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追憶の電脳世界〜エタニティ・ドリーム・ワールド〜  作者: 夢達磨
第三章 ギルド結闘編

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第93話 絆の合体魔法

 ※三人称 


 一方その頃。


「ーー『フラッシュボール』!」


「やるなぁ、お嬢さん! 『エアロ・ボム』!」


 ルナの魔法とアルバートの魔法がぶつかり合う。


「はぁぁっ!!」

 

 グーファーは少しできた隙を見てアルバートを攻撃する。


「くっ! 接近されたら俺の魔法攻撃がやりにくい」


「リーフィス王女。わたくしたちも力を合わせましょう」

 

「はい。ルナ王女!」


「煌めく水よ、猛々しい風よ。旋風となりて大地をかけよ。『アクアトルネード』」


「ーー『フラッシュボール』!」


 リーフィスは『アクアトルネード』をルナは『フラッシュボール』を使用する。

 二つの魔法を空中に待機させ新たなスキルを発動させる!


「麗しい水よ」


「穏やかに吹く風よ」


「「道を照らす光よっ! 三つの力を一つに重ね、希望の道を照らし出せ! 『合技魔法! トリニティ・アトリビュート・フォース』!!!」」


「な、なんだあれは!?」

「そんなの……ありかよぉ」


 ショーマとアルバートは幻想的な美しさを放つ魔法を目の前にして驚きを隠せない様子。


 リーフィスとルナの魔法は、空中で熱気球のくらいの大きさとなった。

 

「「いっけーーーーーっ!!!!」」


 二人がそう叫ぶと、魔法の球体は三属性のリングを作りだし、二人に次々と襲いかかろうとする。


「俺は魔防と属性値が低いからな。耐えられないだろう。ーーだが、最後まで足掻いてやるぜ! 『ダークウェーヴ』!」


 アルバートは闇魔法を使うが、拮抗することもなく魔法が消されていく。


「っ! すまねぇ、アルバート。ギルドのためだ。『ダメージプロテクション』!」


 ショーマはアルバートが耐えられないのを察したのか、自分にダメージプロテクションを使用した。


 リング状の魔法は強い衝撃波を三回発生させる。


「うわぁっ! ぐあっ! ガハッ!」


 魔法攻撃に弱いアルバートは、大ダメージとなり、HPが0となり敗北となった。

 HPが残ったショーマは、ルナたちの目を盗み、橘所へと駆けた。


 ルナとリーフィスはハイタッチをしてお互いを讃えあった。


「あと残りは四人ですね。素晴らしい合体魔法でした。わたくし嬉しいですわ」


「はいぃ! こんな魔法、初めてです! 少しは私もお役に立てたでしょうか?」


「お役に立たなかったことなんか一度もありませんわ! リーフィス王女はもっと自分に自信を持ってください」


「ルナ王女にそんなことを言っていただけるなんて光栄ですわ! ありがとうございます!」


 グーファーは拍手をしながら言う。


「二人とも凄かったです。とても綺麗な魔法で、思わず目を奪われました」


 二人の王女は「うふふっ」と笑いあい、グーファーとともに、トワたちの所へと向かった。




※ 一人称 トワサイド


「あの魔法はなんですか? 聞いたことのない魔法でしたが」


 橘さんの言葉に僕は、ふふっと微笑み胸を張って言った。


「あれは僕の作戦……ではありませんし、あんな魔法は知りません!」 


 あの魔法は、『合技魔法』と言ってたな。誰が発動したんだ? ルナさんかリーフィスさんしかいないだろうけど。


 普通に考えたら、二人の魔法を重ねた合体魔法ってことだよな。よくそんなことができたな……。

 そんなことが可能なら色々やってみたいな。合体技とか考えたことなかったけどロマンを感じる。


 今度教えてもらおーっと。


 しかもとっても綺麗だった。橘さんに勝つ! とかイキってたのに、あの魔法に目を奪われてしまっていた。

 まあ、橘さんたちも目を奪われていたようだったけど。


「橘すまねぇ、アルバートがやられてしまった」


 先程戦っていたはずのショーマさんが、ボロボロの状態で橘さんに言った。

 それを追いかけるように、グーファーさんたちもやってきた。


「ご苦労様でした。仕方ありません。こちらは残り四人。人数不利にはなりますが、彼が(ドミニデス)三人くらい相手になってくれるでしょう」


「だ、大丈夫なのか?」


「ガッハッハハ! 任せろ! 俺のリベンジも兼ねてるんだ。暴れさせてもらうぜぇっ!」


「こい! 俺が相手だぁぁっ!!!」


 ジークさんはドミニデスに飛びかかる。

 

「ルナさん、リーフィスさん! 早速で申し訳ありませんが、ジークさんの援護をお願いします!

 グーファーさんは僕と一緒に橘さんと戦いましょう!」


「「了解です!」

「御意!」


「ショーマ君は彼に。カルリナさんは僕の援護をお願いします」


 ショーマさんはドミニデスの所へ向かい、カルリナさんはその場で武器を構える。


「では、最終ラウンドといきましょうか」

「最終ラウンドはまだですよ。いくぞっ!」


 僕は言いながら橘さんに近づきスキルを放つ。


「ーー『インパクト』!」


 速攻で仕掛けたのだが、橘さんは砂の壁を作り出し攻撃を止められる。

 スキルの砂壁よりかは高さも硬さもないが、僕の攻撃力では壊せない。ーーなら!


「その程度では僕に攻撃を当てられませんよ。さぁ、もっと楽しませて下さい」


「はぁぁっ! 『アクセル』!」


 僕は橘さんの横に移動する。


「無駄です。『サンドウォール』」


 そうくると思った。

 僕はクルッと回り、軽快なステップで回り込んで斬撃をいれたのだが、ガキンッ! と金属同士がぶつかる音が聞こえた。


「っ!? まじかよ……」


 僕の攻撃先に大斧を置かれていたようだ。


 隣を見ると、グーファーさんはカルリナさんと斬り合っている。


「カルリナ君。いつものいきましょう。合わせて下さい」

「了解マスター! 合わせるよ!」


 カルリナさんが返事をすると、槍を前に突き出す。


「『グランドウェーブ』ーー行きますよ! 『サンドスネーク』!」


 二匹の砂蛇は勢いよくカルリナさんに近づくと。


「おらぁ! 行くぞぉ!」


 カルリナさんはその姿勢のまま突進してくる。その直線上にはグーファーさんがいた。


「グーファーさん!」


「えぇ。任せてください。

 その剣、一振りすれば、一寸の光も闇へと溶ける。刮目せよフィナーレスキル! 『幻影斬ー紫電しでん開闢かいびゃく』!」


 グーファーさんはフィナーレスキルを放った。が、何故か反対側の壁の方で爆発が起きた。


 グーファーさんが立っていた地面に、坂のように土がボコっと盛られていた。


 多分フィナーレスキルを放つ前に、橘さんが土で坂を作り、気づかずにそのまま反対側まで飛んでいったのだろう。


 そんなことを思っていると、砂蛇とともにカルリナさんが突進してくる。


 僕はアクセルでカルリナさんから距離を取る。

 砂蛇だけは僕を追ってきたので剣で切り裂いた。


「僕が提供した、スキージャンプは楽しんでもらえただろうか」


「フィナーレスキルをあんなやり方で躱すなんて……一本取られましたね」


「レベル差はあれど、フィナーレスキルをまともに被弾すると深傷を負うからね。

 しかし、当たらなかったら怖くないさ。やり方次第ではどうとでも対処できる」


「くぅーっ! さて、どうしようかぁ」


 橘さんだけでも厄介なのに、カルリナさんまでいる。再び人数不利な状況を作られてしまった。

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