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追憶の電脳世界〜エタニティ・ドリーム・ワールド〜  作者: 夢達磨
第一章 人工大陸アーティダル ウガルンダ編
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第3話 初めての世界、初めてのログインボーナス

挿絵(By みてみん)


 目を開けるとそこには、現実では見る事が出来ないような建物や、光景が広がっていた。

 

 僕は興奮のあまり周りをキョロキョロと見渡す。そこには杖を持った人や弓を担いでいる人もいた。


「おぉ! すげぇ! 本当にゲームの世界じゃん! ファンタジーって感じ! 海が近いのかな? 塩の香りもする」


 僕はテンションが上がってはしゃいでいて周りが見えておらず、右手が何かに当たってしまった。


「いってぇなぁ、何すんだ兄ちゃん! 喧嘩売ってんのか!」


 頭に紫色のトサカが生えているかのような、いかついお兄さんだった。


「すみません! 今日が初ログインで、ついはしゃいでました! 気をつけます」


「ログイン? なんじゃそりゃ、意味は分からんが気をつけろよ!」


「はい……申し訳ございませんでした……」


 ゲームの世界に来たので、テンションが上がっていたが、怒られて落ち着きを取り戻す。


「ビーヒャヒャヒャー、ログインして速攻怒られてるんですけどー! ちょーうけるんですけどー!『check tok(チェックトック)』に投稿しよー!」


 どこからか馬鹿にしたような笑い声と声が聞こえた。


 聞こえた方向へ振り向くとそこには、エタニティドリームワールドの5体いる、マスコットキャラクターの1体で、蜂がモチーフの『ハニポン』がいた。

 

 ハニポンは全体的に茶色がかった色をしており、右頭部にピンクのリボンを着けている。

 そして赤が強い、ピンクの口紅をしている毒舌ツンデレギャルである。


「あの……勝手に『check tok』に投稿しようとするの辞めてもらえます……?勘弁してほしいんですけど……」


「ビーヒャヒャヒャーはーおかしっ! 引き攣ってて面白い顔だったわー傑作ですわー! ヒャーヒャヒャ、ゲッホゲホ」


 殴りたい……。しかし、なんなんだその笑い方は。話題を変えよう。


 ゲームをやっていた頃の記憶を辿り、ハニポンに質問をする。


「ねぇ、ハニポン。前のゲームだとまず初めに冒険者登録しにギルド会館に行くんだよね?」


「あーうん」


「それで、冒険者登録した数日後に、ラスボスの『暗獄神エレボタロス』の、最高幹部の一人が街に攻めてきて、お姫様を連れ去るじゃん?」


「へぇ、そうなんだぁ」


「それで、慌てた王様が緊急クエストとして、プレイヤーに助けを求めて、プレイヤー同士でパーティーを組んだり、NPCと共に暗獄神エレボタロスを討伐しに行くんだよね?」


 雑に省略はしたが、最初の冒頭はこんな感じだ。すると笑い終わったハニポンは不思議そうな顔でこっちを見て言った。


「え? 暗獄神エレボなんだって? なにそれ? あーし何も聞いてないんだけど? ここ街だし……王様いないよ? 何ちゃっかり妄想膨らませてんの? 厨二病拗らせすぎなんですけどー。ビーヒャヒャヒャ」


「あ、あれー? おっかしーなー? じゃあ何を倒したらゲームクリアなの? ラスボスだったじゃん……? じゃ、じゃあ、何をすればいいのさ」


「ギルド会館に行って『クエストボート』があるから、そこに行ってクエストを受けてお金稼ぎすればー? ていうかー、いつまでここにいんのぉ? 暑いんですけどー? 日焼けするんですけどぉ? 太陽サンサンなんですけどぉ? レディに対して対応がなってないんじゃないのー?」


 僕はイラッとしたので近くにあった、品揃えが良さそうな雑貨屋に行く。


「すみませーん、この店で強い蜂駆除用の殺虫スプレー下さい」


「あ、謝るからそれだけは許して、羽が冷えたら力出なくなるから……。許してほしいんすけど……あーし死んじゃう」


 悲しそうな目でハニポンがこちらを見つめる。流石にやりすぎたと思いながらも、殺虫スプレーを購入する。


 元々、所持金10000ドリーと書いてあったカードが、今では所持金が8500Dと記載されている。こんな風に減っていくのか。


「何、ちゃっかり購入してんの? 脅しのつもり……?」


「それもあるけど、このカードでどうやって買い物するんだろうって思ってね。まあ実際に買えたわけだし、良しとしよう」


「よくないっしょ! 早く捨ててよ! 買うなら他にあったでしょ!? 怖いんですけど!?」


「なら、ちゃんと案内して欲しいな、前とは少し違うみたいだし、ゲームの世界初めてだし」


「レディを脅すなんて最低ぃ! このろくでなし!」


 僕の言葉にハニポンはそんな言葉を吐いた。僕はそれを聞き流すと、ハニポンは少し考えて話を続ける。


「んじゃあぁ、まずはーギルド会館に行ってぇー冒険者登録を済ましちゃお。んで、実際に戦闘に行くこれでおけぇー?」


 そう言うと僕はやっとゲームの世界に来た実感が湧いた。


「うん! それで行こう! 案内よろしくね、ハニポン」


 僕とハニポンは冒険者登録をするために、ギルド会館へと向かうその道中


_________



「そーいえば、あんた、ギフトボックスの中身は確認したのぉー? その中に『新人冒険者応援パック』ってあるでしょ?

 それらの武器と防具貰って『ゲームパッド』から装備しときなぁ、何も装備してないよりかはましっしょ」


 ハニポンに言われるがまま、僕はゲームパッドの白いボタンを押すと。


《ログインボーナス1日目! アイテムゲット! ギフトボックスからお受け取り下さい》


《特別ログインボーナス! 冒険者応援キャンペーン!ギフトボックスからお受け取りください》


 ボタンを押して進めるとギフトボックスのマークがあるのを確認しタッチする。


『受け取り』と『一括受け取り』がある事を確認。一括受け取りを選択すると、以下のアイテムを受け取りました。の文字の後に受け取ったアイテム欄が出てきた。


 通常ログインボーナス

 1万ドリー


 特別ログインボーナス『新人冒険者応援キャンペーン1日目』のアイテムです。

 10万ドリー

 夢石×1万P

 各属性の手形各種10個ずつ

 各属性の石板各種5個ずつ

 回復薬10本

 1万ジュエル

 レア度4武器交換チケット

 エナジードリンク3種類1つずつ


 最初のログインボーナスでこんなにアイテムをもらってもいいのだろうか。

 

 夢石ドリームストーンは、武器や防具などを強化できるポイントで、手形と石板は武器や防具の進化素材となっている。めんどくさいからプレイヤーは夢石ゆめいしと普通に読んでいる人もいる。


 エナジードリンク系のアイテムは、使用すると攻撃力や防御力などが30分間UPあるドリンクだ。

 

 このゲームの武器や防具などのレアリティは、最大レア度7なので、4の武器は中盤くらいまでは最前線で戦えるのでなかなか太っ腹な運営だ。


「これはなかなか凄いね……」


「でしょぉー? これでログインボーナスは受け取ったわねぇ。

 最初の装備枠は1つだけだからチケット交換したらぁ? そこら辺の雑魚相手だったら余裕っしょ!」


「確かに余裕かもしれないけど、まだ交換はしないでおくよ。色んな武器を使ってみて、気に入った武器があれば、それと交換する事にするから」


「ふーん、まあ勝手にすればぁー? 職業ナイトなのに、剣とか斧じゃなくていいんだぁ。まあ職業変えればいいだけだけどさぁ」


 ゲームパッドの装備画面を選び僕は最初からある装備を装備する。

装備枠1

武器 旅立ちの剣

頭 旅立ちの羽飾り

体 旅立ちの服

脚 旅立ちの靴

装飾品 なし

ステータス


名前 TOWA

職業ナイトレベル 1

HP 500

MP 50

物攻 55

物防 55

魔攻 50

魔防 55

素早さ 30

次のレベルまであと100

スキルなし


「ステータスが5しか上がってない。最初だから弱いな。最初の武器でも100とか上がってなかったかな?」


「リメイクする時に、仕様変更してステータスは分かりやすいような数値になったんだよねぇ。

 中途半端な数字もないから、基本5の倍数で上がると思ってもらって構わないよぉ。

 前は攻撃力10万とかいってたけど、この仕様になってからは多分行かないと思うよぉ」


「そうなんだ、まあそっちの方が分かりやすくていいんだろうな、これでよし! ギルド会館で冒険者登録だ!」


 こうして僕はハニポンの案内でギルド会館へ向かった。

ブクマや評価ポイントありがとうございます!

これからも頑張って参りますので応援よろしくお願いします♪

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