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追憶の電脳世界〜エタニティ・ドリーム・ワールド〜  作者: 夢達磨
第四章 光の巫女・始動編

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第101話 絶対零度の女王


 僕は一人寄り道して、コロンちゃんたちに挨拶を済ませ、ギルド会館へと向かっていた。


 そう、今日はアーティダル大陸を離れ、『祝福の大陸プレイシス』に向かうのだ。各々準備をしてギルド会館に集合することになっている。


 まあ、忘れ物とかしてもゲーム時代通りだったら、ギルドハウスにジャンプしたり、ギルド会館から支部を選択すれば、大陸を越えたワープができるので問題はないとは思う。


 しかし、ゲームとは違うところも複数あるので念のためだ。

 

 ギルドハウスのジャンプ機能だと片道になってしまう。往復するためには、プレイシス大陸にもギルドハウスを購入しないといけない。


 そんなこんなでギルド会館に着いた僕はゆっくりと扉を開けて、そこにいたみんなに挨拶を交わす。

 

「皆さんこんにちは。航海日和で良かったです」


「トワ君、おっはよー! 楽しみだね!」


「ヒロさんこんにちは。はい! ワクワクします」


 ヒロさんに個人的な挨拶をしていると、リーフィスさんとルナさんたちもやってきた。


 ジークさんたちはユナちゃんとお別れの挨拶をしてきたらしい。少し離れ離れになるけど、母上や父上の言うことを聞くんだぞっと。


「みんな揃いましたので行きましょうか。ではメルさん、少しの間お別れになります。お元気で! マリーさんにもよろしくお伝えください」


「はい。トワさん。皆様! 行ってらっしゃいませ! マリーさんにもお伝えしておきますね。良い旅を!」


「メルさん行ってきまーす! バイバーイ!」


「行って参りますわ」

「行ってきます」

「失礼します」


 僕たちが外に出るまでメルさんは笑顔で手を振りつづけた。


 

 外に出て太陽の日差しを浴びていると、目の前から見知らぬ声が聞こえた。


「よーやく出てきたね! ギルド、永遠の絆!」


 その声の持ち主は両手を腰に当て、自信ありげなドヤ顔をして立っていた。


 なんだろう……デジャヴを感じる。

 

 その人はモジモジしながら話を続ける。


「話は聞かせてもらった! 今からプレイシスに行くんでしょ! その旅に私も同行していいかな!?」


 彼女は気持ちが上がったのか前のめりになっている。

 僕はその女性に問いかける。


「どうしてそれを? それに君は?」


 背中から白色の杖をチラチラさせているその女性はその場に固まる。そして、笑顔を見せてマントを大きく広げ、名を名乗る。


「よくぞ聞いてくれました! 我が名はゼロ! 氷魔法を愛し、氷魔法に愛された者! そして、みなは私をこう呼ぶ! 『クイーン・オブ・アブソリュート・ゼロ』……と!」


 いきなり絡んできた女性は厨二病のようだ。直訳すると、絶対零度の女王ってところか。


 ゼロさんはプラチナのような綺麗な白銀の瞳。高い位置から絹糸のような白色のポニーテールを垂れ流している女性だ。


 身長はだいたい170センチくらい? 年齢もヒロさんと同い年くらいのお姉さんって感じだ。


「えーっと、ゼロさんですね。どこで僕たちの話を聞いてたんですか?」


「そう! 昨日の決勝戦のあと、皆さんがギルド会館で話をしていたのを聞いていたのです!」


 僕と橘さんの話を聞かれていたのか。どうしてこの人は僕たちと一緒に行きたがっているのだろうか。分からない。


「トワ君の知り合い?」

「いえ、そういうわけではないのですが……」


 ヒロさんの言葉に返事をした。ゼロさんは熱い眼差しのまま語った。もちろん始終厨二言葉で。



 彼女は昨日のギルド対抗戦を見て僕たちのファンになったらしい。

 ゼロさんはプレイヤーで、このゲームはプレイ済みだが、最初の方で辞めてしまったらしい。


 辞めた理由はフレンドが出来ず、ストーリーの攻略が出来なかったらからという。


 雰囲気は好きなゲームだったから、またエタドリを買ったみたい。そしたらログアウトできずにいて、不安だから一緒に行きたいということらしい。


 レベルも32と高レベルで、装備もきちんと揃えている。氷属性を愛すると言ってた通り、スキルも氷属性強化だったり、氷魔法のクールタイムを軽減するスキルを持つ装備をしていて、スキルの構築などからとても初心者には見えない。



 ヒロさんと意気投合して話している間に、僕はゼロさんの事をみんなに相談した。


 悪い人でなければ行動するのは構わないとのことで、こうして僕たちは一緒にプレイシスに向かうことになった。

第四章「光の巫女・始動編」の開幕です!


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