第32話 無事脱出!
(ん…唇に柔らかい何かが触れてる…)
まどろみの中ゴンザレス太郎はその感触を感じた。
そして…
「ん…んんんん?!んんんんん?!ぷはぁ!」
「おはよダーリン」
目の前にフーカの顔があった。
近い…近すぎる…
そのままフーカの唇がゴンザレス太郎の唇に触れる…
「って何やってるの?!」
「えっ?目覚めのキス?」
「何故神力使ってワザワザ疑問型にした?」
そして、ゆっくりとゴンザレス太郎の鼻から離される指…
口を塞いで鼻も塞いで起こしてくれたらしい…
勿論3人は口を開けてポカーンである。
「んじゃま、帰りますか」
そう告げて立ち上がるゴンザレス太郎。
そのままフーカがゴンザレス太郎の袖を摘まんで後ろを一緒に進み結界を超えてモンスターの中へ…
「って危ない!」
マコトが慌てて出ていったゴンザレス太郎の後ろを追い掛ける外へ出た。
そして、信じられない光景を目の当たりにするのであった。
「なん…だこれ…」
魔物達がひしめき合うその真っ只中にゴンザレス太郎とフーカは立っており魔物は二人をすり抜けて居るのだ…
「さぁ帰りましょう」
そう言ってゴンザレス太郎は3人に振り向く。
意を決して外へ出た3人は振り返った魔物の尻尾がぶつかりそうになりマコトがガードしようと剣を盾にするがその体を尻尾はすり抜ける?!
「はぇ?!」
すっとんきょんな声を上げるマコトだったがとりあえずゴンザレス太郎の元へ行き一緒に出口を探しだし10分後上に上がる階段を見つける。
そして、階段を上がってから直ぐに転移石で一同はダンジョンの入り口まで飛ぶのだった。
「じゃ説明してもらうわよ!こんなあり得ない事を見せられて説明もなしなんて許さないわ!」
ジルの少し怒った感じの声が響く。
それはそうだろう、どう考えても異常な現象だ。
「分かりました。他言無用ですよ、さっきのは僕のユニークスキル『プロアクションマジリプレイ』の効果です。」
「はっ?プロ…えっ?」
年上のお姉さんってイメージだったジルはその赤髪に手を当てて意味が分からないと言った感じの表情になる。
残りの2人も首をかしげている。
そんな名前のスキルは聞いたことも無いからだ。
「詳しくは話せませんがそれの効果の一つ『ダンジョンのエンカウント操作』です。」
実はゴンザレス太郎、先日のリップクリーム増加の時に気付いたことがあった。
それはスキルの効果は一緒にいるメンバーにも反映されると言うことである。
あの時フーカが走り去った後に気付いたのだがフーカがリップクリームを取り出した時に一緒にポケットに入っていたフーカが困ったとき用に親から渡されていた光石を落としていたのだ。
説明を受けた3人は意味が分からないと更に首をかしげるのだった。
※光石とは割れると強い光を放ち相手の視界を見えなくするこの世界独特の防犯グッズである。
※『ダンジョンのエンカウント操作』とはダンジョン内の魔物と接触してもエンカウントせずにすり抜けるか通常通り戦闘になるかを操作で指定できる。
使用者の目には常にエンカウントするか、すり抜けるかが表示されている。
久々の新コードだけど説明が難しいや(笑)




