12話
彼は肉を食べ始めたが無言だった……。
無言で次々に焼き食べて行く。その状態を見つめる多数の人々。
耐えきれなくなり私は聞いた
「どうかな?食べられるのは見て分かるけど、美味しいの?」
「はい。……正直言うと独占したい位美味しい」
「私も食べたいけど……まだ我慢するわ。一応明日くらいまでは様子見ようか」
「追加で食べてもいい?」
「いいけど食べ過ぎは駄目よ」
その後数日経過したが彼は元気だった。元気と言うより食べた後少し力が強くなった気がするらしい。
「お父様、私も食べて良いですか?」
「まだ待て、他の人にも試してからだ」
「何故ですか?」
「彼だけ耐性が有ったらどうする?」
「そうですが……分かりました」
そこからまた数日……
「お父様、全員無事だったと聞いてます。もう食べてもよろしいですね?」
「もう少し待て、最後に私が試す」
「わかりました・・・・・・」
そこから数日後に呼び出された。
「確かに魔獣の肉は旨い。食べても良い、だがまだ何が起こるか分からないから食べ過ぎには注意だ」
「わかりました!」
私は魔法で収納していた魔獣の魔力を抜き切って食べ始めた。
凄く美味しかった。美味しいだけでなく多分魔力が少し増えた……そんな感じがする。
私の部隊を呼び出して皆で食べた。この肉は皆で倒したのだから。
「もう残り少なくなった……あとは特別な日用に残しておこうか」
「魔法で収納していたら腐らないの?」
「大丈夫、腐らない……というか時間経過しないからこの味が変わらないよ」
「それは便利。また魔獣来ないかな?」
「そんなに簡単に見付かるものでは無いって聞いてるけど?」
「確かにそうだ。この前始めて見た人が多いと聞く」
「まあ魔獣なんて出てこない方が良いのだけどね……」
「確かに近くで見ると怖かった」
「そうね。戦ってる時は平気だったけど後で考えたら恐ろしかったよ」
「でも肉は旨い」
「そうね」
その日時は解散し、後日また偵察に出たが魔獣は出てこなかった。
しかし鹿や兎は捕まえる事が出来た。
何かが獲れた日は皆で食べ、そこで肉の処理の仕方なども学んだ。気分のいい事ではないが私達が食べる為なので無駄にはしないよう気を付けた。
そして偶然街の中を歩いている時に店の前で泣いてる人を見付けた。
「どうしたのですか?」
「食材が手に入らなくて……」
「事故か何か?」
「私達のお店を壊そうとしてる人が居て……」
「邪魔されてるの?」
「はい。私達孤児院の出身者で困ってる人に安く食べられる店をつくったのに……」
「そう……何か手伝えることは有る?」
「どこか肉を安価で買える所を知らない……よね」
「冒険者や狩人に直接頼むとか?」
「今それを邪魔されてるのです」
「それは大変……兎の肉が少しあるけど……使える?」
「買い取ります!」
「今回はお試しで無料で良いわ」
「孤児院では甘い話には裏があると聞いてますので無理です……と言ってもお金も少ししか有りませんが」
「では何か一品つくって。それと交換」
「一品でいいの?」
「いいよ。元々余ってた肉だし」
肉を渡すと凄く喜び調理を始めた。
「何で肉を余らせてるのか分からないけど今からつくるね」
「待ってるね」
数分後いい匂いがしてきた。
「これでいいかな?」
と一皿持って来てのだが……量が多い。
「こんなに受け取ったら悪いよ」
「いいのよ野菜は裏で栽培してるし」
「そう?なら頂くわ」
「どうぞ」
……美味しい。あの肉がこれに変わるならもっと持って来たい。
「これ凄く美味しいわ」
「一般的な家庭料理だと思うけど?」
「良かったら、今度から肉が取れたら売りに来て良い?売りにと言うより料理と引き換えにで」
「良いけどそんなに食べるの?」
「私だけでなく、私の仲間が沢山居るのよ。その人達にも食べてもらいたいから」
「何時でも待ってるよ。今日の肉で明日くらいまでは営業できるし」
この店の為に肉を確保したいな。
今後の展開の参考にもなりますので評価、感想など頂けると助かります。
ここまで読んでいただきありがとうございます。




