表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

10/28

Episode 10 竜剣ネクサス






 店を出て、俺は最初にシェネルに問うた。


「さっきの鱗はなんだったんだ?」

「ああ、剣に使うといいな〜って思ったからとってきたんだ」


 鱗を剣に使うってどうやるんだろう。


 そんなことを考えながら返事を待つと、

シェネルからは想像の斜め上をいく回答が返ってきた。


「どこって、妾の体から」


「はい?!」


 おっと、素っ頓狂な声が漏れ出てしまった。


「竜フォームになって、一枚鱗を取ってきたんだ」


「竜フォームって・・・もしかして今の人間の体だけじゃなく、竜の体にもなれるのか?」


「当たり前だろう。妾は竜だぞ。

竜フォームとは言ったが、そっちが本来の姿じゃ」


 なるほど、でも鱗を取るなんて痛くないのだろうか。そう思って聞いてみると、シェネルは答えた。


「竜は強いからな、鱗一枚くらいじゃなんともならん!フハハハ!あっははっはっははー!」


 また楽しそうにしている。


 シェネルはこういう明るいところが多くて良いやつだ。




 それから時が流れ、1週間。

 俺たちは再び鍛冶屋を訪れていた。


「店主のおやじ、剣を受け取りに来たぞ」


 工場の方に呼びかけると声が返ってくる。


「ああ、少し待っていてくれ」


 しばらくすると、タオルで汗を拭きながら店主が工場から出てきた。


「ちょうど昨日打ち終わって、一晩冷まして出来上がったところだ。値段は10000ニテルだ」


 10000ニテル・・・1ニテル約100円だから、だいたい100万円くらいか。


 え、いやそんな金持ってないんだけど。


 マジでヤバい、ほんとに考えてなかった。

シェネルにここの店いいぞーって言われたからなんとなく買ってみたけど、まじで金のこと考えてなかった。


 わざわざオーダーメイドさせといてやっぱキャンセルなんてできるわけがない。



 そんな焦った心が顔に出ていたのか、

店主は見透かしたような顔をして言った。


「ふふん、金を持っていないんだな。

まあいい、どのみちタダでやるつもりだったからな」


「は?なんでタダ?流石になんとかして払います」


 さすがにタダはないだろう


「覚えてるか?1週間前そこの嬢ちゃんが剣の芯にって鱗を渡したろ?だから材料としてはそっちが出してんだ。

 まあ剣を打つのにかかった労力は、

その使った鱗がずいぶんと美しくて良い剣が作れたんでな。その経験をもらったってことで今回はタダにしといてやる」


 本当に申し訳ないことになってしまった。

この恩はいつか必ず返そう。


「ありがとうございます。また来ます、次はちゃんと金を持って」

「ああ、これが今回の剣、竜剣ネクサスだ」


 竜剣ネクサス・・・

 

 店主から渡されたのは、

白銀色の清涼な感じの伝わってくる綺麗な剣だった。


 俺の言葉では上手く説明できないが、とにかくすごい剣だ。白銀色なのはシェネルの鱗が使われているからだろう。そしてだからこそ、『竜剣』という名なのか。


「ネクサスってのは『繋がり』って意味だ。

兄ちゃんとそこの嬢ちゃんのな」


 グハァ!

思わず吹き出しそうになるのを堪えた。


 そうだ、この剣はシェネルの鱗を使っているんだ。

超大切に扱わないと。



 そうして、貰った剣に満足し、俺は鍛冶屋を去った。


 この人に自分の剣を作ってもらえて良かった、と思えるような職人であったと思う。







 よければ、ブックマーク、評価お願いします(^人^)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ