シスコンビニ計画
会話だけで構成されています。なので、情景は妄想力で補い下さい☆
また、設定に関してもフラグ回収がなされていない部分も多々あります。それも、どうぞ脳内変換するなりして下さいませ。
「いもうとー、いもうとー」
「何ですか、こんな時間に。」
「いもうとー、いもうとー」
「聞こえてますってば!」
「おぉ!ここにいたのか妹よ!」
「いやいや、ここ私の部屋ですし。というか、入って来る時くらいノックして下さいよ。」
「ときに妹よ、お腹空いていないかい?」
「もう夜の11時ですよ?こんな時間に何か食べるなんて不健康です。そして、こんな時間に女の子の部屋に来るのも不健全です。出て行って下さい。」
「そんな殺生なー」
「馬鹿なこと言ってないで出て行って下さい。今、勉強してるんです。」
「嘘つけー、口の周りにあんこつけながら小説片手に持って言っても説得力ないぞー」
「なっ!こ、これはですね!」
「なーんて冗談だよ。」
「な、何が望みなんですか!?」
「そうだねー、ちょっと付き合ってもらいたいんだけど。」
「ごめんなさい。他の人に当たってください。そして、砕けてください。」
「むぅ、そう言わずにさ。ね?ちょっとだけでいいからさ。」
「嫌です。こういう時はほとんどの場合でろくでもないです。」
「それじゃあ、一つだけなんでも言うこと聞くからさ。」
「…本当になんでも?」
「出来る範疇でなら。」
「分かりました。なら、妥協して話しを聞くくらいなら付き合ってあげます。」
「やったー!それじゃあ、いきなり本題に入っちゃいます。」
「なるべくましなこと言って下さいね。」
「一緒にコンビニに行きましょう!「却下。」
「即答過ぎだよ!理由くらい聞いてくれてもいいじゃないか!」
「はぁ…どうしてまた、こんな時間にコンビニに行きたいと?」
「気になります?気になっちゃいます?」
「おやすみなさい、兄さん。いい夢が見れるように祈ってます。だから、早く出て行って下さい。」
「冗談だよ、冗談。」
「今日の兄さんの冗談はこの上なく悪質でつまらないです。」
「それでなんだけどね、どうしてコンビニに行きたいかというとですね。」
「もったいぶらずに早く言っちゃってください。こちらとしては、興味のない勉強をしている気分ですので。」
「募金をしたいからなのです!」
「そうですか。なら、世のため人のため早く行ってください。募金をすると皆に喜ばれ、兄さんもしたいことが出来て満足。そして、募金をするためにこの部屋から出て行くと私にも喜ばれる。一挙両得じゃないですか。」
「そうじゃなくて!妹にも一緒に来て欲しいの!」
「何故ですか?」
「えーと、その、寂しいからかな。妹こそどうして付いて来てくれないの?」
「すでに夜の11時だということ。今は世間一般的に冬と呼ばれる時期だということ。外は氷点下、雪も降っています。そして何より、兄さんと意味もなく出かけなければいけなくなるということ。以上を踏まえて、メリットがない上にデメリットだらけだからです。」
「流石に僕でも傷ついたよ。もう、いい。部屋に戻るよ。」
「是非そうしてください。」
(やっと、行ったか。)
(でも、流石に言い過ぎちゃったかな。)
(あんなに落ち込んでることなんて滅多にないからなぁ。)
(いや!兄さんが一方的なのが悪いんだよ!)
(とはいえ、心にもないこと言っちゃったし。)
(謝って、くるかな。)
(それにしても、なんで私のこと妹って呼んでたんだろう。いつもは、名前で呼んでくるのに。)
(まぁ、いいかな。)
「兄さん、いる?」
「いもうとーー!!!!」
「イタッ、ちょ、ちょっと、離れてよ。」
「あ、うん。ごめん、ついつい。」
「全く、どうして突っ込んで来るのだか。」
「あのさ、さっきの話しのことなんだけどさ。もう一回考え直してくれない?やっぱり付いて来て欲しいかな。」
「嫌です。私が兄さんの部屋に来たのは、さっき言い過ぎたのを謝りに来ただけです。」
「それはわざわざどうも。」
「いえいえ。兄さん、先ほどは失礼しました。ごめんなさい。」
「ううん。もう気にしてないから。」
「そうですか、安心しました。それじゃあ「ちょっと待って!」
「…何ですか?コンビニになんて行きませんよ。」
「妹の大好きなシュークリーム買ってあげるからさ!」
「…コンビニのシュークリームは小さいです。」
「二つ、いや三つ買ってあげるからさ!」
「………」
「四つ、四つでどうだ!」
「…五つ、で手を打ちます。」
「了解!それじゃあ、五つ買ってあげるから一緒にコンビニに行こう!」
「仕方ないですね。これもシュークリームのためです。ついて行きますよ。」
「よしっ!そうとなったら、早速行こう!」
「募金しに行くだけなら、明日でもいいんじゃないですか?」
「妹は、シュークリーム食べるの明日でもいいの?」
「そうですね。今すぐ行きましょう。…って、何ですかその目は。別に食いじがはってる訳じゃないですよ!」
「うんうん。それじゃ行こうか。」
「絶対人の話し聞いてませんね。」
「うー、寒いです。」
「うん、寒いね。−6℃くらいかな?」
「さぁ。全く見当もつきませんよ。」
「あっ!!」
「何です?こんな夜道で大声出して。行っておきますけど、私達学生もとい生徒はこの時間にうろつくことはダメなんですよ?補導されてもおかしくないんですよ?」
「て、手袋忘れちゃった。」
「え…手袋?そんなことで大声上げない下さいよ。それに、どうして急に気付いたんですか。家でた時から冷たかったでしょうに。」
「いやー、なんか手が冷たいなーって思ったら、見事に忘れてきちゃってたよ。」
「そうですか。それは残念です。ほら、止まってないで行きますよ。なるべく早く用事を済ませたいので。」
「手、冷たいなぁ?」
「そんな目で見ても何も出てきませんよ。というか、もう少し威厳を保ったらどうですか?」
「冷たいなぁ。冷たいなぁ。」
「はぁ…。分かりましたよ。手袋貸してあげますよ。」
「いやいや、お構いなく。そんなことしたら、妹の手が冷たくなってしまうからね。」
「いいんですよ。私、もともと手は暖かい方ですから。」
「手が暖かい人って、心が冷たいって言うよね。」
「余計な豆知識ありがとうございます。はい、どうぞ。早く行きますよ。」
「えへへ、暖かいや。」
「私は必要以上に寒気がしますけどね。」
「それは大変だー」
「何で、棒読みですか。下心見え見えですよ…」
「さっ、こうやって手を繋げば暖かいじゃないか。繋いでない方の手に、手袋つけてっと。よし、完成。さぁ、行こう!」
「この際、もう何も言うまい…」
「あれ、コンビニはこの角を右ですよ?どうして真っ直ぐ行くんです?」
「あそこのコンビニ、どうしてか生理的に受け付けないんだよねー。あはは。」
「なんという白々しさ。兄さん、もう少し現実味のある嘘ついて下さいよ。」
「まぁ、いいじゃん。もう少しこのままでいたいし。」
「兄さん、いつからそんな趣味を持つようになったんですか…それより、どこのコンビニに行くつもりなんです?」
「んー、あっちの競馬場通りの所にあるコンビニだよ。」
「えぇっ!?あそこまで行くんですか?どうしてまたそんなところをチョイスですか…」
「細かいコト気にしちゃいけないよ。」
「もう嘘もつきませんか。すでにゴリ押しですね。」
「やっと着きました。それじゃあ、早く用事を済ませましょう。」
「さーて、入りますか。」
「いらっしゃいませー。」
「おお!近所のお兄さんではないですか!(棒)」
「この声は、近所のシスコンではないか!(棒)」
「どうして二人とも棒読みなのかも気になるところですが、兄さんの近所の評判がそんなことになってるなんて、少し驚いてしまいました。」
「いや、そんなことないよ。近所の人達は、僕がシスコンだって知らないはずだから。」
「あの、シスコンは否定しないんですか…?」
「いやいや、そんなことないぞ。昨夜の集会では、君達の事を題材に、話していたくらいだからな。主に、きんs「ストーップ!!!」
「店員さん、訴えますよ?」
「そうか、近所の人達もすでに知っていたのか。それなら、こそこそしなくても…」
「兄さん、変な事考えていたら、もう口も聞いてあげませんよ?」
「申し訳ありませんでした、妹さん。」
「はっはっは。愉快だね。さて、君達はこんな時間に何の用かな?」
「募金をしに来たのです!」
「それはまた、わざわざどうして。」
「ズバリ、気分ですっ!!」
「そうかい。ほいじゃ、そっちの妹さんは何用で?」
「私は兄さんの付き添い兼たかりです。」
「自分で堂々とたかりって言ってるところを見ると、妹さん相当悪だねぇ。」
「そうなんですよ。最近妹ときたら冷たくて。何か頼むとすぐ見返りを求めてきたり。」
「普通ですよ。それが。」
「そうだねぇ。まぁ、それはおいといて。君達に二つ聞きたいことがあるんだけど、いいかな?」
「時間や法律に関係ないことであればどうぞ。」
「それじゃ、一つ目。君達はどうして手を繋いでいるんだい?」
「……ッ!!!」
「手袋を忘れてしまったからなんです。なー、妹?」
「え、あ、はい!そうです。仕方なく、です。」
「ふーん、そんなに慌てて手を話す事もないのに。」
「いいんです!早く二つ目の質問に入って下さい!」
「んじゃ、二つ目の質問。妹さんはどうして口の周りにあんこをつけているのかな?」
「え…え、え、え?」
「あれ、もしかして気付いてなかったの?よく外を歩けたね。てっきりそういうプレイなのかと思ったよ。」
「に、兄さん!どうして言ってくれなかったんですか!恥かいたじゃないですか!」
「まあまあ、落ち着いて。はい、ハンカチ。」
「あ、どうも。ってちがーう!そうじゃなくてぇ…」
「大丈夫だって、こんな夜中だし誰にも気付かれてないよ。きっと。あんこ黒いし。」
「うぅ…もうお嫁にいけない…グスッ」
「それなら、僕が責任を取るよ。ね、だから元気だして。」
「うぅ…」
「はい、お惚気はそこまで。とりあえず、落ち着くまで上がってて。」
「はい、すいませんどうも。ほら、妹行くよ。」
「う、うん。」
『いやー、流石シスコンだね。あんこつきのハンカチを悪気なく渡すんだから。』
『声が大きいですよ。ばれたらどうするんですか。』
『ふふ、君が二人っきりの時間が欲しいからその手伝いをして欲しいって頼んできた時は驚いたけど、なんとかうまくいっているようだね。』
『おかげさまで。それより、大丈夫なんですか?』
『あぁ、問題ない。元より、ここのコンビニは24時間営業ではなく、深夜1時までだからね。あと10分もすれば、誰も来なくなるよ。もちろん、私も帰らせてもらうつもりだ。』
『それじゃ、戸締りどうしたら?というか、ただのバイトなのに大丈夫なんですか、そんなことして。』
『大丈夫なはずないだろ。ばれたら即解雇だよ。まぁ、君の頼みときたら断れないからね。あと、戸締りはしなくていいよ。店の裏口から出てくれ。正面は空いてないから。』
『何から何までどうも。それじゃあ、そろそろ妹の所に行きますね。』
『あぁ、それじゃ頑張ってくれ。』
「兄さん、店員さんと何話してたんですか?」
「まぁ、いいじゃないか。それよりも、落ち着いたか?」
「はい。だいぶ落ち着いたみたいです。」
「良かった。あ、シュークリーム持ってきたぞ。」
「え!本当だ!食べてもいいんですか?」
「どんどん食ってくれ。約束通り五つ買ってきたからな。」
「ありがとう。そういえば、募金はしてきたんですか?」
「えーと、う、うん。ワンコイン入れてきたよ。」
「兄さん、本当にそれのためだけにここに来たんですか?」
「そうとも。いかにも、そうとも。ほんとに、そうとも。」
「はぁ…兄さんは、もう少しポーカーフェイスが上手になってから嘘をつきましょうね。それで、本当の理由はなんです?」
「近所のお兄さんに会いに来ました。」
「ダウト。そういえば、私のいう事何でも聞くって言ってませんでした?あれ、嘘だったんですか?」
「いや、そんなことないよ!僕は嘘をつかないことに定評があるくらいだからね!」
「それじゃあ、教えて下さい。どうして、ここのコンビニ来たのか。本当の真実を。」
「うぅ、はい。」
「と、いうことでばれてしまいました。」
「ばれたというより、ばらしたようなものでしょうが。全く、行ってすぐに戻ってくるものだからどうしたのかと思ったら、そんなことだったのかい。」
「店員さんもグルだったなんて、ひどいです。」
「いやはや、ごめんごめん。シスコン君の頼みときたからね、断るわけにはいかなかったんだよ。」
「それじゃあ、兄さん。あの後、兄さんの予定通り進んだとしたら、どうするつもりだったんです?」
「え?あっ、その、うん。ね?」
「日本語でお願いします。」
「そういや、そうだな。何をするつもりだったのか、俺も聞いてないな。どうするつもりだったんだ?」
「そ、そういえば、どうして妹は俺が怪しいって思ったの?」
「それもそうだね。シスコン君は嘘をつけないということを理由にしても、決定打にかけるし。」
「…ないからですよ。」
「え?何が?」
「募金箱です。募金しにきたのに、募金箱がないなんて不自然過ぎます。」
「はぁ…シスコン君、君は妹に二度と嘘をつくんじゃないよ。というか、来た時に俺もこいつバカじゃないかと思ったけどね。」
「わ、分かりましたよーだ。さて妹よ、そろそろ帰ろうじゃないか。こんな時間に出歩くなんて非常識極まりないぞ。」
「誰のせいですか。誰の。」
「はっはっは、仕方ない。送って行ってあげるよ。」
「あっ、そんなすいません。」
「いや、いいっていいって。俺も共犯だからね。」
「それじゃあ、お言葉に甘えて。」
「ん、それじゃ車の中掃除してくるから、待ってて。今のままじゃ座るところもないからさ。」
「兄さん、さっきのこと店員さんをはぐらかせても私ははぐらかせませんよ。」
「いやー、流石僕の妹だね。あんな茶々な方法じゃ誤魔化しきれないか。」
「当たり前です。それで、何するつもりだったんですか?」
「…聞きたい?」
「もちろんです。わざわざここまでする必要があるくらいですからね。」
「んー、ちょっと、耳かして。」
「いい、ですけど。」
「……………」
「……えっ!?」
「お待たせ~…って、なんで二人とも茹で上がってんの?顔、真っ赤だけど。」
妹の敬語口調。
妹と呼ぶ理由。
妹が冷たい理由。
妹との過去。
親の配置。
近所のお兄さんと兄の関係
最後の兄のセリフ
全て皆様の想い描いた通りになる仕様です。