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追憶の電脳世界〜エタニティ・ドリーム・ワールド〜  作者: 夢達磨
第二章 王国奪還編

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第37話 vsドミニデスその1

挿絵(By みてみん)


 オボロンの言っていた、中心部にある公園みたいな場所に着いた僕たち。


 ここは中庭なのだろうか? 周りの壁の一部が崩れている。


 壊れた花壇の花を調べてみると、切られた形跡があるものや、黒く焦げているものもあった。花たちが可哀想だ。

 

 周りの空気が少し熱く感じる。こんなに暑かったけ? そんな事を思っていると、奥の方で戦闘をしている音が聞こえてきた。


 音が聞こえる方へと駆ける。そこには、膝をつき血を流している、ザーハックさんの姿があった。


 そして、その先にいるのはドミニデスかな? ガタイのいい大男って感じがする。


 何か黒いオーラを纏っているように見える。あれが、『支配の恩寵』というものなのか。

 

 ドミニデスのステータスを確認する。


名前 ドミニデス レベル35

職業 ウォリアー


ステータス

HP 5100/6000 (4000+2000)

MP 350+175

物攻 480+240

物防 350+175

魔攻 200+100

魔防 300+150

素早さ 180+90


特殊スキル

支配の恩寵


 ステータス高すぎないですか? 特殊スキル『支配の恩寵』が発動しているようだ。


 やはり、恩寵はステータスをかなり上昇させれるのか。『反撃』をすれば、僕とドミニデスのステータスに関係なくダメージを与えられるが、残りのHPが5100ときた。


 ザーハックさんが削っていても、900ダメージ。僕が普通に戦っても全然削れないだろう。


 みんなで一斉に削って、『反撃』でトドメ。これに賭けようと思うのだが。

 

 橘さんから貰った経験値クエストのおかげでレベルは27。HPは3000ある。


 仮に2900ダメージを受けて1.5倍のダメージを与えたとしても、4350ダメージ。

 

 一回の『反撃』ではドミニデスのHPを0にできない。一撃で倒すには、HPを4350以下にしなければならない。


 回復スキルも間に合わなかったら僕がやられてしまうし、ドミニデスに感づかれて、避けられたら目も当てられない。


 気づかれないように確実に当てる。これに限る。


 物理攻撃力のステータスが高く、火力お化けのようだ。回復アイテムなどで、HPが満タンになってしまったら、一撃で倒すには、僕は4000のダメージを受けなければならない。


 僕のHPが足りない。継続回復スキルがあればな……。



 すると、ドミニデスが、ザーハックに向かって言う。


「なかなか楽しめたぜ。俺のいい暇つぶしになりそうだな。殺すのにはもったい。才能もある。

 そうだ貴様、俺の配下にならないか? 今はまだ、ここの国しか支配していないが、いずれはこの大陸、そして、この世界を支配するつもりだ。そして俺は強くなる。……さぁ、返事は?」


「……はぁ。はぁ。支配して何になる。俺は支配など興味ない。だから、俺はお前の配下にならない。殺すなら殺せ」


 ザーハックさんが危ない。僕は走り始める。残りの人も僕に続く。


「そうか、残念だ。今楽にしてやる。『傷悪』!」


 ドミニデスはそういうと、鉤爪でザーハックさんの首元を掻き切ろうとする。


 僕はザーハックさんの目の前に立ち、ドミニデスのガラ空きのボディに剣を刺す。


 ステータスに差があるので貫通はできなかった。しかも、ダメージもほとんど与えられていない。


「ん? なんだガキ。どこから出てきた……」


 ギリギリ間に合った。早めに行動ができていて良かった。そして、橘さんやジークさんたちが集まっていくる。


「元アーティダル王国の王子様に、橘じゃねぇか。どこで油を売っていたんだ? 探したぞ。やはり裏切っていたのか」


 その問いに橘さんは答える。


「油を売るですか。まあ確かに僕は学生時代にガソリンスタンドでアルバイトはしていた経験がありますので、そういった意味では油を売った事はありますね。

 何度も言いますが仲間になったつもりはありません。僕は依頼されてあなた方の近くにいただけですよ」


「ガソリンのことじゃねぇよ! わかってるくせに相変わらず捻くれてるな。 

 これでも俺は少しは信じていたんだぜ。お前は頼りになるからな。んで、お前は仲間を連れて俺を倒しにきたのか」


 橘さんの学生時代か。いつ頃からこんな曲がった性格になったのか気になるところ。


 歳も分からないし。まだ30歳はいってないとは思う。ドミニデスは30代前半くらいに見える。


「ガソリンではないと……。それは残念。信じてもらえて光栄ですよ。もちろん。倒しにきましたよ。ここにいるトワ君がね」


 そうだ! みんなでドミニデスをたおす……ってえ? 今なんて言った? 

 

「ほう、俺を倒すか。この圧倒的ステータスの差、そして支配の恩寵をどう攻略してくるか非常に楽しみだな」


「えぇ!?」


 僕は思わず声が出る。


 ドミニデスは後ろに下がり一旦距離を取る。その間に僕は、ザーハックさんに回復アイテムを渡すと、お礼を言って使用した。


「坊主……。ちゃんと戦えるようになったのか? いや、愚問だな。

 俺の前に姿を現したってことはそういうことだな。悪かった。回復アイテム助かった。礼を言う」


「間に合って良かったです。はい、ご迷惑をお掛けしました。みんな! で、ドミニデスを倒しましょう」


 『みんな』で、ここ大事な部分だから強く言う。そういうと、ザーハックさんは立ち上がり、そうだな、といいながら武器を構える。ジークさんも武器を構える。


 後ろにはリーフィスさんは端に本が付いた杖を持っている。

 

 よくアニメでみるやつだ。実際に見るのは初めてな気がする。


 グーファーさんには、リーフィスさんを守るために、今回は後衛をお願いしている。


 すると、ドミニデスは手を叩く。


「『ハウリングフィアー』!」


 僕たちの魔法攻撃力と魔法防御力が10%下がってしまう。


 先手を打たれた。範囲が広いので避けるのも難しい。


 橘さんの言っていた通り、デパフを付与するのが得意なようだ。


 僕はみんなに指示を仰ぐ。


「みんな散り散りになって攻撃を仕掛けましょう。

 まとまっていたら、危ないかもしれません。橘さん、援護お願いします」


「了解した」


 僕とジークさんはドミニデスに突っ込む。


 橘さんは『グランドウェーブ』で砂の波を作り僕たちはそれに乗る。


 そのおかげで移動が楽になり早い。橘さんは複数の砂の波を器用に操っている。


 ドミニデスが僕に攻撃を仕掛けてきても、高い技術のおかげで軌道を変え避けてくれる。


 僕が攻撃を避けた後に、続いてジークさんが攻撃をする。初めてやったけど、うまくいっているようす。


 僕は左側からジークさんは右側からそして、砂の波はドミニデスの真正面を捉え、三方向から攻撃を仕掛けようとする。


 ドミニデスは余裕のある表情を浮かべ、


「いいコンビネーションだ。橘の砂を操る精度も高い。だが、そこまで脅威でない。そんなんじゃあ、俺を倒す事はできんぞ」


 そういうと、ドミニデスはジークさんの方を向く。


 真正面と砂の波と僕は無視するつもりか?


「まずはお前からだ、『ブレイククロー』!」

「お前のその選択は間違いだ!」


 ジークさんはそういうとスキル、『アクセル』を使用する。


 アクセルは、一分間自身に加速状態を付与することができる、基本補助スキルの一つだ。


 素早さ上昇と加速状態の違いは、素早さは単純に歩く動作や走る動作が速くなるのだが、加速状態は体が軽くなり、少しの距離なら一瞬で移動できるらしい。


 さらに空中を蹴り続ける事で、空も移動できるらしい。


 ここまで聞くと、加速状態は素早さ上昇の上位互換のように思えるが、そうともいいきれない。


 素早さ上昇はバフ扱いで、加速状態は状態異常扱いなので、状態異常を治すアイテムやスキルを使ってしまうと解除されてしまう。


 特殊バフのように見えるが、何故か状態異常として扱われる。


 他にも、一般的に特殊バフとして扱われるものでもこのゲームでは状態異常として扱われているものがある。


 ジークさんは加速状態を得て空高く飛び上がる。


 ドミニデスはジークさんを目で追うが、目の前にはザーハックさんが攻撃を仕掛けていた。


「隙だらけだ! 『燼滅じんめつ紅牙こうが』!


 ザーハックさんの攻撃を受けるドミニデス。


 それに続くように、僕は右足を攻撃をし、橘さんの『グランドウェーブ』でドミニデスを拘束することができた。


 だが、ダメージは300程度しかなかった。

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