食堂の悲(喜)劇
この物語は、AIをアシスタントに、アイデアを形にしたものです。既視感を覚える部分があっても、それはAIや作者が無意識に影響を受けた結果かもしれません。「もうあったらすいません」くらいの気持ちで、気軽に楽しんでいただけると幸いです。
夕日の深い赤色が闇に飲み込まれていく。
「これまで俺たちはよく頑張った。今日はそのおかげで、この食事ができるんだ!」ツッコは感激しているようだ。
「もー早く食べようよ!お腹すいちゃったよ!」
「私も、もう食べたい」ボッケとアマリは目の前の料理を凝視している。
あれから薬草採取とツノウサギ狩りを地道に続け作業にも慣れた。
1日で多い時には薬草40本取り、ツノウサギも多い時は6匹倒すことができた。
LVもスキルLVも2に上がり若干、体の動きが良くなったし、1日の全員の使用回数が9回から12回に上がり威力も少し増えた。あとアマリの音の保存数が2に増えた。そして報酬合計銅貨1046枚となり、約3人の10日分の食費をやっと貯めることができた。
しかし、とうとう携帯食が切れたので、マーサに教えてもらった口数の少ないカインという、おっさんが経営している宿屋兼食堂「古き盾」に来ていた。街の入り口近くにあり1階が食堂で2階は宿屋のようだ。空きは少なくほぼ常連で埋まっているようだった。3人は空いていた小さいテーブルを囲んだ。いろいろメニューがあり迷ったが全員同じ1人銅貨10枚の日替わり定食を頼んだ。今日の献立は小さいパン3つ、ツノウサギの串焼き、野菜のポトフのようなスープだった。
「わかったよ、じゃー食べるか!いただきます!」「「いただきます」」ツッコの号令とともに、3人とも一心不乱に食べ出した。
「もう何日振りだよ、久しぶりすぎて、すぐに無くなっちまった」
「この料理、おかわりしちゃだめかな」
「パンも、お肉もスープもおいしかったよ」
ツッコ、ボッケ、アマリは瞬く間に平らげると、空の皿を悲しそうに眺めた。
厨房の奥から様子を見ていたカインの疲れた顔が少し緩んだ。
「もう携帯食もねえんだ、ここはある意味、外食で高いはずだ、自炊も考えなきゃいけねえ」ツッコは考えだした。
「ツッコ、おかわりしていいのー」ボッケは空の皿を見ている。
「市場とか、あったしそこで、何かいいのあるかも?」アマリも考えだした。
「あ、すいません、これと同じやつもう一個」ボッケは注文することにした。
「豆とか買って、炒ってそれで、少しは持つかもしれねえ」ツッコは食料のことを考えている
「タネとか買って、あの畑に少し植えとこうか」余りは小さい畑があったことを思い出した。
「そろそろ、魔石も買わねえといけねえし」ツッコの心配は無限に湧いた。
「リタの店でベーコンとかハムも売ってたよ」アマリはリタの店のことを考えた。
カインがボッケのおかわりを持ってくると、ツッコもアマリもボッケを睨んでいる。
「ありがとう、じゃー食べようかな?」ボッケは普通に食べようとしている。
「てめー1人だけ、何頼んでんだ!俺が節約しろっていってるのに..俺にもよこせ」ツッコはボッケから串焼きとパン1つ奪う。
「お兄ちゃん、ずるいよ私ももらう!」アマリも負けじとスープとパン1つを奪い取る。
「2人とも取りすぎだよ、僕の分がなくなっちゃうよ」ボッケの皿にはパン1つしか残ってなかった。
結局4人分でなく、さらに追加して食べ5人分の銅貨50枚の出費になってしまった。アマリは追加した分でドゥエンデの夕食と呟いてからパンに串焼き半切れとスープの具を少し挟んだハンバーガーを紙に包んでカバンに入れた。それを見たドゥエンデもフードの中で嬉しいのか少しジタバタしていた。
「お前ら、こんな食い方してたら、すぐ金なくなって餓死だからな」ツッコが額を押さえながら言った。
「大丈夫だよツッコ....多分」ボッケは気楽にいう。
「餓死は嫌だよ〜」アマリは心配している。
他の客は、少し笑ったり、呆れたような視線を送ったりしていた。
その時、店の奥から背の低い男が立ち上がり近付いてきた。
「お前ら、ほんと面白いな」以前掲示板で会ったドワーフのロルフだった。よく見ると椅子を持ってきていた。
「ロルフ、待ちなさいよ」ヴィリディフローラも椅子を持って付いてきた。
厨房の奥のカインは困った顔を一瞬すると、時々気になるのか見ていた。
「あんたはロルフと、フローラさん」ツッコは驚いた。
「お前ら、いつも、そんなんなのか、面白いな」ロルフは笑った。
「しょうがないわね」フローラ少し笑いながらロルフの隣に座った。
「まー大体こうだな、ボッケが適当だからな」ツッコはボッケを見る。
「なんだよツッコ、僕が頼んだ料理、横取りしたのは、そっちだろ」ボッケもツッコを見る。
「金がねえって言ってるのに普通たのまねえだろ」ツッコは眉間に皺がよる。
「僕は普通に頼むよ」ボッケ胸をはる。
「お兄ちゃんたち、もうやめてよ」アマリは2人の服を引っ張ると、恥ずかしそうに呟いた。
ロルフは笑いだし、フローラは苦笑していた。
「そういやバルタザールに酒場で聞いたぞ!変なスキルかけて自滅した面白いやつだって!」ロルフはニッカリ笑った。
「あんたたちと会ってから、バルは稼ぎが良くなったって笑ってたわ」フローラも苦笑している。
「...複雑な気分だな」「...色んな意味で負けたね」ツッコとボッケは苦笑いした。
「バル、稼げたならよかったよ」アマリは嬉しそうに呟いた。
「しかし、金がねえとか言ってたけどお前ら何で儲けてるんだ?」ロルフの眉間に皺がよる。
「今は街の周りの草原で薬草採集とツノウサギ狩りしてんだ」ツッコは頭を掻いた。
「そうか..じゃあ、スキルで攻撃できるならスライムでも倒したらどうなんだ?」ロルフは顎に手を置いた。
「そうね、スライムなら魔石が出る時があるわよ。物理攻撃は効かないけど、魔法の物理以外の攻撃で簡単に倒せるわ。」フローラはロルフを見た。
「川から街に引き込んだ小川の周りにもいるだろ、街の外の小川のそばでも探すんだな」ロルフは身振り手振りで教える。
それ以降も楽しく話し、スライムという新しいお金儲けを知り、お腹も膨れた3人はいつもより、いい気分で帰る。
しかし、いつもより遅かったのか門が閉まっていた。
門番もグースではない、軽量の鎧を着込み腰に剣を付けたお爺さんがいい姿勢で椅子に座っていた。よく見ると椅子の横に兜も置いてある。
「あの〜すいません、門を通りたいんですけど」ツッコは格好を見て下手に出る。
「規則だから無理だ」お爺さんは短く答えた。
「僕たち、街の外に住んでるから家に帰りたいんですけど」ボッケも下手にでた。
「無理なもんは無理だ、わしに言われても困る」お爺さんは、それ以降何度説明しても動じなかった。
結局、野宿はしたくなかったので、カインの宿屋で泊まることにした。
カインが言うには、暗くなりギルドが終わって2時間ぐらい経つと夜の門番のクレイグに変わること、そして頑固で話は通じないと言われた。
一番安い部屋で銅貨90枚。今日の合計出費は銅貨140枚に達し、当初の予定の約5倍もかかった。
ツッコ寝る前に悲しく呟いた。
「なんでいつも思い通りにならないんだ」
ボッケとアマリが気楽に眠っているのを見ると「まあいいか」と眠りについた