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駄文&短編シリーズ

真っ暗な空から、真っ白な雪が落ちる


1つ目を当てれば、それが雪だと認識できるけど

広く見れば真黒な画面に広がる白い点にしか知覚できなくなる


それは、徐々に多くなり白にあたりを染め

空も白へと染め上げていく


このまま真っ白になればいいのになぁ

なんて、白い世界にうずもれていく自分の黒さを悲しむ


振られた


とたった四文字でいいあらわせる事柄なのに

自分の中でまだ消化できてなくて

なぜとか、どうしてとか、あいつ他に男がとか

とめどないことを思い浮かべ

自分の黒さが嫌になる


そんな時、ぽんっと頬に口付けるように雪が降り始めた


見上げる空は、黒い

だけど、白い

そして今は真っ白


いつの間にか見上げていたはずなのに

振られた場所に寝転んで見上げている

白に埋もれて死ねたら、白くなるかなぁなんて

白い吐息を吐く


まだ、白いということはそれだけ体温がある証拠

寒いんだろう、時折俺の体は震える


いや、寒いんじゃない

泣いているからだ


冷静な部分もあって、何やってるんだ状況はかわらないんだ

早くホテルに帰って風呂にはいれとか

風邪をひくぞ

終わったことを悔やむな


とか、そう思ってるのに

体も俺も動けない


「馬鹿だなぁ~」

ようやく絞り出された声はそれしかなかった


「うん、すっごい馬鹿」

ふってきた言葉にがばりっと俺は置きあがった


「馬鹿」

「うん」

もう、そうしか答えられない

目は涙で滲んで、うつむくしかない


ぼたぼたと熱い涙がこぼれる


「馬鹿」

「うん」

さっきより優しく、そして、ふわりと温かいものが俺に触れる

俺はそれに縋るようにしがみつく

もう離れたくないと


何を言えばいいんだろう

振られた彼女に・・・

そしてなんで戻ってきてくれたんだろう


喧嘩のきっかけは些細なことだった

結局は価値観の違いなだけ

だけど、お互い頑固で、引くに引けず、もう知らない的にお互いむくれそっぽを向いた


旅行先での別れって、すげぇ気まずいよな

とか、笑ってたのは数分

追いかける気もないし、ホテルで待ち伏せする気もない

会えない、会わない、会いたくないが拮抗し

だけど、今ここに彼女がいないことがすごく嫌になってきて

自己嫌悪と、他者否定を繰り返し


雪に埋もれた


「雪って・・・白いね」

俺はただそう言った

馬鹿だなぁ、また喧嘩になるかなとかちょっと思う


「白いよ、あんたが埋まるぐらい危ないけど」

「うん、埋まったら、少しは綺麗になれるかな

 腹黒いの」

というと、ぷっと彼女が噴き出した


「馬鹿」

そういう彼女の声は少し震えてる

泣いてるの?と聞きたいけど、聞けなかった

しがみついてた手を彼女の背に回しぎゅっと抱きしめる

次は、あなたが縋れるように


「うん、馬鹿

 だけど、やっぱり、馬鹿」

「うん」


小さな嗚咽と体の震え

俺たちは抱きあって泣く

見上げれば、やっぱり雪が降り注ぎ、つもっていく


ださいから染めればといった黒髪に雪の白はものすごく目立つ

はむりと口を寄せて食べると

何するのっ的に、逃げられた


信じられないという顔をして

俺をみて、もう一度溜息を吐いて

「寒くないの」

「ちょっとは・・・」

と答えるとまた、ため息をつかれた


「寒いうんぬんはもうわかんないかも」

「でしょーね、馬鹿」

「うん」


「ラーメン食べよ」

「うん」

「じゃぁ」


「醤油」

「とんこつ」

・・・またかぁぁぁぁぁっ

二人で顔を見合わせてぷっと笑う


「うそうそ、味噌ラーメンにしよ

 さっぽろいちばーん」

「みそらぁ~めん」

二人で手を繋ぐ


うん、なんてことのない喧嘩だ

北海道にきた俺たちはラーメンの味で喧嘩し

そこから、お互いの性格とかそんな近くだからわかることの

いがみ合いで大ゲンカに発展した


「たぶん、ね」

「何が?」

「くだらないことって、すげぇ大事なことかもってことさ」

俺がそう言うと、哲学?なんて似合わないなんてぷぷぷって笑ってるけど

繋いだ手は放されない


ぎゅっと握ると、握り返された


「ばーか」

「おう

 そっちもばーか」

「うん」


俺たちは、赤いら~めんとかかれたのれんをくぐる


むわりとした熱気に体が震える

やっと寒さが解る


「あーお客さんふぶかれましたねぇ~」

二人で笑って

「そーなんです」

と答える


俺たちは笑いあう

だけど、時にいがみ合う


消えてしまう雪だけど、ちゃんと今も俺たちに降り積もる


真っ白の雪だけじゃないかもしれないけど

それでも、思い出


つるりと、やけどしそうなくらい熱いラーメンをすする


あつっとかいってまた二人で笑う

たぶん、きっとこの先もずっと・・・

以上駄文でした、暇つぶしに書き散らかしたので、投稿、昔書き散らかしたやつもついでにアップしよう

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