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第70話 反撃開始!

本来であればそれは悪手だ。

魔物を喰い回復しながら成長する戦鬼と無限に魔物が沸くモンスターハウス。

そこに籠ると言うのは戦鬼を倒せるのならば悪い選択ではない。

だがダメージも既に殆ど与えられないくらい強化された戦鬼にいつまで籠城が持つのかは分からない。

既に食べた魔物のスキルを獲得し使い始める戦鬼がメールの結界を破壊出来るようになるまでそれほど時間は無いのだ。

きっと多くの冒険者はそう考えるだろう。


「お願い、タツヤ…私のヒーロー」


フーカの柔らかい唇の感触にゴンザレス太郎は目を覚ます。

既にメールの結界は戦鬼の攻撃で半分程が瞬時に破壊され直ぐにメールが修復する不利ないたちごっこが続いていた。

死んでいる魔物が居ないため戦鬼は彼等を標的にしてきているのだ!


「ジルさん!」


飛び起きたゴンザレス太郎はジルに横穴を掘り別の場所に出口を作るように頼む。

そして、そこからモンスターハウスの魔物をゴンザレス太郎の指示で次々に魔法で撃ち抜いていく!


「ランススパーク!」

「アイスクラッシュ!」


ジルは雷系、フーカは氷系の魔法で次々と魔物を倒して行く。

ジルはともかくフーカは攻撃魔法を覚えたばかりで精度はそれほど高くない、だが二人ともゴンザレス太郎の指示で神力を多目に消費するが着弾後広範囲に被害を広げる系統の魔法を使用しているので次々と魔物を撃破していく…

倒した魔物は既に体長8メートル程に成長した戦鬼が腕を伸ばし直ぐに捕獲して口に運び喰らう。

まず異変に気付いたのは魔法を使い慣れてたジルであった。


「神力が減ってない?!」


神力の消費の激しい広範囲魔法を連続して放っていれば貯めている神力の残量はいくら魔物を倒して増やしても足し引きマイナスで残量は減少していく。

攻撃魔法での攻撃をメインに扱うジルだからこそその残量には常に気を配っているのが普通なのだ。

なのに魔法を幾ら使用しても神力の残量は減らず倒した魔物の分だけ増えていくのだ!?


これがゴンザレス太郎の打ち込んだコードの一つ『弾無限』の効果であった!

これは飛び道具に限らず遠距離を攻撃できて何かが減少するものの減少を無かったことにするチートコードであった。


「これなら…」


ジルが何かを考えている頃にフーカも異変に気付いた。


「戦鬼のHPが減ってきてる!?」


それは反撃の兆しであった。

次回作で書こうと思ってる話が2つあってどちらにするか決めかねてます(笑)

えっ?これをちゃんと書け?

大丈夫!完結してから書く予定ですから(笑)

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