《大聖堂への道》
聖都ルクスでの友好度上げを続け──ある朝、変化が起きた。
【聖都ルクスの信頼度が一定値に達しました】
【光の障壁が一段階緩和されます】
大聖堂への道を塞いでいた光の障壁が、薄くなった。
しかし、障壁の向こうに、新たな敵が現れた。
【聖光の天使兵 Lv97 HP:200,000 ×6体】
天使兵。翼を持つ光の戦士。番兵の上位存在。空を飛び、光の剣と光の弓を使い分ける。
「空中戦か……地上から攻撃が届きにくいな」ゼクスが忌ま忌ましげに舌打ちした。
「弓に切り替える」
冬夜は【果ての道標】を弓に変形させた。空中の天使兵を狙い──三連射。
一体目に命中。だが、天使兵は翼で矢を弾いた。翼が、盾になっている。
「翼を破壊しないと、本体にダメージが通らない」
「わたしの風魔法なら──翼に干渉できるかも」
ソラの声だった。ソラは聖都ルクスに到着していた。アストレアと共に、ルミナリアの探索を続けている。
「風で翼の気流を乱せば──飛行が不安定になる。地上に落とせます」
「やってくれ」
「はい! ──疾風よ!」
ソラの風魔法が天使兵の翼に当たった。気流が乱れ──天使兵がバランスを崩して高度を下げる。
その瞬間にゼクスが、ルーナの夜で生まれた影から飛び出し、天使兵を叩き落とす。地上に落ちた天使兵を、トワが三連斬で仕留める。
ソラの風で落として、ゼクスが引きずり下ろして、トワが地上で仕留める。
六体の天使兵を──パターンを学習しながら一体ずつ処理していく。三体目からは、冬夜が弓で翼を直接射抜くようになった。翼の関節部──見聞録で解析した弱点に、ピンポイントで矢を通す。
「翼の関節を射抜いて──落としてる。弓の精密射撃がエグいな」
ゼクスが半ば呆れたように言った。
そうして――六体全滅。
光の障壁が、さらに薄くなった。あと一段階。もう少し友好度を上げれば、完全に消える。
障壁の向こうに、光の大聖堂の尖塔が見えている。白い塔。天を突くような高さ。頂上には小さな光が灯っている。
カレンが、いる場所だ。
「トワ。──もうすこし」
セレスが肩の上で、大聖堂を見つめていた。
「ああ……もう少し歩けば、届くだろう」
「カレンに、なにをいう?」
「まだわからない。──だが、歩いていれば見つかる。いつもそうだっただろう」
「うん。──トワのたびは、いつもそう。あるいてるうちに、こたえがみつかる」
聖都の住人たちが見ている。笑顔のまま。でもその目の奥に──何か、微かな光がある。友好度が上がったNPCたちの──封印の下から漏れる、本当の目。
助けてくれるのか、という目。
冬夜はうなずいた。誰にともなく。
助けるさ、全員。それが、旅人の旅だ。
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