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男性ボーカルのアルバムだよ

十字架

作者: 歌川 詩季
掲載日:2026/08/26

 タイトルのわりに!

 恥じるべきは罪の深さでもなく

 のうのうと暮らす つらの皮の厚さだと

 わかっていても

 余命(よめい)を罰ゲームにして生きるわけにもいくまい


 背中にぴったりはりついたうしろめたさで

 シャツ一枚 そでをとおすにも着ぶくれするけれど

 性根(しょうね)の悪いやつこそ枕は高く積みがちで

 雑魚寝(ざこね)の僕らはその横で夢にまでうなされてら


 やがて 我が身を吊り下げるまでに

 でかくなる十字架が

 もう道を誤るなと(ささや)いてくれるのさ

 救いと呼べるほど 誰も人間ができちゃいないか



 さしのべれば悪魔は手が多くて

 肩や肘で枝わかれさせたおぞましさ

 ごらんよ ほらと

 私財をぜんぶ投げうって()いてまわりゃあいいだろ


 背中にいつしか ひっかかるコウモリの(はね)

 シャツ一枚 お気に入りのやつ だいなしにしたあと

 ひと聞き悪い噂はたいてい ただの真実で

 眉唾ものなら赤い腹 まるだしのこれみよがし


 いつか 我が身を押し(つぶ)すくらい

 重くなる十字架で

 もうここで(たお)れとけと意地悪に(そそのか)

 屈してなるものか そこを引き下がることはできない

 ゴシックでなく。


挿絵(By みてみん)

制作:ひだまりのねこ先生

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