11th ACTION 狂宴は続く (結晶燃料レフステル)
レフステルは遺跡内で発見させる結晶で、色のついた透明な水晶のような形をしている。
この水晶は大規模な遺跡の中にある施設で生み出される物で、地熱や太陽光などの自然から得ることが出来る力を凝縮、結晶化することで膨大なエネルギーを内包させたエネルギー結晶体である。
遺跡のガーディアン達も駆動機関の燃料として体内にこの結晶を搭載しており、彼らを破壊した際に飛び散る結晶は、まだ使用できるものは手に入れた冒険者がそのまま使用したり、燃料として高値で取引される。またエネルギーが無くなっている物や、爆発の影響で結晶が砕けて使用が出来なくなった物でも造幣所がそれをチップ状に加工して、この世界の通貨として社会に流通していく。
結晶には赤・黄・緑・青・紫の五色があり、結晶の大きさ、色によって持っているエネルギー総量や、発生できる力が変わってくる。
レフステルに特定のレーザー波を照射することで内部に溜められているエネルギーを放出させる事が出来る。この特性を利用して、レフステルから取り出したエネルギーを動力として動く機関をマテリアルエンジンと呼ぶ。
このエンジンが時間当たりで作り出せるエネルギー量は、共に社会で使用されている太陽光で動く光波エンジン以上のもので、一般社会での主な用途としては、大きな都市の電力として発電施設として使用されている。
そして冒険者たちは、マテリアルエンジンをRWやCA、船など様々なマシンの動力として使用している。
光がある限り力を得ることが出来る半永久機関の光波エンジンと違い、中身のエネルギーが尽きてしまえば使えなくなるといった欠点はあるが、大容量のエネルギーを扱え、場所を選ぶことなく運用でき、さらにエンジン、燃料ともに機体が大破しない限りは、外部からの衝撃では壊れにくいため、その信頼度はとても高い。
そしてこの信頼度の高さゆえに、リープがリカルの提案にやや否定的な態度をとっていた。それは「壊れにくい」ということは「壊しにくい」ということである。
そう、壊しにくいのだ。
整備の都合上、エンジンルームはCAの外側に近い部分にあるが、その分エンジン回りはとにかく頑丈な作りで、特にレフステルは単純な力押しでは破壊することも困難な代物である。よほど有効な手段を持っていない限り、ここを破壊しようと考えつくとこが出来無いのだ。