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G海軍航空隊  作者: 自宅防衛隊
オレはGだ。
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帰国

アメリカ側の帰国模様です。

我々は勝ったのだ・・・ろうか・・・。

多くのパイロットを喪い貴重な母艦を喪失したが、敵の大戦艦をまたも三隻も撃沈。

ジャップの新聞を見たが、戦艦ヤマシロ、ハルナ、キリシマの三隻だったらしい。

我々が撃沈した戦艦は。

おかげで太平洋から大半のジャップのビッグガンが消え失せた・・ハズだ。

だが私は気が晴れない。

あの巨大な戦闘機の幻影が消えないのだ。

アレは凄まじい破壊力を持ってた。

戦闘機なのに、魚雷は投下出来る。急降下爆撃は出来る。

そしてあの運動性だ。

我々のワイルドキャットよりも身軽に動けるのだ。

アレだけの巨体で。

一日も早くアレ以上の戦闘機を開発しないと、また我々の空母は塩水の中に叩き込まれてしまう。


「大統領、何とか勝ちましたね。

おめでとうございます。」


「ハル。めでたいと言えるか?

確かに戦艦を5隻も撃沈したのは偉大な戦果だが、フィリピンは落とされる。

空母は壊滅すると、どうも我々の負けみたいだ。

生き残りのパイロットの証言を読んだか?」


「いいえ、まだ私の手元には届いておりませんので。」


「ここにある。

読んで見たまえ。」


ハルは大統領から書類を渡され、黙って黙読を始めた。

数刻の後・・・。


「大統領、深刻な事態ですね。

この巨大な戦闘機とは我々の未知な戦闘機でしょう。」


「その通りだ。戦闘機のみならず、爆撃も雷撃もこなせるとは。

我々の持つ戦闘機では絶対に出来ない芸当だぞ。」


「相当に強力な発動機を搭載してるのでしょう。

航空機開発局に問い合わせて見ます。」


「急げ。もう戦争は始めてしまったのだ。

私は艦政本部に空母の増産を叱咤して来る。」


ルーズベルトは空母の増産を急がせ、ハルは航空機開発局に強力な馬力の戦闘機開発を

叱咤した。

彼等の話では、戦闘機でも爆撃は可能だが、雷撃は難しいと言う。

超低空で安定しないと言う事らしい。

だが日本の戦闘機はその芸当をこなしているのだ。

出来ないとは言わせない。

アメリカ側も新鋭戦闘機の謎を何とかしたいと考えたが、敵の出没地域はすべて海上なのが、

不味かった。

例え撃墜出来てもすべて海没してしまうのだ。

破片も入手出来ない。

コチラの作戦区域には日本軍は絶対に侵入して来ず、敵地に侵入すると袋叩きにされてしまう。

日本側はこの戦争を国防戦争と名付け、フィリピンのみは開放したが、その他の地域には

一切手出ししないと世界に宣言してしまってた。

世界の目は我が国に厳しくなってる。


「大統領、どうも世界の目が我々に厳しいみたいですね。」


「当たり前だ。不意打ちで敵の戦艦を撃沈したのが世界に知られてしまったのだ。

だがもう時計の針は元には帰らぬ。

開始した戦いは勝利するまでは止められないのだ。」


「その通りです。

日本の諺にこの様な諺があります。

勝てば官軍。

何でもメイジイシンで幕府が新政府に敗北した時に出来た諺らしいです。」


「そうか・・。

では我々がカングンとなれば良いのだ。

いい話を聞かせてくれたな。」


「いえ、私は偉大な大統領を補佐するのが仕事です。

さて、我々もパイロットの育成と軍備増産に励みますか。」




だがパイロットの増産はどうも厳しいらしい。

熟練パイロットが壊滅してしまったのだ。

先日の戦いで。

僅かに残ったパイロットも戦闘機乗りは殆ど居らず、爆撃機パイロットも数人。

大半の熟練パイロットが戦死してしまってたとは・・。

海軍航空隊のシステムも考え直す時期だな・・。


「キンメル長官、ハルゼーです。」


「ハルゼーか?入りたまえ。」


「大統領から母艦パイロットの養成叱咤の手紙が来ております。」


「知っておるよ。だがどうやって増産するのだ?

先の戦いで我々のプロパイロットはほぼ全滅した。

戦艦は大量に残っているが、空母は皆無。

敵陣に攻め込むには母艦が必須なのに一隻も無い。

正直、作戦を考える事も放棄したい気分だよ。」


「長官、申し訳ございません。

私が母艦を守れなかったばかりに・・。」


「ハルゼー、あの戦闘機には我々は無力だったよ。

まさか戦闘機が魚雷も爆弾も発射出来るとは。

想像も出来なかった。フィリピンの同胞を救出出来たのが奇跡と思う程だ。」


「そう・・・ですね。長官・・。」


「ハルゼー、泣いているのか?」


「いえ、泣いてなどいられません。

泣くのは勝利した時だけです。」


「そうだな。我々は勝たなければならぬ。

大統領の話では、バイロットの育成の叱咤。

空母の増産を急がせているそうだ。」


「今、稼動の空母は・・。」


「エンタープライズ、ワスプ、サラトガ、レンジャーの四隻のみ。

大西洋もひっくるめてだぞ。アッチも空にする訳にも行かない。

それ以外は護衛空母だけだ。」


「この四隻は絶対に守らないといけませんね。」


「ウム。防空陣形の研究を急がせろ。」


「敵は戦艦こそ喪いましたが、空母は全て健在。

ジャップの言葉を信じるならコチラの勢力圏内に攻め込む事は無いでしょうが、

コチラから攻め込む事も今は出来ません。」


「だから空母が必要なのだよ。時間は無い。

とにかく出来る事から片付けてしまおう。」



アメリカは名目上は勝利してるにも関わらず、敗北気分が蔓延してたのだ。

そして戦闘機開発の叱咤。

パイロット育成の叱咤と叩きまくってた。

だが彼等はまだ知らぬ。

空母パイロットがいかに貴重な宝石同様の価値を持ってたと言う事を。

大国アメリカと言えども、空母パイロットは育成が厳しいのだった。



アメリカ側の内情です。

母艦パイロットは本当に育成が厳しいと思います。

陸軍のパイロットなら飛んで戦って着陸出来たらOKですが、

母艦パイロットは着艦と言う仕事、発艦と言う仕事。

そして海の上を飛ぶと言う仕事があります。

海を飛ぶと言うのは予想以上に難しい仕事です。

これに気づくのは末期の頃ですが。

空母の残存数を勘違いしておりました。

訂正しておきます。

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