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神風の遺産  作者: みすたぁM
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封鎖

一応パソコンが使用可能になりました。

Side片桐


「今ここにあるのは三八式が8丁、九九式小銃が2丁、十四年式拳銃が15丁、手榴弾が7個、弾薬が各500発程。手榴弾は表面が錆びてるから使えないとしてまぁ、十分か。」


「んでもって、これであのゾンビを倒せってことだろ?」


三田が三八式を軽く構える。少し腰が引けてるが俺が倒したグロテスクな死体を見ても正気を保っていられたんだから平気だろ。


俺も十四年式拳銃のマガジンに弾を詰めながら周りを見る。




「スッゲー!」と騒ぎ携帯のカメラで銃の写真を撮る横山、三八式と九九式を構え比べる衣笠、鼻歌歌いながら弾を込める熊野





こいつらの適応が早いのか、亀山が精神的に軟弱なのか




たぶん前者だろう


「作業しながら聞いてくれ。纏まってたら効率が悪いから二手に分ける。衣笠と横山は校内で奴らの掃討を、他は俺と校門で避難民の救援とこれ以上の侵入の阻止だ。」


「了解だ。行くぜ衣笠!」


「おうよ!!」


「くれぐれも無理はすんなよ。いざとなったら自分の命を最優先だ。」


俺は念を押し2人を見送った。


「片桐、俺たちも行こう!」


「ああ、















反撃開始だ!!」


















「………………酷すぎる。」


途中でゾンビを倒しながらなんとか校門までに辿りついた俺たちは目を疑いたくなった。


街の至る所で黒煙が上がりパトカーなどのサイレンがひっきりなしに音を立て、人々が我先にと安全地帯であろうここに向かって押し寄せてくる。


そして彼等に引き寄せられ、逃げ遅れた人達に襲いかかる人間の成れの果て


俺たちにはそんな人達を助けようと人の波に力強くで逆らって避難民を狙わないように慎重に狙いをつけ発砲、何体かは倒したが焼け石に水のようだ。


「クソッ!!どんだけ来るんだあいつらは!?」


「しかも避難民が邪魔で狙い難い!!」


それでもこうするしか方法がない以上弾が尽きるか避難民をどうにかしないといけない。


俺は弾が切れた三八式をリロードしようとして視線を落とすと1人の老婆が足を抱えてうずくまっていた。その老婆の側には真っ二つにへし折れた杖が転がっていた。助けると言う選択肢はあるが、ここで俺が引いたら他の二人に負担がかかりすぎる。


しかも俺たちが持ってきたのはボルトアクション式の三八式、こういうのは戦国時代の火縄銃のように横一列に並んで一斉射撃が効果的なのを命中精度で補っているんだ。


「自爆覚悟で手榴弾を持ってくりゃよかった。」


仕方ないので偶然側にいた女性の肩を掴み


「このばあさんを中に連れてってくれ、今手が離せないんだ!!」


「ちょっ、なんで私が!?あんたがやりなさいよ!!私だって手が」


「こっちは奴らを食い止めてんだ!そのネックレスや貴金属のはみ出たキャリーケースを捨てれば手はあくだろ!!」


それでも女性はヒステリックに声を上げて騒ぐ。この状況でまだ命より光沢がある石ころの方が大事なのかこいつは。


怒りを通り越して呆れるが、この際強行手段だ。


俺は躊躇いなく女性に腰の南部拳銃を突きつける。


「ならここで''奴らと間違えられて俺に射殺されるか、荷物の代わりそこのばあさん背負って2人揃って生き延びる''か選べ!!」


「ヒィッ!!」


「悲鳴上げてる暇あったらさっさと選べ!!三人仲良く奴らのお仲間になりたいのか!?」


「わっ、解ったわよ!助ければいいんでしょ助ければ!!」


女性は涙目になりながらキャリーケースを放り投げやや乱暴だが老婆をおぶっていった。


俺がこんなことをしてるうちに避難民の数がだいぶ減って狙いやすくなったので手の南部拳銃を全弾発砲、素早くリロードして腰のベルトに挟み、リロードした三八式を発砲しようとした矢先


「おいおいマジかよ!!」


大型のタンクローリーがこっちに向かってゾンビを跳ね飛ばしながら一直線に突っ込んでくる。運転席の窓が血まみれなのがここからでも確認できるから運転手はもう死んでるだろう。


「片桐、三田!正面に集中射撃してくれ!!」


「おい熊野、まさか狙撃する気か!?」


熊野が橋に伏せて狙いを定める。理論上は三八は狙撃銃の代わりになるし、九九式狙撃銃は命中精度の良い三八式を厳選してスコープを取り付けたものだから不可能ではないが


「安心しろ、今日の射手座は星座占いで1位だ!」


「根拠になってねぇ!!」


俺が突っ込みを入れて三田を見る。






「死に晒せやゴルァ!!」






三田がいつの間にか三八式ではなく南部拳銃を両手に持ち東南アジアの某女海賊のように2丁拳銃で大立ち回りを演じていた。


「こうなりゃヤケだ、しっかり狙えよ熊野ぉ!!」


コンバットハイ状態の三田のせいでヤケクソになり正面のゾンビに発砲して道を開ける。


「ステンバーイ、ステンバーイ………………今!!」


熊野が引き金を引き薬室の6.5mm三八式実包が雷管に叩かれ、銃口から飛び出しライフリングによってジャイロ効果で回転しながら放物線を描いてタンクローリーの前部車輪を撃ち抜いた。







「マジかよ………………。」


「………………ビューティフォー。」


あんなゴルゴレベルの狙撃を成功させるとは………………。


星座占いも馬鹿にはできんな。


「ふっ、全ては俺のシナリオ通り。」


熊野がドヤ顔で三八式を肩に担いで振り返る。


「じゃああれもシナリオ通りか?」


三田が指を指し、その方向には前輪を撃ち抜かれバランスを崩し横転して慣性の法則に従ってそのまま突っ込んでくるタンクローリーが間近に迫っていた。


「これは、面倒な事に………………なった。」


「「たっ、退避ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!」」


俺たちは全速力で学校に駆け込み、タンクローリーは橋に激突しその衝撃でタンクの中のガソリンが噴水のように溢れ出しそれにエンジンから出火した炎が引火したらしく、大爆発してタンクローリーや付近のゾンビを橋ごと吹き飛ばした。









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