第72話 ハニポンとヒロ
馬鹿にしてくるハニポンを無視して僕は、合格発表を待とうとテーブルの方へ歩いていた。
すると、どこからか僕を呼ぶヒロさんの声が聞こえた。
「トワくーん! イベントストーリー終わらせたのー?」
「はい。終わらせて、サブ職業の『鍛治職人』の試験を受けに行ってました」
「あー。もう取りにいったんだ。早いねぇ。結果はいつわかるの?」
「すぐに分かるから、ギルド会館で待つように言われてます。
暇なので、ジュースでも飲んで待っていようかなぁって思ってたところです」
置いてきたハニポンが追いついて、ニヤニヤしながら言った。
「いやいやぁ、あの子のことを考えていたんでしょぉ? 愛しのリ・コ・ちゃ・んっねぇ!?」
「違うって言っているだろー!?」
僕がつっこんでいると、ヒロさんが指を刺しながら、大声で言った。
「あーー! ハニポンだぁ! 本物!? ねぇ、本物なの!?」
「ふっふーん。本物のハニポン様よ! まじ卍でしょう!? あーしに会えて、やりらふぃーでしょ!?」
「うん! まじ卍! やりらふぃーだよ! すごい! トワ君となんの話をしていたのぉ?」
僕には、まったく分からない言葉が次々と出てくる。
ヒロさんもノリノリのようだ。分かるのかな? 分からない僕がおかしいのかな?
「ふーふー! いぇあ! あんたぁ! いい波乗ってんねぇ! 恋バナよ! こ・い・バ・ナ」
「おぉー! テンアゲ! バイブス上がりまくりだねぇ! トワ君の恋バナ気になるなぁ! そういえぱ他のマスコットキャラはどこにいるのぉ?」
「お家にいるよぉ! 基本的に外に出てはいけないからねぇ。
でも、あーしは自由にしていいって言われたんだぁ! 後で教えてあげるぅ! ウェーイ!」
僕には二人の話についていけないよ。
そして、ハニポンは急に我に返ったように、真面目な顔をしてヒロさんに言った。
「ってか、あんたどっかで会ったことあるぅ? 見たことあるんだけどぉ?」
「えー? そんなことないと思うよ! 私はこの世界でハニポンを見るのは初めてだし」
「ほんとうにぃ? んーなんか一人でうろちょろしてた時にぃ、見かけた顔なんだよねぇ。どこだっけぇ?」
意地悪をしてきたハニポンに僕は腹いせに馬鹿にした言い方でこう言った。
「それってハニポンの妄想の話じゃないの? 寝ぼけて夢でも見てたんじゃないのー?」
「妄想じゃないしぃ! あーしはあんたのような、厨二病拗らせながら妄想する悲しきボッチじゃあーありませぇーん!」
「なんだとぉ! このギャルバチぃ!」
僕とハニポンが睨み合っていると、ヒロさんは笑いながら言った。
「二人って仲いいんだね」
「違います!」
「違うわよ!」
「ほらぁ、息もぴったり。ところで、二人はいつどこで出会ったの?」
「むぅ! ーーあれは、僕が初めてログインした日でしたね。ログインした先のウガルンダの南門前で会いました」
「あ、そうなんだ。でも、私がログインした時は、マスコットキャラクター、誰もいなかったけどなんで?」
「あーしたちは外の世界。ちな、ここのことなんだけどぉ。
不具合が起きていないか、不正をしているプレイヤーが、いないかなどの調査をする時にしか、外に出られないんだよねぇ。基本。
あ、不正ってのはチートとかのことねぇ!」
ハニポンの言葉に僕は質問する。
「じゃあ、ハニポンが外に出ていたってことは、何かの不具合の報告があったってこと?」
「そうそう! せいかぁい!
それでぇ、その日はたまたまあーしが、不具合の報告の調査をしていたのぉ。
そしたらぁ、女性の声でぇ、『こっちだよ。こっちこっち』って声がしたのぉ。
その声の方へ行ったらぁ、あんたが、ニワトリ男に怒鳴られて、頭をペコペコしてたところだったのぉ。
あれは、過去一面白かったわぁ! 今、思い出すだけでも、うぷぷ……ビーヒャヒャヒャー!!!」
「わ、笑うなぁあ! 忘れろぉぉぉ!!!」
話をしていると、突然、窓口の方から僕の名前を呼ぶ声が聞こえた。
呼ばれた方へ向かうと、そこにいたのはフィリスさんだった。
本日の分です♪
9日まで同じ時間くらいに投稿していますので、お時間がありましたらよろしくお願いします(^^)




