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魔の森の近くを飛行艦で飛んでいたら、魔族の王女様を拾ったんだけどっ?!  作者: トウフキヌゴシ


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第三十九話。

 雪が降っている。

「距離、そのまま」

 カイラギが艦長席に座って言った。

 平型艦橋の四角い窓の前には、新設された二門の砲塔。

 雪。

 その先に巨大な亀のお尻が見える。

 ニャンドロスの飛行要塞型神社、アーケロン級である。

 アッシュオブイグドラシルによって運ばれてきた大量のまたたびと鰹節で、飛行要塞の稼働率は120パーセントを超えた。

「にゃ〜〜〜」

 猫たちの悲鳴が聞こえたような気がした。

 後ろには可変翼飛行艦、アッシュオブイグドラシルが続く。

縦陣じゅうじん形を保て」

少しくたびれた艦長帽に使い込んだ皮のフライトジャケット。

 胸に小さく朧月と書かれている。

 ズレた帽子を直す。

 茶色い前髪がひとふさ出ていた。


「はあああああ」

 ーーかっこいい〜〜

 横の貴賓席に座ったアルテが熱い息を吐いた。

 キリリとしたカイラギの横顔に見惚れているのだ。

 瞳の虹彩が淡く桜色に染まる。

 その時、


 シュン、シュン


 と白い湯気を出しながらヤカンが音を立てた。

 レンマ王国製の飛行艦に古くから装備されている

 “DARUMA HEAT SYSTEM “。

 ヤカンがずんぐりとした樽状のボディの上におかれている。

 横から銀色の煙突が天井に向かって伸びていた。

 中では薪が赤い炎を静かに出しながら燃えている。

 前部の第三甲板に白い雪が積もっていた。

「寒くなってきましたね」

 カイラギがアルテに振り向きながら言う。

「いいえ、あったかいくらいですよ〜」

 アルテが頬を桜色に染めながら言った。



 晴れた。

 白と灰色と黒の混ざった雪中迷彩服の男性と、同じ模様の侍女服を着た女性が白い息を吐いた。

 身長と同じ高さの雪の壁に身を隠し、ハンドサインを送りあう。


 "ネコサマノタメニ"


 両の手のひらが頭の上で猫耳を形作った。

 雪中迷彩のホワイトプリムにふれる。


 ドゴオッ


 雪の壁に身を隠し前進しようとした男性に雪の玉が直撃した。


 今、ハナゾノとシルルート、ニャンドロス合同で、屋内を想定した戦闘訓練が行われていた。

 場所は、雪の積もった朧月おぼろつき上部甲板。

 アルテの種族特性スキル、”永久凍土防壁”を使い、雪の壁が迷路のようになっていた。

 雪の壁の向こうに、朧月おぼろつきのプロペラを止めた巨大なティルトローターが見えた。


 雪合戦である。


 ルールは復活ありのフラッグ戦。

 相手チームの旗を奪えば勝利だ。


「さむいですニャ」

「がんばるですニャ」

「まるくなるのですニャ」

「くうう、寒いわっ」


 ニャンドロスのフラッグの前には、四角いテーブルに布団。

 ニャンドロスの伝統的な暖房器具で魔術で動く、”KOTATHU”である。

 猫妖精ケットシーたちと猫巫女のミャトが丸くなって入っていた。

 ”DOTERA”と、”HANTEN”装備である。

 籠に盛られた、”MIKAN”は欠かせないようだ。

 

 バフウ


 中に入っていた猫妖精ケットシーがのぼせて布団から出てきた。

 周りには、それを微笑ましく眺める雪中迷彩服の男性や侍女たち。


「全てはネコサマのためにっ」


 バッ


 両の手で頭にネコミミを作った。


 雪合戦は、アルテのいる朧月チームが強すぎたため途中からアルテが参加禁止になった。

 次にイグドラシル海賊騎士団が強いと思われたが、ニャンドロスチームが一糸乱れぬ連携を見せイグドラシル海賊騎士団を制した。


 ネコの、ネコ好きによる、ネコ好きのための王国。


 ニャンドロス神聖王国は、ネコサマを信仰する狂信者集団でもあるのだ。

 特に雪中迷彩の侍女服に身を包んだ侍女たちの鮮やかな活躍が、見ている人たちに感嘆の声を上げさせたのである。

 

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