表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ブレイブ・クロニクル・オンライン ~全員が捨てた初期職を7000時間やり込んだら、Lv1で最強になっていた~  作者: ぶらっくそーど


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

119/346

《記憶の欠片》


 聖光の森を踏破し、聖都ルクスの外周エリアも歩き終えた。




【ルミナリア踏破率:34%】



 聖都ルクスでの友好度上げは、着実に進んでいた。



 パン屋、友好度3/10。定型文の合間に、自分の言葉で話すようになった。




「あなたが持ってきてくれた果物で……パンを焼いたの。美味しかった。──でも、なぜ美味しいと思うのか……わからない。美味しいって……何だろう」




 武器屋。友好度2/10。




「この剣は……俺が打ったのか? 覚えていない。でも……手が覚えている。握ると……しっくりくる」




 宿屋の女将。友好度4/10。──彼女が最も友好度が高い。冬夜が毎日宿に泊まり、セレスがおやつをねだり、ルーナが影の中から「おやすみなさい」と言うのを、女将が不思議そうに──でも嬉しそうに聞いていたから。




「あなたたち……不思議な人たちね。なんだか……懐かしい気持ちになる。──懐かしいって、何かしら。思い出せないのに……懐かしいなんて」




 友好度が上がるたびに──NPCたちは少しずつ「自分」を取り戻していく。だがまだ、名前すら思い出せない。【記憶封印】の力は強い。



 そんな中──宿屋の女将が、ある日、不思議なことを言った。




「ねえ、旅人さん。──地下に、行ったことある?」

「地下?」

「この宿の──地下室。昔から、閉まっているの。鍵がかかっていて、開けられない。でも最近……下から、音がするの。トントン……って」



 冬夜はセレスと目を合わせた。



「いってみよ」



 セレスが言った。




 女将に案内されて、宿屋の地下への階段を降りた。古い木の扉。鍵がかかっている──が、トワの【見聞録】で鍵の構造を解析し、ゼクスが開錠した。




「鍵開けは、暗殺者の基本だ」




 扉を開けると、地下室が広がっていた。埃をかぶった家具。古い本。──そして、壁に掛けられた一枚の絵。



 絵には、旅人が描かれていた。杖を持ち、世界を歩いている旅人。ソルシアの壁画と、同じ構図だ。




「ルミナリアに……旅人の絵が」



 絵の下に、小さな箱があった。開けると、手紙が入っていた。

 古い手紙。インクが褪せている……だが読めた。




【「カレンへ。お前がこの国を光で満たすと決めた日、わたしは反対した。お前は……聞かなかったね。だからわたしは、この手紙を残すよ。いつか誰かが──お前を止めてくれることを願って。──お前の友人、ヴィア」】




 ヴィア。──あの老旅人の名前だ。月光のオアシスに隠れている、隠しNPC。




「ヴィアさんが──カレンに宛てた手紙」タマキが息を呑んだ。

「カレンとヴィアは──友人、だったのか」ゼクスが呟いた。




 聖女の手紙。カレンとヴィアの手紙。──カレンの周囲にはかつて、友人がいた。だがカレンは全ての友人の声を退けて……国を光で満たし、記憶を消した。



「トワ。カレンは、ともだちのこえを、きかなかった。でも……トワのこえは、きくかな」

「聞かせる。──歩いて、会いに行って、直接話す。それが、旅人のやり方だ」



 手紙をアイテムストレージにしまった。これは、カレンに届けるべきものだ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ