第97話 奥の手
「ダメージカウンター!!!」
「きゃぁぁぁーーーっ!」
僕はダメージカウンターで、カルリナさんを倒した。
ショーマさんは回復してくるのが厄介なので先に倒しておいた。
ジークさんもちょうど決着がついたようだ。
だが、その場に倒れこんでしまった。
すごい爆発だったので、体にもかなりの負担があるだろうな。
交代申請を受けれる状態ではないと思うし、端っこに移動させてあげたい。
僕はジークさんの所に向かった。
「一人であのドミニデスに勝ってしまうなんて、すごいですね。僕も負けてられないな。今はゆっくりお休みください」
抱き抱えて自分フィールドの端っこの方に移動させる。
それにしても前見たときとは少し姿が違うような気がする。
あんなに明るい色ではなかったと記憶している。
「トワ君! どうしよう! リーフィスちゃんたちが!」
突然のヒロさんの声に、僕はルナさんたちの方を向くと、リーフィスさんとグーファーさんの二人が、橘さんにやられている場面だった。
(うー。遅かったか。だけど、慌てる時じゃない。通用するかは分からないが、次の手を打つだけだ)
「ザーハックさんとトゥビーさん前に出てください。次の人がやられたら、アイテムを使えなくなるので、誰かのHPが半分以下になったら、遠慮なく使ってください」
「了解だよ!」
ヒロさんから返事が返ってきた。
やられた二人の枠にザーハックさんたちがフィールドに戻り、橘さんを囲む。
ジークさんは今倒れているから、4vs1の状況となる。このままみんなで囲んで叩く!
「いやぁ、困りましたねぇ。ドミニデス君が二、三人やってくれると思っていたのですが。ーー全く。想定外です」
僕はみんなの元へ駆け寄り言った。
「でも橘さん、なんだか嬉しそうですね」
「えぇ。もちろんですよ。こんな状況ですが、僕は勝ちを譲る気はありませんので。いきますよ。『グランドウェーブ』」
橘さんはグランドウェーブを展開した後にスキル、『泥人形の大行進』で、四体のゴーレムを召喚する。
そのゴーレムたちは、僕以外の四人を狙った。
(やはり気を失っているジークさんを狙うのか。この状況だったら、負け筋に繋がる可能性のあるジークさんを狙うよな。僕でもそうすると思う)
僕は一体のゴーレムの相手をしながら、倒れているジークさんのもとへ向かった。
橘さんは僕たちを無視して真っ先に、ジークさんに攻撃を仕掛ける。
「させるかぁぁっ! 『インパクト』!」
僕は橘さんに攻撃を仕掛けるが、武器で塞がれてしまう。
(あのゴーレムたちは三分で消えるけど、時間稼ぎをする余裕は僕にはない。もったいないが、ギルドキャノンを使った方が良さそうだな)
「ヒロさん、もう一度ゴーレムを一掃します。ギルドキャノンの準備を! みなさん、こちらによってください! ルチアー! 『攻勢の舞』をお願い!」
僕のお願い通りみんなはこちらに近づいてくる。
隠れていたルチアは姿を見せてスキルを発動した。
「二度も同じ手は食らわない」
橘さんは僕たちの足元に砂の波を発生させると、フィールドをアイススケートのように、僕たちを滑らせる。
僕はすぐさま飛び降りるが、そこを橘さんは狙っていて、グランドスピアーが飛んできて命中した。
「いたたたた。見逃してくれないなぁ」
周りを見渡すと、トゥビーさんはエルフの力を利用して、砂から逃げていた。
ルナさんとザーハックさんはぶつかってしまい、お互い謝っている状況だった。
(あれ? ジークさんがいない? どこだ?)
すると、自分の司令塔から『ギルドアクアキャノン』が相手側のフィールドへ飛んでいくのが見えた。
爆発音とともに相手の守護獣が寄りかかるように倒れた。
(あの倒れているのは……ジークさん! 砂の波で守護獣の所に移動させていたのか。ヒロさんナイスすぎる!)
「ごめーん! 危ないと思って撃っちゃったぁ!」
「いやいや、ナイスすぎです! ありがとうございました!」
「美しい水よ、気高い風の力を借り、旋風となりて大地をかけよ。『アクアトルネード』!」
「月の女神の癒しの光」
トゥビーさんのアクアトルネードを橘さんは土の壁を作りガードした。
そのままグランドスピアーで攻撃を仕掛けるが、植物を使って避ける。
「ーー『燼滅紅牙』!」
ふいをついたザーハックさんの一撃は橘さんに見事ヒットした。
「さすがにこの人数は厳しいですねぇ。仕方ありません。こちらも奥の手を出しましょう」
「まだ奥の手があるっていうのか」
僕は思わず言葉が漏れる。橘さんは自分の陣地へ戻ると、聳え立つ土の壁を作り出す。
遠くからルナさんやトゥビーさんが魔法で攻撃するが、ゴーレムが壁となる。
僕とザーハックさんも急いで走るが、間に合わなかった。
橘さんは守護獣に飛び乗ると、その土の壁を吸収して、橘さんと守護獣を包み込んでいった。
守護獣は次々と大きくなり、顔や手などを形成していった。そして……巨大なゴーレムへと姿を変えた。
「なんだありゃ……」
ザーハックさんは驚きの表情を浮かべて言った。
「これが僕の奥の手です。この圧倒的な体格差、堅牢なこの体を、永遠の絆のみなさんは打ち破ることはできますか?」
僕は静かに俯き、ニヤリと笑った。
あと少しで第3章が完結します。
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