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疲れていたんです。

導入です。

私は疲れていた。


昔から男っぽい顔立ちがコンプレックスで、開き直って男子共とバカ騒ぎしていくうちに、性格や好みまで男らしくなったらしい。



高校時代に工場見学で見た輸送業に憧れ、女だてらにトラックの運転手となった。


職場の風当たりは強く、また運転の時間も厳しく取り締まられるようになり、時間ギリギリまで、しかし絶対にオーバーしないように働かされ、余計にピリピリした雰囲気となっていた。



もちろん運転がメインなので、人と接する時間は他の仕事よりは短いのだろうが、

その分短時間で押し寄せる上、運転で体力も消耗した状態でのそれは神経をすり減らさずにはいられなかった。




おまけにこの日は輸送の時間が大幅に変更され、体調の管理も追いつかなかった。



現時刻10時50分


輸送先までにはあと30分ぐらいだろうか。



このあたりは都心から外れているのもあり、静かで暗かった。


急な時間変更によって睡眠があまり取れなかった。



ほんの少しだけだが、瞼を閉じてしまった。



気が付いたら信号の目の前まで来ていて、慌てて確認する。


青信号だ。


ならそのまま進んでいいな



そう思ったのも束の間、少し先で動く影。




人だった。



スーツ姿で力なさげに歩く男の姿が、はっきりと見えた。


恐らく彼も疲れていたのであろう



中学高校スポーツに打ち込んでいた事もあって、瞬発力には自信があった。


考えるより先に体が動く。


目いっぱいにブレーキを踏み込みながら、クラクションを鳴らす。



だが、気づくのが遅すぎた。



ドゴ、そんな鈍いいやな音が聞こえた。



跳 ね て し ま っ た



目の前が真っ暗になった。


昔ポ○モンでそんな言葉を何度も見たが、実際に体験するのは初めてだな。





あれ、何か変だ。


今までに味わった事の無いような頭痛がする。


いや、似たようなものならある。


たしか昔、押し入れの中で立って頭をぶつけた時だ。懐かしいな。



あれ?手に力が入らない。


というよりも動けない。


目の前が真っ暗だが、果たして自分は目を開けているのか?閉じているのか?


頬を何かが伝う


私は泣いているのか?


人を跳ねたら泣きたくもなるか。


こういう時って頭がやけに回るな。




次第に、視界が戻ってきた。


信号が、見える。


歩道のやつだ。


今、赤から青に変わった。



あ、もしかして、トラックが止まっているのか。


どうして?


相変わらず体は動かない。


頭痛に加え、首にも鋭い痛みが走っていることにようやく気がつく。


あれ?あれ?あれ?


暗くてよく見えないが、私がもたれているのはハンドルだろうか。


そこに、赤い艶のある黒っぽい液体がべっとりと付いている。



もしかして、いや、そんなことは無い。あるはずない。絶対に。



声も出ない。



考えるより先に理解する。


視界が歪む。


今度は間違いなく涙が頬を伝う。




これ、死んだな。




どうしよう、お母さんどう思うかな。


運転時間もそろそろオーバーしちゃうかも、いや、それは気にしてる場合じゃないか。


私はまだ26なのに。


付き合った事すら無いのに。



何にも、無かったな。




今まで体験した事が目まぐるしく思い起こされる。


これが走馬灯か。


そう思って少しして、また、目の前が暗くなっていった。




導入だけで2話とか長すぎィ!


描写が楽しくてつい濃くしてしまった。

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