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後編

短編のつもりで投稿したのですが、間違えて連載にしてしまいました。


前後編にします。


すみませんでした。

熱が肉から脂を削ぐ


ステーキのはずなのに


妻が肉を薄切りにしてしまった


そうか


父も母も厚い肉は辛いか


がっかりしたのがバレないように工夫したが


苦笑いになってしまった


集まって来た里のみんなの笑顔が


俺を染めて、そのうち本当の笑顔に変わる


鹿、猪、熊


茸、山菜、果実


頼んでいないのに……マムシ


結局鍋になって


誰かが歌い出して


誰もが手拍子を始めて


踊り出して


夜が更けて


子供を寝かせて


酒が食卓に登る


里、その外、さらにその外


他県、他の地方、都会


昨日、今日、明日、


命の誕生、成長、旅立ち、帰郷、いつか来る終わり


自然、人、他人、里の住人、俺、お前


だんだんと話す事が無くなる


冷え込んで、もう虫の音がしないのに気付く


山の秋は短い


誰かが言う


海外で食べた鹿の味


自慢のつもりは無かったのだろう


自慢と受け取ったつもりも無い


俺たちはこの暮らしに儚さを感じていて


儚さとは未来が見えないせいで生まれる感情で


感情は様々な気まずさを生み出す


だが


『あんたがいるから、この里が楽しいんだよ』


と親父の一言で


俺たちは星を見る事を思い出して


宴もたけなわとなった


明日も鹿を追う


猪と熊も狩らねばならぬ


明日とその次を続けるために



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秋の収穫祭・味覚祭り バナー作成/幻邏
― 新着の感想 ―
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猟をして生きる人々の物語。まったく異なる生活をしてきた私には、純粋にかっこいいなあと映るのですが。 主人公はきっとそうした生活に誇りがありながらも、お父様の存在を浮かべながら自分を未熟に感じる部分や、…
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