつけてね・・・」

レキが建物から出て行くのを見送ってから、ライメイ達はメグの方へ向きなおす。

「・・・・・・じゃぁこっちの本題といきますか」

「えぇ」

ライメイ達は真剣な顔をし、メグは計算機を取り出す。


アキトはガーディアルの中庭にある、永遠と湧き出る湧き水を眺めていた。

レキを捕まえろと父に言われたのに、彼を見ると体が動かなかった・・それに頬に伝うものがなんなのか・・・。

父は、彼は俺を殺した奴だっと聞いた・・でも俺は何故・・もう一度会いたいと思うのだろう・・・・。

「アキト何をしている、実験の途中だぞ」

「・・はい、すぐ行きます・・」



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