南洋にて・・。
ガチバトルばかりでしたので・・。
ここはフィリピンの南方、パラオ諸島。
我々は対潜哨戒機、東海のパイロットだ。
名前??
聞いてもすぐに忘れられる存在だ。
仮にAとでも呼んでくれ。
我々の任務は毎日の様に決められたコースを低空で周り、海底の調査と未確認物体の
破壊が任務だ。
上空には常に護衛のゼロ戦が付いているので、安心とまでは言わないが、ま、大丈夫だろう。
今日も0800にコロール島基地を離陸。フィリピン、パラオ、マリアナ諸島間の三角飛行。
東海は全木製の飛行機なので、潜水艦調査には向いてるらしい。
退屈だがとても大切な任務。
間違っても敵潜水艦に絶対哨戒圏に入られてはいけないのだ。
我が国の生命線とも言うべき、南方と欧州との交易が成り立たなくなる。
この圏内には友邦国の潜水艦は浮上して航行を義務付けられている。
日本もだ。
拠ってこの圏内を潜水してる潜水艦はすべて敵。
確認ナシに撃沈が許可されている。
今日も偵察員は磁気探知機と睨めっこ。
ソナーに探知があった場合は深度を確認し雷管の調整をしてブチこむ・・。
それが俺達の仕事よ。
しかし中々敵さん来ません。
こうも毎日スカばかりだと、たまにはドカンと殺りたくなりますわい。
「B,何か反応無いか?」
「Aさん、聴かないでくださいよ。コッチも反応無くて困ってるんです。」
「たまにはオケラで帰りたく無いよな。
毎日オケラでガソリンの無駄遣いしてる気がするぞ。」
「私達の仕事は平和が一番なんスよ。
下手に大量の敵・・・。」
「B,どうした?」
「静かにしてください。今、沈没船以外の反応がありました。」
「分った。頼むぞ。」
「ハイ・・・。」
それから数分、Bはヘッドホンとモニターに集中し、確かに沈没船とは違う鉄の船の反応を
探り当てたのだ。
この海域には我が軍の潜水艦は一切居ない。
特に哨戒海域には近寄らない様に通達してあるのだ。
拠って、これは敵・・。
「Aさん、一発だけ爆雷を投下してください。
ここらの水深は100ですので、80でお願いします。」
「おお、ヨッシャ任せろって・・。
オイ、C,お前の仕事だろうが。
オレは操縦してるのだぞ。」
「へ・・・、すんません。ヒマなので寝てました。」
「バカヤロー、ドンパチが始まるんだ。
とっとと爆雷の調整をしろ。そしてBの指示があり次第投下だ。」
「了解っス。」
ネボスケCのおかげで緊張が飛んでしもたが、爆雷の雷管調整はすぐに終わり、
敵艦らしきモノの上空にて投下。
しばらくするとモリモリと海から爆発の水煙が巻き起こる。
命中しとれば良いがな・・。
しばらくすると、なにやらブクブクと泡を吹いたのが出て来た。
ヨッシャ、命中してたどぉぉ。
銃撃を受けると不味いので上空のゼロ戦に敵艦を機銃で射撃して貰う。
間違いなくアメリカ潜水艦のガトー級だ。
メインタンクを損傷したらしく大量の油を吹いてた。
乗員が対空砲を撃とうとしてたが、舞い降りて来たゼロ戦に拠り射殺。
白旗を揚げようとしてたが、海軍の方針で潜水艦は見た瞬間に殺れとの指令に従い・・。
250kg爆弾を投下。
燃料を吹いてたタンクが目標。
一撃で火達磨でした。
「オイ、B,今日はお手柄だったな。」
「久しぶりの戦果でしたね。Aさん。」
「C,報告写真は撮影したな?」
「お任せください。ピントバッチリで撮りました♪」
上空の護衛ゼロ戦に感謝の無電を放ち、我々は残された燃料分の哨戒任務を続行。
夕刻、疲れた身体と機体をようやく基地に下ろし任務完了。
本日の戦果、ガトークラス潜水艦、一隻撃沈。
その夜は護衛のバイロットも交え、夜半までドンチャン騒ぎだったのは言うまでも無い。
明日は当直明けの休み。
パラオにでも遊びに行こうっと♪
南洋方面で対潜任務に就いてるパイロットの話でした。
国防圏を絞り、その中での潜水は認めない方針です。