プロローグ
先々代の女王ルキリアと元ナイトの李空の短編になります。
それにしても、今日はすごく賑やかだった。
女王を無事に終えたリオンとナイトの任を解かれたユウガがおれ達を訪ねてきたかと思えば、気まぐれに緋友も来てくれた。いや、今日のことは必然だったのかも知れない。
「緋友は確実にこっち側だからなぁ」
おれはテーブルを拭き終わると、少し寂しいように感じた。
今日の片付けはユウガとリオンがかって出てくれたから任せて、その間ナイトの任を受けると決めた緋友と一緒にルキリアの眠る棺の前で話していた。
『緋友、お前もおれと同じで色濃く受け継いでるからルキアを助けてやってくれ』
『はぁ?ルキリアと同じこと言わないでよ。僕はルキアが嫌いだって言ってるのに…』
『いや、お前はルキアを好きなはずだ』
『だから、意味分かんないよ』
最後まで緋友は不機嫌な顔だった。
まだ“記憶”を受け入れられていないのか、いや、でもあの反応は無意識下で眠れる記憶から引き出している感じか…やっぱりおれのひ孫は天才だなぁ。
『ねえ、李空…今日は皆がいて楽しかった』
不意に頭の中に聞こえてきた声はルキリアだ。たまにしかこうやって話し掛けてくれない。
おれも緋友みたいにできたらよかったが、未だに眠るルキリアと話が出来ないからあの頃みたいに寂しい。
「そうだな。おれも久しぶりに少しだけだけど魔族化を使えて楽しかったよ」
ルキリアに返事を返したが、次の言葉はおれの頭に響いてくることは無かった。
もう慣れた…と、おれはずっと自分に言い聞かせている。本当は、ルキリアの声がもっと聞きたい。もっとルキリアと話をしたい。おれのルキリアと…。
「李空は、ルキリアと結婚して一緒にいられるだけでもマシな時だもんな」
望みすぎるのは良くないと、おれはまた自分に言い聞かせる。そしてまた“眠り続けるルキリア”と2人きりの時間に戻ったのだった。




