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追憶の電脳世界〜エタニティ・ドリーム・ワールド〜  作者: 夢達磨
第二章 王国奪還編

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第35話 月の恩寵

挿絵(By みてみん)


※ヒロ視点


 ここは、王国内の中心部にある憩いの場。


 以前遊びに来た時には人で溢れて、賑やかな場所だったのに。


 今では閑散している。


 国民たちは、ドミニデスが行方をくらましたって言ってたから、無事であることを願う。


 そんなことを思いながら進んでいると、


「『獅子しし炎陣えんじん』! はぁぁぁっ!」


 声がする方へ向かうと、ザーハックさんがスキルを使用しているのが見えた。


 対戦相手は……ドミニデスだ!


 獅子炎陣は自分の物理攻撃力と物理防御力を一分間、10%ずつ上昇させ、火属性の威力を20上昇させる、火属性のアクティブスキルの一つ。


 でも、10%上がっただけでは、ドミニデスのステータスには到底及ばない。どうしよう。


 行くべきかな? 行ったところで邪魔になるだけだろうし……。


 ザーハックさんは鎌を振り下ろす。ドミニデスは軽々と避ける。


「『ハウリングフィアー』!」


 ザーハックさんはハウリングフィアーの効果を受ける。


 まずい! さっき私が受けたコンボだ!


 ドミニデスは続けて、


「『毒祭どくさい』!」


 ザーハックさんは武器を盾にするが、ドミニデスの力が強すぎて吹き飛ばされる。


「ぐっっ! ぐはっ。これは……毒か。厄介だな」


 ドミニデスの攻撃の手は緩まない。


「まだまだぁ! 『傷悪しょうあく』!」


 鉤爪から、黒い影が浮かび上がりザーハックさんを引き裂いた。


 攻撃が命中すると、ドミニデスに回復効果のエフェクトが発動した。


 あのアクティブスキルには回復効果があるようだ。


 ダメージを負ったザーハックさんは、その場に膝をつく。


「くっ。はぁ。はぁ。聞いてた以上の強さだ。だが、面白い。暴れがいがありそうだ」


「ガッハハハ! いいぞぉ! 立て! 戦え! そして、俺に支配されろぉ! とっておきを見せてやろう。瞬きするなよ」


 このままだとザーハックさんが危ない。


 私は回復アイテムを取り出し、ザーハックさんに駆け寄ろうとした。が、ドミニデスのアクティブスキルの発動の方が早かった。


「俺のとっておきのスキルだ。『盗星とうせい』!」


 黒い影のエフェクトが、ザーハックさんの胸を貫く。


「!? 何をした?」


 ザーハックさんの疑問にドミニデスは高々と笑いながら。


「『盗星』は補助スキルだからな。ダメージはない。だが、お前のレベルを見てみろ。何か気づかないか?」


「な!? 俺のレベルが……下がっている!? レベルを下げるスキルというのか!?」


「レベルを下げるだけじゃない。こいつは、相手のレベルを一つ奪うスキルだ。

 CTが十分もあるがな。これを続ければ、いずれ俺とお前のレベル差もひらいてきて、お前はどんどん不利になる」


 あれが、さっきドミニデスが言っていた、とっておきのアクティブスキル、『盗星』。なのか。


 恐ろしいスキルだ。あんなのを十分に一度使えるとかおかしすぎる。本当に【恩寵】ってなんなの。

 

 私は居ても立ってもいられず、ザーハックさんに駆け寄り、回復アイテムを手渡した。


「ザーハックさん。大丈夫ですか? これ、回復アイテムです。使って下さい。毒も回復できます。二人で戦いましょう」


「回復アイテムは助かるな。すまない、頂こう。お前さんは、ルナ王女の所に行ってやってくれ。

 様子がおかしかったから心配だ。ここは俺が時間を稼ぐ。頼んだぞ」


 ザーハックさんは、回復アイテムを受け取ると、すぐに使用し、そう私に告げた。


「分かりました。死なないで下さいね。約束ですよ」


「あぁ。約束だ」


 私はザーハックさんと約束をして、ルナちゃんがいたという場所に向かった。




「え? る、ルナちゃん……?」


 顔や服装で判断したのだけど、見違えるほど変わったルナちゃんがそこにいた。


 髪色が、月のように綺麗で明るい色に変色している。


 ルナちゃんの背後から、黄金に輝く弓を持った美しい女神のような女性が見える。まさか、ルナちゃんのスタンド能力!?


 周りには知らない二人の男が倒れていた。


 ルナちゃんがやったのかな? ステータスをみてみると、『ジュラ』と『デリシャス』と書いてある。


 ギルド名を見る限り、ドミニデスの残りの幹部的な二人と思う。


 私は、ルナちゃんに声をかけながら近づく。


「ルナちゃーん! ユナちゃんとグーファーさんは? ルナちゃんにこんな力があったなんて知らなかったよ。強いんだね」


 すると、ルナちゃんは私を見るなり、スキルを使用した。


「『月の女神アルテミス・の裁きのジャッジメント


 背後にいる弓を持った女性が空中に光のエネルギーを貯める。


 え? これって私に攻撃を仕掛けてきてるの? 


 戸惑っているうちに、チャージが完了したみたいだ。


 集まった光を光線に変え、攻撃対象である私にむかって発射する。


 私は急いでスキル、『スパイラルマジック』を使用して光の光線にぶつけた。が、私は押し負けてしまい、吹き飛んだ。


 ゆっくりと体を起こしルナちゃんのステータスを確認する。


特殊スキル

月の恩寵


① 自分のMP、物理防御力、魔法防御力を50%上昇し、HP継続回復効果を得る。

② 光属性攻撃が強力なものになる。光属性スキルの威力が2倍になり、光属性の属性ダメージを0にする。

③ 発動中、特殊なスキルが使用可能になる。



 支配の恩寵の次は、月の恩寵!? ルナちゃんも恩寵を持っていたんだ。ステータスの伸びがおかしいよ……。


 これでみんなやられたのかな? 光属性の属性ダメージ0にするって私の、『煌めく星』が効かないってことかな? それってメタじゃん……。


 さっきの攻撃で私は、右足を怪我をしてしまったようだ。


 それにしても重い一撃だった。痛みを我慢しながらルナちゃんを呼びかける。


「ルナちゃん。私だよ! ヒロだよ! 元に戻って!」


 私の声は届いてないのか反応がない。すると後ろから、男の声が聞こえてきた。


「さっきはよくも……。さぁ、第二ラウンドといこうぜ」


 あれは、デリシャス。職業はパラディン。レベルは25。ドミニデスのあとだと低く見える。


 もう一人の男も立ち上がる。ジュラはウィザードのレベル24。

 

 二対一だと部が悪い。ルナちゃんも恩寵とやらで私にも攻撃を仕掛けてくる。注意しなきゃいけない。


「『月の女神アルテミス・金矢ゴールドアロー


 黄金に輝く矢が二人に襲う。二人は避け、ルナちゃんに近づいていく。私はルナちゃんの前に立ち、


「『煌めく星』!」


 攻撃は二人に命中する。

 

 怯みながらも体制を整え、ジュラは魔法スキルを唱える。


「『ファイヤーボール』」


 『ファイヤーボール』とかこの世界で初めてみた。やっぱり使いたくなるよね。


 スキルレベルが高いのか、かなり威力が高い。


 ルナちゃんも『月の女神の金矢』で攻撃を開始した。が、『ファイヤーボール』はぶつかり合うことなく、通り過ぎて、ルナちゃんに直撃した。


「ルナちゃん! ごめんね。大丈夫?」


 ルナちゃんは立ち上がる。


 すると突如、体を纏っていた光が拡散し、倒れてしまった。


 背後にいた女性の姿もなくなった。髪色も元の綺麗な藍色に戻っていた。

 

 私はルナちゃんを守ろうと二人に攻撃を仕掛ける。


「『煌めく星』!」


 攻撃は命中。しかし、向こうも諦めずにまた、『ファイヤーボール』を飛ばしてきた。


 私はルナちゃんを庇い背中に命中した。


 気絶しているルナちゃんを抱え、私は安全な場所まで避難しようと考えた。


 しかし、足に激痛がはしり、うまく歩けない。


 ルナちゃんに残り最後の回復アイテムを使用する。HPは回復したけど、目は覚まさない。  


「ごめんね。ルナちゃん。ルナちゃんたちは私の命に代えても必ず守るから。

 あーあ。デスペナルティ受けたあと、どんな顔をして、みんなに会えばいいのか分かんないよ。……それに、トワ君ごめんね。もう体がもたないや」


 背中が熱くなった。多分、ファイヤーボールが飛んできているのだろう。

 

 大きな爆発が起こったあと、何か懐かしい風景が浮かび上がってくる。


 これが走馬灯か。薄れていく意識の中、誰かが私を呼ぶ声が聞こえた気がしたが、そのまま私は気を失った。

ヒロサイドはこれで終わりです♪次回からはトワサイドに戻ります(´∀`)

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