Forward&Receive
キャッチボールよりもたちが悪い。
ボールを持ってる時間がない。
バットで激しく打ち合う感じ。
どう言ったって、乱打戦。
ボールがどこに行くかも知らずに。
ピッチングマシンが投げるボールを。
必死になって、打っている。
そのスピードなんか知らない。
早くたって、遅くたって。
打ち返せさえすれば、勝ちみたい。
ボールにきっと価値はない。
だから、硬いバットで思い切りたたく。
なぜって、近くにおきたくないから。
手元にあると、害があるから。
一秒にも満たないレスポンス。
きっと、そのやり取りに誰も気づかない。
手軽な話。
身軽な話。
重さで価値が決まるわけじゃない。
飛距離で価値が決まるわけじゃない。
ましてや、数に価値なんてない。
だから、思いっきり叩く。
叩いてもどうせ、勝ちはないから。
どこまでも飛んで行け、どこまでも広がっていけ。
そう、憎しみを込めて。
右手のバットで。
殴り倒せ。
Enterのキーを押せ。
右クリックをしろ。
負けを認めろ。
無価値を認めろ。
そして、目をつむれ。
一分一秒を競い合うなんて。
ついていけない。
ありがとうございました。