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第49話 早すぎる接近

「手を貸すのは構わないです。ただこちらは貴方の事を知りません、どちら様ですか?」


マコトが妙に親しくしておりこの場に居る全員が一目置いててギルドマスターすらもその男の言動を意識している。

その様子から予想はしていたが…


「これはすまなかった。俺は盾極のデニム。Sランク冒険者だ」


やはり世界に5人しかいないとされてるSランク冒険者であった。

デニムと名乗ったその男は7歳でしかない少年少女の二人にも敬意を持った話し方をしてくる。

やはりSランクともなるとかの宮本武蔵の様に常にどんな相手でもどんな時でも警戒を怠らないのであろう。

頭を下げつつも全く隙がない。


「これは失礼しました。僕の名前はゴンザレス太郎、こっちはフーカです。」

「うん?ゴン?」

「長いんでゴン太でいいですよ」

「あぁ分かっ…」


その時会議室に一人の職員が飛び込んできた!


「大変です!迂回してくると思っていたマラナ渓谷を真っ直ぐに対象は進んできてます!このままですと約10分程でここに到達します!」


その言葉に一同は驚愕した。

マラナ渓谷と言えばこの町から徒歩で5時間は掛かる場所なのにも関わらず職員は約10分と言ったのだ。

しかもあそこは人参ワイバーン以外にも集団で狩りをする吸血胡瓜コウモリや恐ろしいクチバシで岩にすら簡単に穴を開ける蓮根キツツキ、知性を持つ大根ガーゴイルと同ランクの魔物でも逃げ出す危険地帯なのにだ。


「全員、計画した通りのフォーメーションに直ぐ着くぞ!」


冒険者達は急いで町の外に出てデニムの指示通りのポジションに着く。


「全属性障壁展開!物理半減障壁展開!多重結界障壁展開!」


ゴンザレス太郎、フーカ、マジメの3人の計5人は町の障壁の上へ案内されていた。

そして、町の前に立ち塞がる多数の冒険者の先頭にデニムが立ちそのSランクの実力と二つ名の盾極の名の由来となった障壁を展開する!

50…いや、100に届きそうな程の多重障壁が冒険者達の前に展開され、まるでお伽噺の一つを実際に見ているような光景がそこに広がる…


「なんて障壁なの…あれの中の一枚ですら私の全力よりも凄いわ…」


結界師のメールの呟きに全員が驚く。

そして、地平線に砂埃が舞い上がっているのが視界に入ると共にそれがこちらに向かってきているのが分かった。


「違う…これじゃダメだ…」


全員が前方を見つめる中、ゴンザレス太郎一人だけが空中に向かって何かをやりながら呟いているのであった…

疲れすぎてて腰は痛いし眠くて仕方ないです… 

明日から仕事なのに大丈夫か俺?(笑)

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