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冬から春への俳句

作者: まのやちお

 寒空(さむぞら)を 鬼も逃げおる 父の声


 節分の豆まき、やりましたか?

 我が家は毎年やってました。

 豆をまくのは家長(かちょう)の役目──ということで、毎年、節分の夜になると父の掛け声が家中に響く……いや、(とどろ)くのです。

『鬼は外! 福はうち!』

 子ども心に、太くてよく(とお)る父の声が自慢でした。

 少し大きくなって知恵が付いてくると“恥ずかしい”という気持ちも出てきました。だって近所の他の家からは豆まきの声がぜんぜん聞こえてこないのですから。


 父が倒れて、なぜか私が豆まきをすることになりました。

 母の駄目出しがビシバシ飛んできます。

「もっと大きな声で!」「ほらっ、恥ずかしがらない!」

 ふと、家長(かちょう)の役目なら母がやったほうが良いのではないかと思い、そう言うと。

「嫌よ、そんな恥ずかしい」

 ──って、お母さん……。





 我の名を忘れし父の(せき)かなし


 冬の闇 窓に迷子の我を見る


 寒風(かんぷう)(うな)るマフラー 夜を()


 梅が()心踊(こころおど)るな 天邪鬼(あまのじゃく)



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