表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
F/A フリーダム/アドベンチャー  作者: 流都
第四話 頂点者達
99/123

15th ACTION 成るべくして(二人の出会い)

「リープと一緒にやってきたからそんな事じゃないかと思ったけど、そのまんまだったな」


 リカルとアリシア、二人の会話を見ながらロックがぽつりと言葉をこぼす。

 

 市街での戦闘の後ロックを船までおぶってきたリープは、そのままリカルの頼みでギルドオフィスに向かっていた。CAとの戦闘やロックの負傷などのゴタゴタのせいで目的である同行者の確認と募集の取り消しがまだ済んでいないからだった。


 リカルの頼みを引き受けたリープがオフィスにやってくると、そこにはすでに先客がいた。アリシアである。

 彼女はオフィスの掲示板端末を操作しながらディスプレイに現れる文字の列とにらめっこをしていた。さっき別れたばかりなのによくまあ精力的に行動しているなと変に感心しながらリープは職員のいるカウンターへ足を向ける。


「L・D・Cリーダーの代理で来た。同行者募集の受付を解除したいので処理を頼む」


 カウンターに座っていた職員から来場目的を尋ねられたので、リープはチームの認識コードを見せてから目的を告げた。そのやり取りが偶然耳に入ってきて驚いたアリシアは、普段の彼女からは考えられないような素っ頓狂な声を張り上げ、その声に驚いた二人の元へ猛然と近づいていった。


「あっ、あの、リーンカーラさんのハンターチームの関係者の方ですか?」

「お、おう。そうだけど?」


 リープとギルド職員の間に割って入るとリープに向かって質問をするアリシア。彼女の勢いに少し戸惑いながらもリープはアリシアの質問に答えた。

 その返答を聞くや否や、アリシアはリープの手を取ると勢いをかけて大きく上下にブンブンと振り出した。


「お願いします!リーンカーラさんのいる所へ連れて行ってください!会ってお話ししたいのです!!」

「ちょっと待て、ちょっとは落ち着け!会いたいってんなら会わせない事も無いけど、まずそっちが会いたがっている理由を教えておくれよ。リンちゃん、会ってはくれるがあんまり長話するほど暇じゃないぞ?」


 リープに理由を尋ねられた時、最初アリシアはそれを口にするのをためらっていた。それは彼女にやましいところがあるからではなく、関係者とはいえリープに話していいものか迷いがあったためである。


 リープも彼女の様子を見ていて、自分が値踏みをされている事に気が付くとどうにも気分が良くなかったが、このままだんまりを続けられてこの場に足止めされるわけにもいかなかったので、頭を軽く振ると仕方が無いとばかりに腰に両手を当てて胸を軽く反らすと改めてアリシアの顔を上から軽く見下ろした。


「しょうがねえなぁ。来なよ、案内してやっから。ただし揉め事だけは持ってくるなよ」


 リープの言葉を聞くと、アリシアは嬉しさと気まずさの混ざった表情をしながらリープに対して頭を下げた。

 礼儀は正しいのに人の事を値踏みするとか何気に失礼な事をするあたり、この子も冒険者なんだなとリープは思い、年端もいかない子供がこんな事していかないと生きていけないこんな時代はやってられないなと彼女は表情に表すことはせずに、目の前の少女を見ながら嫌な気持ちを隠していった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ