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魔の森の近くを飛行艦で飛んでいたら、魔族の王女様を拾ったんだけどっ?!  作者: トウフキヌゴシ


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第十話。

 ヴィイイ、ヴィイイ


「これは訓練である、これは訓練である」

「全騎(機)、緊急発進スクランブル緊急発進スクランブル

 三段空母、朧月おぼろつきの艦内放送が流れた。


 一段目の滑走路から、


「ラフロイグ、貨物竜キャリアードラゴン、”ピーテッド”出るぞっ」


 タンタンタンタン

 バッ

 少し走ってから甲板の端から飛び立つ。

 二段目にある平型艦橋から下に、がっしりした竜が飛び立つのが見えた。


「え~と、アルテアレ、グレーターワイバーン、”マカロン”出ます~」

 同じようにアルテが黒いワイバーンに乗って、一段目から飛び出した。 


「サクラギ、飛行艇、”ネコジャラシ”出ますっ」

 ゴオオオ

 可変翼を全開にした飛行艇が、三段目の上部飛行甲板から垂直離陸した。


「全騎(機)発艦終了、編隊を取れ」


「「「了解」」」

 魔導無線から声が流れた。


 ブンブンブン


 巨大なプロペラを回しながら空母が空を飛んでいる。


 その前方に、先頭に飛竜。

 左後ろに、ワイバーン。

 右後ろに、飛行艇。

 三角形の形に並んだ。


「続いて着艦訓練に入る」


「「「了解」」」」


 無事、緊急発進スクランブル訓練と着艦訓練を終えた。



 艦の二段前部、平型艦橋(フェリーの操舵室のような感じ)から横に出た外部通路。

 カイラギがコーヒーを片手に外に出ていた。


「あ、アルテ王女、訓練に参加していただきありがとうございました」

 通路の奥から長身の女性が歩いてくる。


「いえいえ~」


「本来なら本艦が全力でお守りするのですが……」

 ――いかんせん退役間近のロートル艦だ

「いざとなったら、リリス様と一緒に本艦からお逃げください」

 ――魔の森の上空を超えて、魔族領へ

 何があってもおかしくないのだ。


「そんなことは出来ませんよ~」

 アルテ王女が少し頬を不満そうに膨らませて、

「この艦と一緒に戦いますわ~」

 

「……そうですか……」


 ふっ


 自分は自嘲気味に笑った。

「ハナゾノ空軍名物、薄いコーヒーでもいかがですか」


「いただきます~」


 艦橋に後ろにある給湯室で、コーヒーを入れてアルテ王女に渡す。


 外部通路の前は大空だ。

 白い雲が足の下に見える。

 二人で並んで薄いコーヒーを飲んだ。


「ふ〜、ふ〜」

 猫舌なのだろうか、息を吹きかけながらゆっくり飲んでいる。

 彼女の瞳が薄く桜色に色づいていた。



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