6話
火はすぐに燃え広がり魔獣たちを囲んでいる。
「辺境伯、この隙に矢で攻撃を」
「少し待ってもらえませんか?こちらの位置を教える事になりかねないので」
「サクラ、何でこちらの位置を教えたくない?」
「火のついた魔獣がこちらに来たら私たちまで暑いからです」
「そうか、そうだな。少し待つか……」
「出来たら少し高い所から見たいです」
「楽しいものじゃないぞ」
「少し考えが有りまして」
皆で見下ろせる場所を見付けて移動した。
「ではここから魔法で攻撃しますね」
「待て!油に水は危険だ」
「大丈夫です」
また少し大きめの水球を作り魔獣たちの所に向かって移動させた。
魔獣は厚いからか水に寄ってくる……顔を覆って息が出来ないようにする……
これを繰り返している間に魔獣は残り熊みたいなのが1頭のみとなった。
「強そうなの1頭が残ったね……」
「あれを倒すには我々だけでは厳しい……というか今日の戦果は凄いぞ。魔獣10頭以上を倒せた……」
「ここから石でも投げようか……」
「石では……ってそれは岩。持ち上がるの!?」
石を投げた。なかなか当たらないが向こうは暑さで体力が亡くなったのか動かなくなってきた。
数十回目に投げた石が当たり全て終わった。多分全ての経験値が私に入った……。
「終わったな……あとはこの火が消えるのを待つだけか」
「今から消すね」
私は水魔法で雨のように水を降らし火を消した。油が残ってなくてよかった……
「終わりましたね」
「いや終わりましたじゃない……」
「え?」
「これを作ったのは誰だ?」
「うちの使用人たちと……私」
「なんで逃げてない?」
「火を付ける為に」
「あの最初に倒していた魔獣は?」
「私が倒しました」
お父様は頭が痛そうだ……ごめんね……
少ししたら皆も戻って来て一緒に逃げなかったことを怒られたが最終的に勝ったと言う事で誤魔化した。
最終的な戦果は魔獣13頭。これは国が対応しないといけないレベルの話しだったらしい。
「13頭を子供が倒して出た被害が数名の怪我のみ……報告できないぞこれ……」
「お父様、ごめんなさい」
「いや、謝るな……皆の為を思っての行動だと分かっている。普通子供が力を付けると何か起こすがサクラは力を誇示してなかった。見せない方が良いと理解していたのだろう」
「はい」
「ただまだ子供なんだ……逃げた時に居なくなったら皆驚く。それでなくても驚かされたのに……」
「それでその報告書ですが……どうします?」
「国に出す書類に嘘を書いたら罰せられる。本当の事を書くしかない。サクラが中心となり罠を作り魔獣を倒したと」
「私国に連れて行かれるのかな?」
「可能性は無くはない……が、唯々諾々と従う訳ではない」
「でも争いは起こしませんよね?」
「それはな……サクラも希望しないだろ」
「はい」
そこから数ヶ月は何もなかったかのように過ぎて言ったがある日お父様に呼び出された。
「国から呼び出しだ……主役はサクラらしい」
「そうですか……」
「来週出発する。移動には1月ほどかかる。準備をするように」
「お母さまは?」
「ここを守ってもらう為に残る」
「そうですか。先生は?」
「カルミア殿か……本人が許可したら同行しても良いぞ」
「ありがとうございます」
先生も同行する事となった。そこから長い旅が始まった……馬車ってお尻痛い……。
色々な初めての街、途中でのどが渇くと魔法で水を出し……色々有ったが王都に着いた。
「ここが王都であの大きな城に行くのですか?」
「そうだ。いつ見ても大きいな」
「私、王都には来たこと有りますが、城内は初めてです……緊張します」
「先生も城は初めてなんですね」
「普通は中に入る用事は無いからな」
「そうですね。まさか家庭教師をしていて来ることになるとは思いませんでした」
まあ不安も有るけど楽しみでもある。
今後の展開の参考にもなりますので評価、感想など頂けると助かります。
ここまで読んでいただきありがとうございます。




