表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ブレイブ・クロニクル・オンライン ~全員が捨てた初期職を7000時間やり込んだら、Lv1で最強になっていた~  作者: ぶらっくそーど


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

25/344

魚と料理人


 翌日の夜。霧底の森。



 マーサのもとを訪ねた。



「おやおや、また来てくれたのかい。嬉しいねえ」



 トワはアイテムストレージから【霧底の光魚】を取り出した。



「……おや! これは光魚じゃないか! こんな見事なのを、どこで釣ったんだい?」

「森の奥の泉で」

「あの泉で釣れたのかい……それは、あの泉がお前さんを気に入ったってことだよ」



 マーサが光魚を受け取り、鍋に放り込んだ。手際よく調味料を加え、火加減を調整する。



 数分後。




 【マーサの特製・光魚のシチューを入手しました】

 アイテム名:【光魚のシチュー】

 種別:消耗品(料理)。

 公式説明文:霧底の光魚を丸ごと煮込んだ、贅沢なシチュー。

 効果:使用後30分間、全ステータス+5%。さらに【見聞録】の索敵範囲が1.5倍に拡大される。




 全ステ+5%に加えて、【見聞録】の索敵範囲が拡大される。300メートルになる。



 料理アイテムは通常のバフと重ねがけできる。つまり、【駆け出しの霊薬】のATKバフ、【旅人の手記】のATK積み上げ、そして【光魚のシチュー】の全ステ+5%がすべて同時に効く。



 ──旅の中で見つけたものが、少しずつ重なって強くなっていく。この感覚がいい。



「美味しかったかい?」

「ああ、最高だ」

「ふふ……じゃあ、もう一つ教えてあげよう」




 マーサが鍋の蓋を開けた。中に、新しいレシピが表示された。




 【マーサの友好度3到達──レシピ「旅路の糧食・改」を習得しました】




 レシピ名:【旅路の糧食・改】

 効果:通常の【旅路の糧食】と同じだが、効果時間が60秒→180秒に延長。さらに、回復量が移動速度の二倍に比例する。

 素材:霧底の光魚×1、星草×3、清水×1。




 【旅路の糧食】の上位版。効果時間三倍、回復量も倍。これがあれば、ゼクスの【死影覚醒】を凌ぐ耐久戦が楽になる。




「星草は、この苔原のあちこちに生えてるよ。清水は泉で汲めるさ」



 素材がすべて霧底の森で揃う。つまり──ここを探索し続ければ、自動的に強くなれる。旅をすること自体が成長になる、いつものパターンだ。



 トワは素材を集めに苔原を歩き回った。星草は苔の間に混じって光っており、【見聞録】がなければ見分けがつかない。清水は泉で汲む。鯰が泉の底でのんびり泳いでいるのを眺めながら、水を瓶に詰めた。



 素材が揃った。マーサに渡すと、手際よく調理してくれた。




【旅路の糧食・改を3個入手しました】




「お前さん、料理はしないのかい?」

「したことがない」

「じゃあ教えてやろう。レシピを覚えれば、自分で作れるようになるよ」




 【料理スキルを習得しました】




 ──料理スキル。



 BCOに料理スキルがあること自体、知らなかった。戦闘スキルや採集スキルは有名だが、料理スキルはマイナーすぎて攻略wikiにもほとんど情報がない。



 だが、旅人にとっては理にかなっている。フィールドで素材を集め、その場で料理を作り、バフを得る。町に戻らなくても自給自足ができる。



 冬夜は泉のそばで焚き火を起こし、初めて自分で料理を作った。



【旅路の糧食・改】。光魚を捌き、星草を刻み、清水で煮る。



 出来上がったのは──見た目は粗末なスープだった。マーサのものに比べるとだいぶ見劣りする。



【旅路の糧食・改を1個作成しました(品質:普通)】



 品質が「普通」。マーサが作ると「上質」になるのだろう。料理スキルを上げれば品質が上がるはずだ。



 ──また新しい「上げるもの」が増えた。



 冬夜は泉の縁に座って、自作のスープを飲んだ。



 霧の中の隠れ泉。焚き火の温かい光。鯰が泳ぐ水面。



 ──いい場所だ。



 こういう場所を見つけるたびに思う。まだ世界には知らない場所がある。知らない遊び方がある。釣りも、料理も、NPCとの交流も。



 戦いだけがこのゲームじゃない。歩いて、見つけて、試して、味わう。それが旅だ。



 ログアウトの前に、鹿に会いに行った。




 【友好度が上昇しました:52/100】




 半分を超えた。残り48回。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ