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魔の森の近くを飛行艦で飛んでいたら、魔族の王女様を拾ったんだけどっ?!  作者: トウフキヌゴシ


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24/48

第二十四話。

アーケロンクラスが、国境近くに到着するのに約三時間掛かった。


「にゃにゃ」

「ふにゃ~~」

「つかれたにゃ~~」

「もうむりにゃ~~」

「たてにゃいにゃ~~」


 三時間、「使役の舞」を舞い続けた猫妖精ケットシー達が五人(匹?)床に倒れこんでいる。

 フレッドが、そっと隣の間に目くばせをした。


 パンッ


 という音と共に、隣の間のふすまが勢いよく開いた。


「キャアア、ネコちゃんよ~~」

「お世話するのよ~~」

「ブラッシングよ~~」

「お風呂よ~~」

「ツメきりよ~~」

「ネコ吸いよ~~」

「ん、ネコニャーーン」(←平坦な声)


 本殿に、人魔族は言うにおよばず、ハーフエルフやダークハーフエルフの(超猫好きな)メイドたちが踊り込んだ。


「にゃっ!?」

「にゃああああああ」


 五人(匹?)の猫妖精ケットシー達が、メイド達にもみくちゃにされながら運ばれていく。

 彼らの受難はこれからかもしれない。


 ぜえぜえ、はあはあ

 

 ミャトが五芒星の真ん中で片膝をついて座り込んでいる。

 息が荒い。

 白い巫女服が、汗に濡れて肌にへばりついていた。

 透けた肌色。

 サラシを巻いたスレンダーな胸のコントラストがなまめかしい。


「さ、ミャト様も行きますか」

 フレッドが、ミャトを横抱きにした。

 お姫様抱っこである。


「ちょっ……」

 ミャトの驚きの声。

「……今、汗で匂うから……」

 消え入るような小さな声。


「湯殿へ行きましょう」

 フレッドが優しい声で訊いた。


 コクン


 とミャトが首を縦に振る。

「一緒に入りますか」

「……馬鹿っ……」

 小さくつぶやくミャトのネコミミが、最大限にふせられていた。



「大変ですっ」

「鉄の空飛ぶ船が近づいてきますっ」 


 プラン


 一人(匹?)の猫妖精ケットシーを、両脇に手を入れて抱えたメイドが大きな声で言った。


「えっ」

 フレッドとミャトが神社の外に走る。

 二人とも風呂上がりなのだろう。

 少し頬が(特にミャト)上気していた。

 左右には、()()()()。(←”お松大権現”に実際リアルにあります)

 その先の鳥居を抜けた。

 アーケロンの首の下は、ナール河の銀色の流れが見える。


 その正面に、長さだけはご神体アーケロンと同じくらい巨大な船が浮いていた。


 ブン、ブン、ブン


 と不思議なモノを回しながら近づいてくる。

 所々焼け焦げた跡が見えた。


 その先端には旗が掛けられている。


「どこかの国旗と、氷の結晶の紋章」

「それと、異世界の文字で、”忍”の旗」

 双眼鏡を覗きながらフレッドが言う。


「ふむ?」

 ミャトの多分何もわかっていない顔。


「どこの国かはわかりませんが、”外交船”かもしれません」

「それと、アルンダ―ルのアルテアレ第一王女とイーズナ第二王女が乗っていると思われます」

 フレッドが旗を見て判断した。 


「……とりあえず話をしましょう」

 フレッドがミャトに言う。

 彼は元々、”外交官”としてニャンドロスに来ていた優秀な男なのだ。

 ネコの魅力にコロンダのだが。

 



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